もうおなじみのiFixitによる分解。
知るために分解
新しいハードウェアが登場すると、必ず出てくるのが分解という行為である。
これは、最近ではコンシューマゲーム機のみならず、スマートフォン等も対象になっていて、いろんなものをとにかく分解するという、ある種「お約束」的な行為になっているが、先日発売されたNintendo Switchにおいても、その例に漏れることなく、早速分解されていた。
Nintendo Switchは、当初よりNVIDIA Tegra X1ベースと言われており、ストレージメモリとして32GBのeMMCチップが搭載されると言われていた。
このストレージメモリをメインメモリと勘違いして、PS4は8GBしかないがNintendo Switchは32GBもある、なんて事を平気で公言していたとある投資家情報もあったが、実際にはストレージメモリであるため、体裁としてはスマホに近い表現を最初からしていたハードウェアという事になる。
実際、Tegra X1ベースという時点でスマホと何も変わらないわけで、具体的なスペックで言うと、どうもARM Cortex-A57のクァッドコアで、GPUはNVIDIAのMaxwellアーキテクチャのカスタム版のようである。
メインメモリは4GBで、ドッキングベースで運用しているときはGPUが約1GHzで動作するが、モバイルで運用している時はそのクロックが1/3程度になるようで、バッテリー動作での持続時間等を考慮していろいろ制限を設けている事が想像できる。
発売した後であるにも関わらず、これらスペックを予想を交えて書かなければならないのは、任天堂がこのあたりの情報の全てを公開しているからではないからで、それらを検証する意味でも、各所で分解という作業が行われるのである。
分解してわかった事
いや、今更言うまでもないが、ホントにスマホそっくりな作りだと言えるだろう。
使われている半導体もカスタム化されているとはいえ、ほぼスマホで使われている機能をそのまま使用している。
総合的に言ってしまえば、2015年発売のGoogle製タブレットである「Pixel C」とほとんど同じである事が分解からわかった事である。
搭載しているバッテリーの容量は4310mAhで、この容量で本体と6.2インチHDの液晶を駆動させる事になる。数値だけ見てもわかるが、スマホとかタブレットとほぼ同じである。
特徴的なドッキングするコントローラーにもバッテリーは搭載されていて、左右それぞれに525mAhのバッテリーが内蔵されている。
ドッキングベースも、USB2.0端子が2個、HDMI端子、USB3.0端子(アップデートで今後対応予定)が搭載されているだけというシンプルさ。
これをスマホと呼ばずして何と呼ぶのか?といわんばかりのスペックである。
これらを、実にシンプルに実装していて、持ち運ぶ事によって割れるであろう液晶パネルなどを容易に交換できるようにしている。
この事から非常に分解しやすいハードウェアになっているようで、昨今のAppleとは全く逆の方向性である。
ますます懸念される今後
niconicoのアンケートでは、アンケート対象者の1/4程度がNintendo Switchを購入もしくは予約した、との事で、実際に購入したのは4%未満だったらしい。
では他の75%程度の人達は、現時点でNintendo Switchの購入を見送っているという事になるが、この数値は果たして高いのか、それとも低いのか?
おそらく、これをPS4に置き換えてアンケートを実施すると、多分半数ぐらいの人が購入という結果になるのではないかと思う。
もちろん、アンケートを採った範囲が範囲だけに、一般の民意を反映しているかと言われれば疑問だが、VR対応など未来的な要素を持つPS4の方が、購買意欲を刺激する事は間違いないだろうと推測される。
実際、25%強の人達しか、Nintendo Switchを購入しようという人がいないというのは、私的には少なすぎるように思えてならない。
おそらく、ほとんどの人はこれならスマホで十分と考えている可能性があると思える。
実際、スマホにBluetoothで接続できるコントローラーと、それらをコントロールするアプリケーションとそれに連結するソフトウェアプログラムがあれば、スマホで同等の事ができるように思えてならない。
任天堂は、プレイヤーをテレビの前から開放したいという思いがあるようだが、その役目は既にスマホが担ってしまっていて、任天堂はその二番煎じをやっているようにしか見えない。
分解してみれば、全くそれを否定できないハードウェアの実態が見えるわけで、任天堂はこのNintendo Switchを使って、ユーザーに一体何を問いかけようとしているのかが見えてこない。
任天堂は一体どこに向かっていこうとしているのか?
少なくとも、明るい方向に向かっているように見えないというのが私の感想である。
Nintendo Switchではゼルダが圧倒的人気らしいが、もし仮にそのゼルダが他のプラットフォームで発売されるとしたら、多分Nintendo Switchはびっくりするぐらい売れなかったように思える。
今は予約分を完売するなど、それなりの売れ行きを見せているが、任天堂の起死回生の一手としては弱い持ち駒じゃないかと思える。
セガのようにハードウェアを切り捨てるという手もあるが…おそらく任天堂はその目指す対象年齢の低さから考えて、セガと同じ道を歩む事はないだろう。
どうする? 任天堂?
結局、ゲームハードが売れるか否かはゲームに左右されると言う当然の結果に落ち着きそうな気がします。
インターフェースが真新しくても、スペックが高くても、ゲーム機として使う以上はソフトが無ければお話にならないわけで、ゼルダだけではローンチが弱いと感じてます。
ゼノブレイドXが予定されてるので、それが出るまで買い控えしてるのかも?
3DSではモンハン等のキラータイトルを獲得してるので、今後のソフト次第ですかねー。
WiiUの二の舞になりそうな気配濃厚ですが…w
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問題はNintendo Switchを据置機として捉えるか、それともスマホのようなモバイル機器として捉えるかで、人々の受け止め方が変わるのと同時に受け入れられるかどうかが決まると思う。
今のままだと、どっちつかずなハードとして物珍しさに惹かれた人だけの人気で終わってしまうように思う。
コンテンツとしてもハードウェアの能力からしてWii Uと似たようなレベルのものが想定できるだけに、今後厳しい生き残り戦線を戦っていくしかないように思える。
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