MicrosoftがSurfaceの最新版である「Surface Pro 3」を発表した。
12型液晶でアスペクト比が3:2へと変化した。
紙とペンを意識した新型
Surface Pro 2までは、おそらく対iPadを意識したものではなかったかと思う。
MicrosoftがAppleに対し直接対決を申し込んだカタチだったのではないかと私的には思っているのだが、そのsurfaceは結局ココで方針を変える事になったようだ。
本日発表されたのは、従来のSurfaceシリーズとは抜本的な部分で異なっていた。
まず、本体液晶のアスペクト比が16:9から、ノートに近い3:2に変化した。
搭載されたた液晶は、12型で2,160×1,440ドットとより高精細にはなったが、アスペクト比が異なるため、従来のSurfaceシリーズとは印象が異なる。
12型という大型サイズにはなったが、本体の厚みは10.6mmから9.1mmに薄くなり、重量は907gから800gへと軽量化した。
縦横サイズは292.1×201.4mmなので、A4サイズを若干小さくしたような感じである。
搭載可能なCPUはCore i7、i5、i3から選択可能で、前機種Surface Pro2よりも10%以上高性能化していると言う。まぁ、Pro2はi7を搭載できなかったハズだから、その時点で性能は上と解釈しても問題はないだろう。
発熱の処理だが、従来のような排熱を排気するというファンではなく、周辺に配置されたフィンを冷却するという構造のファンを搭載しているという。これで従来比30%アップの効率を生み、さらに騒音はほとんど聞こえないというレベルに収めたらしい。
搭載メモリはデュアルチャネルで4GBかもしくは8GBを搭載可能で、内蔵SSDは64/128/256/512GBから選択可能としている。
まぁ…Windows8.1がフルで入っているため、内蔵SSDは痕人的には256GBは欲しいところではないかと思う。
また、タッチパネル搭載ではあるが、デジタイザペンによる入力が可能で、その際には手などがモニターに接触しても反応しない機能が働き、ペン入力をしやすくなるという。
気になるお値段
12型で高精細モニター搭載、そしてCore i7選択可能と、製品幅は随分と広いわけだが、具体的にどれぐらいの価格で提供されるのか?
価格は799ドルから、と言われているが、Core i7+メモリ8GB+512GB SSD構成では1,949ドルになるようだ。本日の北米ドル換算で計算すると、1ドル=約101.5円として計算すると…81,099円から、最高構成で197,824円という事になる。
日本のUltrabookやノートPCとあまり変わらない価格設定ではないかと思われる。
あとはこのノート比率の使い勝手をどう考えるか、また、デジタイザペンによる入力をどう考えるかで、価値が変わってくる。
対iPad mini製品はどうなった?
以前から、Microsoftは対iPad miniを想定した8インチクラスのSurfaceを投入するという噂があった。
その噂が出たのは、9インチ以下のモニターを搭載したデバイスにおいてOSのライセンスを無料化するといった話が出た頃ではあるが、Androidタブレットの牽制にもなるし、いろんな方面からこのSurface miniは注目されていた。
しかし、いざ蓋を開けてみたらminiの発表はなし。
8インチクラスのデバイスはMicrosoftからは発売されない可能性が出てきた。
何故そうなのか?
考え方はいろいろあるだろうが、私的に感じたのはMicrosoftが絶対的勝者になれない分野に注力しない、という事なのかもしれない。
だからこそ、今回のSurface Pro3は10型すら登場しないという方向になったのではないかと考える。
iPadは徐々にそのシェアを落としてきている。
しかし、現時点で絶対的勝者である事は間違いが無く、ここ数年で拮抗するデバイスが出てくると思われていた予測とは裏腹に、依然としてタブレット分野ではiPadの力は絶大のままだった。
iPad miniが登場してからは、8インチクラスでもその傾向は続いているようで、タブレット=Appleという図式は、完全に定着してしまった感を受ける。
スマートフォンはAndroid勢の力が強くなり、iPhoneが絶対的な普及力をもつのは日本くらいではないかと思われる(日本では6割以上が未だiPhone関係)が、タブレットでは世界的にAppleが優位であり、Surfaceはその図式を変えられなかった。
だからこそ、ここにきてより紙に近い比率のデバイスへと方針を切り替え、本体サイズそのものをノートに近いサイズにしてリスタートしたのではないかと私は考える。
iPadはたしかにタブレットとしてよくできた製品ではあるが、紙のように使えているかというと意外とそうでもない。サイズがノートと比較して小さく、何かを書き込むにしても、今一つノートのようには行かないのが現実だ。
Microsoftはまさしくそこに注目し、本体サイズをほぼA4にして、紙に変わるデバイスとした。
そこにWindowsとしての機能を全てつぎ込み、さらに手書きをミックスするという方向で売り出したわけである。
今までと余り変わらないじゃないか、と思うかもしれないが、サイズがA4ノートと同格になった事で、使いやすさは劇的に変化するものと考えられる。
しかも、搭載された液晶は2,160×1,440ドットと高精細。12型でこの高解像度なら、紙と比較しても遜色ないレベルと言える。
ただ、一方でSurface miniをMicrosoftが発表直前まで用意していた、という噂もある。
Microsoftが考える「勝てるデバイス」から外れたとは言え、需要がある事も認識していたからこそ、用意していたものと考えられる。
だから、今後Surface miniが全く登場しないかというと、可能性はゼロではないかもしれない。
個人的にminiの登場を待ち望んでいた人もいるのではないかと思う。特に日本では艦これの勢いでWindowsタブレットが人気を呼んでいる。
扱いやすいサイズでフルのWindowsが動作するとなれば、Androidタブレットよりはそちらを選ぶという人も多いだろう。
可能性はゼロではない。欲しい人は待ってみるというのも手ではないかと思う。
ま、私はVAIO Duo 13を既に持っていて、タブレットとしての使用はしていないものの、手軽に扱えるWindowsマシンとして活用している。
中身もHaswellのIntel HD Graphics 5000を搭載しているため、比較的重い映像処理も平気で動く。
艦これは…このマシンではあまりプレイはしないが、普通にプレイできる為、能力的に困る事は今の所ない。
そんなワケで、私は今回のSurface Pro3は購入する事すら検討していないが、今からUltrabookを購入しよう、とか考えている人には一つの大きな選択肢になるだろう。
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