利便性考えたら当たり前だと思う…。
PCスピーカーはBluetooth対応へ
10月29日、BCNによると、PCスピーカー市場において2012~2015年の市場分析および今後の予測では、Bluetooth対応モデルが全体の4割を占めるまで増加し、高価格帯モデルの売れ行きが好調、平均単価が上昇する、とまとめた。今後は台数比率でBluetooth対応モデルが有線モデルを上回って行くとみている、という結果だ。
この予測、私もそう間違った予測ではないと思う。
既にスマートフォンを中心に、Bluetoothを内蔵した音楽プレーヤー機能を持つデバイスの音楽を聴く際に、ヘッドフォンで聴く人もいるのは当然として、それを部屋で聞く場合、スピーカーへと出力する際にもっとも便利な手段はどう考えてもBluetoothによるアンプ出力であり、そのアンプ(この場合プリアンプ及びパワーアンプどちらも含めて)の価格を考えると、Bluetooth対応したアンプ内蔵スピーカーへと出力するのがもっとも手軽なのは明白である。
また2015年9月のPCスピーカー市場の台数比率においても、有線モデルが52.2%、Bluetooth対応モデルが39.3%、その他8.4%と、2012年のBluetooth対応モデル比率9.5%から3年で約4倍にまで膨れあがってきている。今後、この流れは間違いなく有線モデルを追い抜いていくだろう事は簡単に予測ができる。
BCN
http://www.bcn.co.jp/
(前述内容の記事は会員専用記事となっている)
しかも、購入層の平均価格では「1万円以上」が2012年の比率から約3倍増加し全体の23.1%にまで拡大した。つまり、大雑把な言い方をすれば、4人に1人は1万円以上のPCスピーカーを購入しているという言い方ができる。これはBluetooth対応モデルがどうしてもBluetoothユニットを組み込む関係から通常スピーカーより高価になっているという事が原因と言える。
また、この1万円以上の比率が上昇した分、5,000円未満の購入層が減少しており、5,000~1万円の購入層の比率は変動していない事を考えると、全体的にPCスピーカーへ投資する金額が上昇しているという言い方ができる。世の中、PCスピーカーの高級志向化が進んでいるといえるのしもかれない。
BOSE製品、強し
Bluetooth対応スピーカーの売れ行きでは、Sony、BOSE、ハーマンインターナショナルの製品が上位を占めているようで、有線モデルではELECOM、サンワサプライ、ロジクール製品が上位を占めているという。有線モデルのメーカーを見ると、これらが安価製品の代表格である事は明白である。
Bluetooth対応スピーカーでは、特にBOSE製品のシェアが強いようで、無線/有線共に平均単価が2万円前後と、平均購入価格である7,300円を大幅に上回っているという。
たしかにBOSE製品は小型かつハイパワーで音が良いという印象を私も持っている。特にM3が発売された時はあんなに小さいのに何でこんな音がでるのか? と思ったものである。
つまり、PCという特定の場所に置く製品の横に置くであろうスピーカーは、特に大きなスピーカーではなく、小さくまとまった製品が好まれ、しかもそれでいて音が良い、と製品に顧客の目が向いているという言い方ができるかもしれない。
そうなると、確かにBOSE製品に着目するユーザーが増えているのも納得がいくというものである。
音に拘るとやはり有線か?
しかし…個人的に思っているのは、音に拘るとまだどうしても有線モデルのスピーカーの方が優位にあるように思えてならない。
これはスピーカーというよりもアンプの問題かもしれない。
Bluetooth対応スピーカーは、スピーカー内にアンプを搭載しているものが多い。それは単純にスピーカーという単体の中でサウンドデータを受信し、それをアナログ化して出力する、というプロセスを一体化させているからであり、スピーカー内にD/Aコンバータを内蔵している事を意味する。
別にそれらが一体化しているから音が良くない、というつもりはないが、高級オーディオと呼ばれる製品群を見てみると、このD/Aコンバータやアンプ出力部分の設計に拘っている製品が多く、どうしてもその部分の小型化が難しい。
となると、どうしても音に拘っていくと、このあたりのユニットがセパレート化しやすい傾向にある。
つまり、このBluetooth対応スピーカーの需要が増えたという傾向は、ほどほどに音が良く、それでいて手軽であるという理由が普及の最大の理由であり、別にデジタル音楽を良い音で聞きたいという、音そのものに劇的に拘った結果とは言えないように思う。
…ま、当たり前の結果か(爆)
どうしても音に拘りたい、でもBluetoothで無線化したい、という人は、Bluetoothユニットを経由して有線スピーカーを接続したアンプを無線化した方がよいのかもしれない。
これはスピーカーだけでなく、ヘッドホンも全く同じ事が言える。
ココからは余談だが、私が持っているSonyのNW-M505はBluetooth機能が搭載されたウォークマンなのだが、コイツには「S-Master MX」というSony独自のフルデジタルアンプが搭載されていて、Bluetoothで受信した音楽をこのフルデジタルアンプ経由で聞く事ができる。
だからPCにBluetoothユニットを取り付けて、それを経由してNW-M505で音楽を聴くと、普通にPCの音をアナログ出力している時よりもずっとクリアで良い音で聞く事ができる。
Bluetoothはあくまでも通信規格でしかなく、サウンドデータをBluetooth規格の通信でやりとりしているに過ぎない。だから受ける側が高音質化してやらないと音そのものは良くならない。Bluetoothだから高音質、とかいう意味不明な売り文句があったら、それは明らかに間違いであって意味を成していない。気をつけよう。
とりあえず、今PCの音に拘っていないけど今後は…という人は、Bluetooth化して手軽に高音質化を狙ってみるのも一つの手かもしれない。
特にノートPCユーザーなら、この手軽さは非常に有効であり、煩わしさから解放される事は間違いない。