HDDを高速アクセスする為に。
3D XPoint
Optane Memoryとは、IntelとMicronが共同開発した不揮発性メモリである「3D XPoint」を利用した一種のSSDである。しかもそれはNVMe SSDと同種なのだが、その利用方法は主としてストレージではなくキャッシュとして利用する事を想定している。
特にランダムアクセス等に強いメモリと言われていて、PCI Express接続のSSDと比較してもそのアクセス速度は劣るところがないと言われている。
容量が比較的小さいので、購入しやすいというのもメリットなのだが、それが先日秋葉原オリオスペックで通常より4,000円ほど安価で販売されていた(現在もされているハズ)。通常の使い方で行くならば、IntelのKaby LakeやCoffee Lakeのプラットフォームでサポートされるキャッシュ機能の為、チップセットも200シリーズ以降であれば使用できるものなのだが、逆を言えばそれ以前のプラットフォームの場合は利用出来ない。
が、それはIntelが説明する真っ当な使い方の場合。
実はその前のプラットフォームであっても、Smart Response Technology(SRT)で使用する方法があったりする。何故なら、Optane Memoryのキャッシュ機能とは、SRTの拡張版に相当する機能だからだ。
なので、この高速アクセスを可能にするOptane Memoryを使ってみたいという人は、今がチャンスかもしれない。
SRTで利用する事で…
通常のキャッシュ機能としての使い方をする場合、Optane Memoryは起動ドライブのキャッシュとしてしか利用できない。もしくは、単純な小容量のNVMe SSDストレージとして利用するしかない。
しかし、SRTを利用する事で、起動ドライブ以外のデータストレージのキャッシュとして使用する事ができるようになる。
この使い方は、Intelの公式な使い方ではないため、サポート対象にはならない使い方となるが、それでも大容量のデータストレージに対してのキャッシュとして利用する事で、HDDのアクセス速度を大きく超えて高速アクセスの環境が出来上がる。
しかもSRTを使う場合は、Windowsがインストールされてしまった後の環境であってもOptane Memoryを追加する事ができる。
通常、こうした別ドライブをキャッシュとして構成する場合は、OSがインストールされる前にドライブをRAID構成にして構築するのが通例だが、SRTの場合は必ずしもそういう手順を踏む必要が無い。
また、設定に関してもIntelが配布している「SetupOptaneMemory.exe」を実行する事でドライバーのインストールから設定までを自動で行う事ができる(但し、一部マザーボードメーカーによっては出来ずに手動になる場合がある)。
なので、利用しているPCの起動ドライブがM.2 SSDの人は、あえてOptane Memoryをデータストレージ用にSRTを使って利用し、データストレージを加速させる為に使う、というのも良い手ではないかと思う。
118GBモデルもある
Optane Memoryだが、オリオスペックで格安販売している16GBモデルと32GBモデル以外に、58GB、118GBというM.2スロットタイプのモデルも存在する。
価格は118GBが25,000円弱、58GBが13,000円強といった感じだが、これをそのまま起動ドライブとして使用するのが最も高速アクセス可能な使い方になる。
だが、既にシステム構築済み、という人は、前述の方法で大容量Optane MemoryをあえてSRTで運用する、という手もある。
まぁ…価格的に見合わないので、6,000円で構築できる32GBモデルで運用するのが妥当なラインではないかと思うが、選択肢として存在している事は間違いない。
私のPCも起動ドライブはNVMeのM.2タイプSSDだが、決して超高速という起動時間ではない。これは製品によってアクセス速度が異なるというのが原因ではあるが、起動ドライブにTranscend製の512GBという容量を求めた結果でもあり、私がSamsung製を避けたという理由でもある。
ただ、やはりランダムアクセスに特に強い3D XPointのSSDは速度的には大きなメリットがあるため、まずはキャッシュで使ってみて試すというのも方法ではないかと思う。
今なら32GBで6,000円である。
今の所、オススメな逸品である。
注意:SRTで使用するSSDの容量は、下限制限があるので、今回の例でいえば16GBモデルは使用できない。試すなら32GBモデルのみとなる事に注意。