8月20日に記事にしたSHURE SRH940を知人が購入し、その後、DACを薦めたらその知人はDACまで購入したワケだが、やはり音は別次元だという話。
ま、私もDr.DAC2を入れた時に感じた事を、その知人が今体験しているという事なワケだが、こればっかりは聴いた人でないとわからない感動。まずデジタルからアナログに信号を変える所をよくしてやれば、自ずと音は良くなる。そして実際に耳に音を届ける部分、つまりはスピーカーやヘッドフォンが良ければ、聞こえてくる音は格段に良くなる。知人は今、まさにこのサイクルの中にあるワケだ。
そして私は長い間、audio-technicaのATH-A700というヘッドフォンを愛用していたのだが、もうそれも卒業した方がいいだろうという事で、今回は知人に勧めたSHURE SRH940を購入した。
聞き比べはアキバのヨドバシでしてきているため、実際にどんな音が出るのかはわかっている。が、それも環境が変わればまた違って聞こえるし、何よりA700と比較はしていない。
そこで、実際にどれだけ違うのかという事を私の耳で再度検証していきたい。
その前にちょっとパッケージについて記載しておく。
SHUREの製品は国内にも正規代理店があるため、日本語にローカライズされた製品の場合はそうした代理店からの購入になる。実際にはAmazonなどでも購入はできるが、基本的にAmazonのマーケットプレイスだったりする。また、海外の正規代理店から並行輸入したモデルも存在する。中身は同じだが、パッケージが外国語であったり、サポートに問題が出たりするため、海外の正規代理店で扱っている並行輸入品はその辺りをよく確認してから買うといいだろう。
パッケージの中はこうしたキャリングケースの中に本体が入っていて、真ん中上の丸い部分に3mのカールコード、画像一番上、蓋の部分にあるファスナーポケットの中にステレオミニ→標準プラグの変換プラグと2.5mのストレートケーブルが入っている。
また、今ヘッドフォン本体が置かれている下、ケースの中敷き下に予備のイヤーパッドが入っていたりして、高級機と言われるだけの装備品があらかじめセットになっている。
コードは脱着式でステレオミニプラグよりさらに細いプラグに切り欠きがあり、差し込んで切り欠きごと回すとコードは固定できる。
また、標準で付いてくるステレオミニ→標準プラグの変換プラグは、受け側にネジが切ってあり、本体のステレオミニプラグを差し込んでネジ止めしてしまえば標準プラグが固定できる仕組み。ま、一定のオーディオ機器ならこの程度は当たり前の事だが、audio-technicaのATH-A700は価格差なのかその辺りができていなかった。
では、実際に聞き比べて見る。
聞き比べた音楽は“ALL OVER XANADU”という1987年に発売された旧盤サントラ。
このCDを選んだ理由は、前半が生楽器で、後半が電子楽器の構成のため。
環境はPCにUSB Sound Blaster Digital Music Premium HDというUSBサウンドデバイスを接続し、そこから光出力でDr.DAC2に接続、そこからヘッドホンを繋いでいる。
まず前半の生楽器部分だが、940はA700と比較して明らかに弦楽器の音色に艶が出ている。また金管楽器のハッとするような音もより鮮明になり、全体的な音は格段に広がりを持っているように聞こえる。
以前からaudio-technica ATH-A700(以下A700と略)で聴いたときも良い音の印象があったが、SHURE SRH940(以下940と略)で聴くと世界がガラリと変わるのがよく分かる。
他レビューでは“高音が強すぎる”とか“ノイズが聞こえる程の高域設定”などと言われているが、私が聴く限りではそんなに高音が強いというイメージはない。というか、エージング前ならこんなものだろうと思う。ここから300時間も聞けば今より高音は少しばかりマイルドになるだろうし、より深みも出てくるのではないかと思う。
次に電子楽器の音だが…ここにきて高音が多少目立ってるかな? という印象。特に打ち込み系電子ドラムのハイハットなどは多少耳に付く。だが、イヤな感じはしないし、同時に細部まで他の音が聞こえてくる(音の情報量が多い)為、あまり気にならない。
…しかし、古代祐三氏のデビュー作であるXANADU Scenario IIの曲は今聴いても格別である。
全体的に940の方が全域にわたって鮮明に聞こえ、かつ音の広がりもよく、価格差の分以上の音の良さは感じられる。
だが…ここで一つ問題なのは、音に極度なこだわりがない人であるならば、A700さらにその上位グレードのA900でも十二分に良い音に聞こえるという事。940と比較すると確かに落ちるのだが、A700で聴いてもそれなりにちゃんと聞こえている事実を再確認した。
A700とA900の違いは、A700の方が多少POPよりの音に強い感じで、A900はA700よりもよりモニター系、つまり出音が素直な感じに聞こえる製品。昔、ショップで聞き比べた時、A900が欲しかったのだが予算が足りず、A700で妥協したのだがそれでも十二分に良い音だった。
A900はそのA700よりもより出音は素晴らしいものがある。なので今の私の比較でいうならば、A900ならA700よりも940に近づいた音が出ているハズ。もちろん全体的な解像感や音場の広がりは隔たりがあるだろうが、A700よりも上の音は期待できる。
つまり、audio-technica ATH-A900であっても、大部分の人は満足できる音だという事。右サイドの商品レビューにも“入門用”と書いているが、コストパフォーマンスはかなり高いヘッドフォンだと言える。
SHURE SRH940のレビューなのだが、結果的にコストパフォーマンスにもっとも優れたのはaudio-technica ATH-A900というオチが付いてしまった感じ。
但し、絶対的な音の良さは断然940に軍配が上がる。あとは音にどこまで予算を出すか? の問題である。
オーディオに詳しい人からすると、格違いのヘッドフォンを比較してどうする、と言うかもしれないが、オーディオ機器は上を見ればキリがなく、また手の届く範囲の製品で比較する事の方が、大部分の人にとって有効だと私は思っているため、こういう比較をしてみた。
最近は圧縮音楽が世の中に多数出回り、本当に良い音で聴いている人が少ない時代。
圧縮音楽でもデジタル信号からアナログ信号へと切り替える所が良くなれば音は格段に良くなる事実を多数の人に知ってもらいたいし、何より感じて欲しいと思っている。
というわけで、SHURE SRH940はオススメであり、そこまで予算出せないという人はaudio-technica ATH-A900(もしくはA700)はかなりオススメである。
で、ヘッドフォンで音の良さを知ったら…次はDACであるw
注意:
私は音漏れの関係から密閉ダイナミック方式のヘッドフォンをよく使うので、オープンエアーは比較対象外としている。オープンエアーも一つ欲しいとは思っているのだが…
ヘッドホン→DACのコンボを食らって別次元に旅立ったruserですw
私の環境ではスピーカーで音を鳴らすわけにはいかないので、DAC&ヘッドホンアンプとヘッドホンの組み合わせは最適と思われます。合わせて5万近い出費でしたが、今後長く使うことになる物なので割りきりました。
…音を聴いた後だと、安かったかなって思えてしまうのが恐ろしいw
940&DACですが、クリアなギターの音や管楽器は際立って良く聞こえますねー。楽器の位置もはっきり感じられるし、空間の広がりを感じられるのでかなーり気に入りました。
今、外出中なんでイヤホーンを使っているんですが、悪くないはずだったのに音がくぐもって聞こえてしまいます。
外で使ってると断線とかするから、イヤホーンはそこそこのにしておかないと。
しておかないと…いけないんだけと、SHUREのカナル型はこれまた別次元の音だなぁ。
…………………( ̄▽ ̄;)
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SHUREのカナル型イヤフォンは、別次元という言葉すら生温い品質だと思います。
それだけの価格はするわけですが…。
私の場合、外にいる時はそれなりの音でも良いと思っています。
どのみち、周囲の音は拾うし、歩いていれば自分の体内の振動音もイヤフォン内には少なからず入ってきますから。
家でじっくり聞く時にこそ、最大の品質で聴きたい…そんな所ですかね。
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