机の設置面積から諦めてはいたが…。
436M6VBPAB/11
先日、PhilipsのDisplayHDR 1000対応43型モニタ「436M6VBPAB/11」というのを記事にしたが、このモニタ、43型のVAパネル採用とはいえDisplayHDR 1000対応でありながら価格が10万円を下回るという、昨今のモニタ価格から比べれば高いものの、21:9とかの横長サイズウルトラワイド液晶モニタを購入する事から考えれば、それでも価格は安い方で、DisplayHDR 400対応のエントリー機「436M6VBRAB/11」なら、さらに価格は7万円を下回るという実にリーズナブルな価格設定になっていて、実に魅力的である。
43型で4Kとなると、解像密度は104dpiと私からすれば全然100%スケールでも耐えられる解像感だし、視野角がIPS液晶より狭いVA液晶だとしてもそもそもが個人使用のモニタなので、そのアタリも全く問題がないので、今の所私が想定するモニタとしては最上級の回答となるモニタだったりする。唯一の弱点は、43型というその物理的サイズと重量。
スタンド未使用時(つまりパネル部分だけ)であっても976×574×64(mm)というサイズで、スタンドを取り付けると976×661×264(mm)というサイズに膨れあがる。重量もスタンド未使用時で13.96kg、スタンド付きだと14.71kgにもなる。物理サイズが大きいという事は、それだけ設置スペースが必要という事である。
この唯一の弱点が、ズバリ私の環境ではクリティカルに致命的な部分であり、導入したくても導入できない理由になっていたのだが、先日、いつも使用しているPCラックサイズを再度採寸していて気がついた。
「何だ、パネルだけのサイズなら収まるじゃん」
もともと横幅は1m以上の余裕があり、問題となっていたのは縦幅だけだった。縦幅として600mmを何とかできれば、この「436M6VBPAB/11」を設置する事は可能なのである。
スタンドがないと置けないじゃないか、と思われるかも知れないが、世の中には便利なものがあるのである。
それがモニターアームである。
VESA規格
最近のほとんどのPCモニタは、VESA規格に準じたモニターアームが使える様になっている。
標準規格で、モニタ裏にパックパネルを取り付け、そのバックパネルとアームを接合してデスク等にモニタを配置する事によって、デスク上をスッキリさせ、業務をやりやすい形にしてくれたりするのに役立つ方法である。
今回の「436M6VBPAB/11」もVESA規格に準じたモニターアームの取り付けが可能になっていて、200×200(mm)のVESAマウント「MIS-E」がそのまま使える。
ただ、問題は14kgからなるこの重量を支えられるモニターアームがあるのか? という事である。
いろいろ探してみたが、壁掛け用などは比較的簡単に見つかるが、デスクトップで使用するタイプはかなり特殊という感じである。
モニターアームの名門であるエルゴトロンに「HXデスクモニターアーム」という製品があるが、コイツだと最大19kgの荷重に耐えられる仕様になっているため「436M6VBPAB/11」でも問題なく使用する事ができる。
一つだけ問題があるとするなら「HXデスクモニターアーム」のディスプレイ接合部は100×100(mm)なので、200×200(mm)のMIS-E仕様のアタッチメントが必要という事ぐらいである。
つまり、この部分を解決する事ができれば、私の環境でも「436M6VBPAB/11」が利用できる可能性があるわけである。
目の前はモニタ一面
「436M6VBPAB/11」にモニターアームを取り付け、それでPCラック内にモニターアームを取り付けてモニタ設置すると、私の環境でPC操作をする際は目の前がほぼ一面モニタ画面という感じになる。実際にはモニタがデスク上3cmくらいのところを浮いている状態ではあるハズだが、見た感じほぼ一面が画面という感じという表現は間違いないだろう。
このような状態ではあるものの、DisplayHDR 1000対応かつ4Kという広大なエリアを手中に収める事はできそうな感じである。
HDR対応モニタは徐々に増え続けてきてはいるものの、未だそれらは32インチ未満のものが多く、それ以上のサイズとなると基本はTVとなるのが実情である。
しかし、PCである以上実使用可能な解像密度を持ったまま、HDRに対応したサイズを求めるとどうしても40インチ以上になる。
こうした要件を全て満たしうるのが「436M6VBPAB/11」であり、今のところ他に選択肢がない(HDR10対応ならAcer製品が存在する)。
私のように実用域として105dpi前後を確実に必要としながら、かつ4K&HDRという要件を満たす事は、時代としてはまだ早いのかもしれないが、そもそもWindowsの実用密度として105dpi前後という常識が変わる事の方が必要な時代がやってくるのかもしれない。
今よりもっとフォントが滑らかになり、表示品質を高めて行こうという動きになると、4K解像度はそもそも4K解像度として使用する広さではなくなる。まさに今のスマホと同じ感覚である。
果たしてそういう動きになるのか、それともWindowsはあくまでも96dpiをベースに今後も続いていくのか、その流れによって、私が必要とするモニタサイズも変わってくる事になる。
さてとりあえず設置可能な可能性が見えてきたが、果たして導入すべきか?
今度は予算の面から考えていかねばなるまい。