なんぢゃこりゃ、と叫んだのはココだけの話。
α7S IIもびっくりの高感度
PENTAXから、最高感度ISO819200のデジタル一眼レフカメラ“PENTAX KP”が発表され、2月23日に発売される。
価格はオープン価格となっているが、店頭予想価格は13万円台と言われている。正直、この高感度値と価格を知ったとき、驚きを隠せなかった。
何故なら、Sonyのα7SIIでも最高感度ISO409600と半分でありながら、その価格は28万円台であり、その前機種のα7Sでも価格は20万円程度と、圧倒的な差があるからである。
もちろん、価格差があるのにはセンサーサイズの違いというのもあるだろう。
Sonyのα7S系統は35mmフルサイズセンサーを採用しているが、今回発表されたPENTAX KPはAPS-Cサイズであるから、そのセンサーサイズの差がある限り、価格差があるのはむしろ当たり前の話かもしれない。
だが、実際問題としてセンサーサイズが小さいまま、高感度を上げるのは至難の業である。1画素あたりの光量がAPS-Cサイズの方が少ないからである。
α7S系統は、35mmフルサイズセンサーでありながら画素数は1220万画素で、1画素あたりの面積をかなり大きく取っている。
しかしPENTAX KPはAPS-Cサイズでありながら画素数は2,432万画素と、どう考えても1画素あたりの実面積がα7S系統と比べて小さいのである。
取り込む事のできる光量が圧倒的に少ないハズなのに、最高感度が2倍のISO819200というとんでもない数値となったのはどういった理由なのだろうか?
とにかく高感度に強いセンサーだという事はわかるが、時代はそこまで進んだ、という理解で良いのだろうか?
スペックはごく普通?
この驚きの高感度耐性以外のスペックはというと、このシリーズの前機種であるK-3 IIを大幅に超えるというものでもない。
詳しいスペックは専門のサイトを見てほしいが、大まかに言うと、シャッター速度は1/6,000秒で、静音電子シャッターは1/24,000秒。連写性能は最高約7コマ/秒と電子シャッターが使えるのが強みかという感じ。
AFも測距点数は中央25点クロスの27点で、アルゴリズムの改良によって、AF.Sでは迷うことが減り、AF.Cではピントが背景に抜けにくくなり、全ての交換レンズ使用時の合焦速度が従来機種より高速化しているなど、新機種らしい底上げはもちろんある。
他は、角度ブレ、シフトブレ、回転ブレに対応するボディ内5軸手ブレ補正機構を内蔵し、最大5段分の手ブレ補正効果が得られる…など、内容的にも驚くものはそうそう多いわけではない。
やはり強烈なまでの高感度耐性ほどの驚きはないといえる。
それでも一般的な一眼レフ機の中級機ぐらいの性能は持っている。そこはやはりK-3 IIの後継機という立ち位置らしい。
ただ、防塵・防滴、-10℃までの耐寒性能を備えるといった環境耐性は、超高感度耐性と組み合わせると非常に実用的な感じがするのは私だけではあるまい。
フルサイズ後のAPS-Cの在り方
ココからは私の思った事だけをただ書いていく。
真実かどうかは分からないが、何となく、PENTAXなりの今後のAPS-Cサイズのデジカメの方向性を示したのが今回のPENTAX KPなのではないかと思う。
通常の高画質な画を求めたカメラは、フルサイズのK-1の領域として、APS-Cのカメラはそうした高画質を求めるカメラとは違う方向性の画を求めたスタイルを、PENTAX KPで示したのではないだろうか?
これは、私がOLYMPUSのOM-D E-M5 mkIIが登場する時にもこのBlogでちょっと触れたと思うが、私はE-M5 mkIIは思いっきり高感度耐性の高いカメラにしてE-M1と違う方向性にして欲しいと考えていた。
E-M1シリーズとE-M5シリーズでは、像面位相差AFの有無で違いはあるが、その撮れる画にそう大きな違いがなかった。だからE-M5シリーズはE-M1シリーズが向かわない方向性を持たせる事で、別の価値観を与えて欲しかったのである。
実際には、E-M5 mkIIは像面位相差AFは搭載せず、ハイレゾショットを搭載した機種となったワケだが、結局最新のE-M1 mkIIにもハイレゾショットは搭載されたわけで、結局は大きな差は生まれなかった。
私がなぜこのような差を機種毎に必要と考えたのかというと、理由は単純で既にハイエンド機は価格的に差を生み出しにくくなってきているからだ。
カメラはもともとメカ部分で価格差を生み出せる製品だったが、最近はデジタル化が進み、メカ部分での差を生み出しにくくなってきた。さらにデジタル部分というのは、廉価させやすい部分でもあり、結果それでいろんな価格帯のカメラの差が小さくなってきた。
特にオリンパスはミラーレスという、メカの真髄でもあるミラーを取り払った構造の為、余計に差が付けにくい。だからこそ、カメラ個体の特色が必要だと思ったワケである。
今回、PENTAXは私がそう考えていたような考えの元…かどうかはわからないが、そういった方向性でハイエンドカメラとは違う方向性でその下のクラスのカメラを投入してきた。
私はこの方向性は間違っていないと思うし、そうあるべきだと思う。この判断は英断だったと言いたい。もっとも、市場がどういった反応を示すかはわからないが。
ぜひとも、オリンパスにもこうしたカメラ個体の特色という部分に注目してもらいたいものである。
PENTAXユーザーとしては見逃せないニュースでした。
APS-CのフラッグシップであるK-3IIの後継では無いようなので、スペックはそこそこに抑えて買いやすい価格帯で出してきた様です。
かなり小さいけど、堅牢な防塵防滴のマグネシウムボディなのはPENTAXらしいですね。
ISO感度の上限は、新型センサーの性能もあるけれど、K-1やK-70で培ったソフトウェア処理が大きいみたいです。
少なくともISO6400は実用的みたいですが、実用感度の上限がどの程度かが気になりますね。
画素ピッチがK-3とほぼ同じなのに、これだけ上限を上げられたのは驚きです。
K-1と比べてどうなのか、興味ありますねー。
そして、既にディスコンになったK-3IIの後継機はどんなカメラになるのか、今後が楽しみです。
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APS-Cサイズのカメラとフルサイズのカメラで価格差がどこまであるか次第だと私は思っています。
PENTAXはまだ価格差がそれなりにあるのかな?
であるならば、廉価機としての立ち位置にある機種が登場してもいいのかもしれない。
物理的な性能も上がってはいるだろうけど、ソフトウェアでの対応だとしたら、実用域は819200という数字から想像できるものよりは小さいかも知れませんね。それでも6400が実用域という時点で優秀とは思います。
マイクロフォーサーズもこういった尖った製品が出てきてくれればモデル毎に棲み分けができるんだけど…。
やはりドコに機能の重点を置くか、という事なのかな。
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