私は通常、Windowsで音楽を聴く時はiTunesを使ってきた。
だが、実はコレ、納得して使っていたワケではない。iPhoneも持っていて、iPadも持っている…それらとリンクさせて使うにはiTunesが一番便利、という、本来の音楽を主体として考えた運用ではないのである。
実は…詳しい人なら当然のように知っているハズの事なのだが、WindowsでPCオーディオを趣味にするというのは、あまりよろしい話ではない…というか、Windowsのシステム自体がオーディオを楽しむのに適していない…という方が正しいだろうか。
詳しい技術的な事は下記サイトで読んでもらいたいのだが、Windowsでオーディオを聴くと音が潰れてしまうのである。便利さを追求した結果こうなったのか、それとも単に考えられていないのか…。そのあたりはよく分からないが、向いていないのである。
impress AV Watch
「Windowsオーディオエンジンで音質劣化」を検証
「Windowsオーディオエンジンで音質劣化」検証その2
複数のアプリケーションの音をミックスさせる際に、音量含めた音そのものが破綻しないようにシステムがリミッターをかけたりしているようで、その事で音を潰してしまっている。
しかもそれはWindows Media PlayerやiTunesもその影響を受けてしまい、DirectX関係を通すと当然この影響が出るようだ。
私はこの事を知っていてiTunesをずっと使ってきた。Windowsである以上やむを得ないとどこかで考えていたのだ。
だが、もちろんコレを回避する方法はある。それがASIOドライバーを介するという方法である。
ASIOドライバーとは…今更詳しい説明は不要な程、オーディオ関連では業界標準のドライバインターフェースである(詳しくはWiki参照)。
ただ、残念な事に私はASIOドライバー対応のオーディオを使用していなかった。私が使っていたDr.DAC2は未対応なのである。
しかし、今回の新PCはサウンドカードからoptical端子でDr.DAC2に接続しているため、オーディオインターフェースはマザーボード標準のRealtek HD Audioとなった。コイツはASIOでコントロールできるハズ…という事で、さっそくやってみた。
ちなみに私はASIOドライバーを持っていない為、使用したのはフリーのASIO4ALLというドライバであり、またプレーヤーソフトもWindows Media PlayerやiTunesではなく、新たにWinAmpを導入した。
まずはASIO4ALLのインストールから。
ASIO4ALL
http://www.asio4all.com/
最新版は2.11のβ版のようだが、私は2.10をセレクトした。
日本語版が存在しないので、English版をダウンロードしてインストールし、次にWinAmpをインストール。こちらはインストール時に日本語版が選べる。
ちなみにWinAmpインストール時に「select component to install」というセットアップ項目が出てくるが、その際に“ Off-Line Settings”にチェックを入れないとプログラムメニューにセッティング項目が出てこない。アプリケーション外で設定をしたい人はココにチェックは入れた方がいいだろう。
その下にある“ReWuschel”は、ReWireを使用する人向けの設定。私は念の為にチェックを入れておいた。…Reasonで使用できるかもしれないからだ。
ASIO4ALLの設定は、ASIO4ALLのコントロールパネルの右下のスパナアイコンを押す事でできるようになる。
この中身だが…多分ほとんど触る必要がないハズ。多少バッファーサイズを調整する必要はあるかもしれないが、ほとんどそのままでも低レイテンシでの運用ができると思う。私は標準より若干バッファを少なめにしている。
次はWinAmpの設定。
オプションの設定から、出力をセレクト。そこに出力プラグインの一覧が出てくるのだが、そこに…標準ではASIO対応のプラグインはインストールされていない。
なので、WinAmpのオンラインサービス(メディアライブラリタブのリスト内にある)を開き、出てきたページの“Search”ボタン左の襴にASIOと入力すると、検索結果の中に“ASIO output Plugin”というものが出てくる。これをダウンロードして実行すれば、先程の出力プラグインの中に“ASIO output Plugin”が出てくるようになる。
出力プラグインを“ASIO output Plugin”にすれば、これでWinAmpはASIO4ALLで動作するようになる。
で、聴いてみた感想からいうと…音質向上ではなく劣化がなくなった、という感じ。
ただ、ヘッドホンとかある一定の環境が整っていないと、大きな違いは感じられないかも知れない。ここらへんは個人の耳の問題も出てくると思う。
ただ、私の環境で言えば確実に変化した。
よりメインメロディの周囲で鳴っている音が明確になったし、レンジが広くなった感じがする。ヘッドホンアンプを入れた時も広がりを随分と感じたが、そこからさらに広がる感じか? いや、クリアになった感じといった方がいいか?
確かに音は良くなったが、ASIO4ALLを使う上で気をつけた方がいいこともある。
それは音楽を聴く時、私の場合はWinAmp使用時だが、その音しか聞こえなくなる。Windowsは結局オーディオエンジン(旧カーネルミキサー)で音を制御していて、オーディオデバイスであるRealtek HD AudioをASIO4ALLで乗っ取っているため、他の音は聞こえなくなる(当たり前の話である)。
なので、純粋に音楽鑑賞としてこの方法を使うに止めておいた方がいい、と私は思っている。Windowsがこの辺りの仕様を大幅に改善してくれない限り、この用法は変わりようがないだろう。
また、トラブルも起きるかもしれない為、あくまでも自己責任で行う必要がある事は言う迄も無い。
何にしても、ちょっとでも音の良い環境で音楽が聴きたい人はやってみる価値はあると思う。今やPCをオーディオ機器の一つとして使用する人は多い。その中にあっての一つの楽しみ方、と捉えるとこの自己責任は意味は見えてくる。
一つ、試してみてはいかがだろうか。
自分もオーディオをやっていますが、PCオーディオ(windowsかmac)をやろうかと検討中です。(もしくはネットワークオーディオ)
音質などは、どれくらい違うんでしょうかね~?
返信
PCオーディオを考えるなら、今はMac一択じゃないかと思います。
オーディオにしか使わないPC…という観点ならWindowsでASIOドライバーが使えるサウンドデバイスを接続…という方法でも良いですが、オーディオにしか使わない、という事は多分ないと思うので現実味はないと思います。他用途と同時に使う場合、音楽再生時には他の音が聞こえなくなるという弊害が必ずついて回ります。
ネットワークオーディオの場合はそもそもWindowsやMacを使う必要がない(もちろん音素材を入れる為に使うかもしれませんが)ので、音素材が入ったNAS(もしくはPC)とそれを再生するネットワーク対応コンポが音質の決め手になりますから、コンポ次第で音質が決まると言っていいでしょう。
音の良さを決めるのは、サウンドデバイス次第なので、どれだけ高音質のものを用意出来るかだと思います。
ただ、そのデバイスをコントロールするものがWindowsなのか、Macなのか、それとも専用機なのかの違いです。
Windowsの場合には、通常使用と同時に使おうと思えばオーディオエンジン(旧カーネルミキサー)に問題があって、標準ドライバーではダメだという事です。
予算に何の問題もないなら専用機のネットワークオーディオが一番良いでしょう。
Macを持っているならMacという手も良い方法だと思います。
Windowsを使うなら、音楽を聴く時は他の音が聞こえない事を覚悟して使う、という方法が良いです。
…こんな説明しかできなくて済みません(-_-;)
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アドバイスありがとうございました。
大変、参考になりました。
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