今回私が注目しているビデオカード。
本命はRadeon RX
COMPUTEX TAIPEI 2017の話を蒸し返す事になるかもしれないが、私が今年注目しているビデオカードは、NVIDIAのビデオカードではなく、AMDのRadeon RX Vegaだったりする。
絶対的性能はおそらくNVIDIA製とは思うが、Radeon RX Vegaは新しいメモリアーキテクチャを採用し、今まで私が導入してこなかったAMD特有のドライバ機能を私が使いたい、と思っているところから、今回はRadeon RX Vegaに注目している。
当初、COMPUTEX TAIPEI 2017でRadeon RX Vegaが登場するかも知れないと予測していたものの、気がつけばHPC用のRadeon Proシリーズのみが発表され、コンシューマ向け製品は全く触れられていないという状態だった。
その後出てきた情報だと、Radeon RX Vegaは7月末に行われるSIGGRAPH 2017のタイミングで正式発表予定らしい。
もう少しの話ではあるが、実際どんな製品になっているのか、気になったのでネットに出回っている情報をちょっと集めてみた。
最適化待ち?
それらによると、現時点でRadeon RX Vegaは最適化待ち状態で、使用するメモリの関係で性能にバラツキが出ているようである。
使用するメモリは、以前から言われているように“HIGH Bandwidth Memory2”を使用し、そのメモリをSRAMの代わりにキャッシュとして使用する事が検討されている。これによって、キャッシュからの読込を高速化し、メモリ帯域のボトルネックを解消しようというのがその試みである。
つまり、キャッシュのヒット率が高ければ性能はガンガン上がり、ヒット率が低いと性能が伸び悩む…そんな感じなのではないかと思われる。
だからベストケースだとスゴイ性能を示す一方、ワーストケースだとNVIDIAの1080 GTXよりも低い性能しか出てこないケースもあるのだろう。
こうしたキャッシュヒットは、キャッシュメモリのコントローラーの性能もさることながら、アプリケーション側にも関わってくる話なので、一筋縄では解決できない可能性があるが、そこを何とか最適化して解決しようとしているのが今のタイミングらしい。
果たして、最適化はどこまで性能を安定させてくれるのだろうか?
ライバルは1080 GTX?
Radeon RX Vegaの性能指標としてライバルとしているのは今の所NVIDIA GeForce 1080GTXと思われる。
発売時期から考えて、少なくとも1080を超えないと消費者サイドは納得しないとは思うが、ほとんどの人が望んでいるのは、1080を超えても価格が抑えられている事だと思う。何故なら、NVIDIAはもう次世代のコアの準備に入っていて、その姿をチラつかせているタイミングだからだ。
だから、少なくとも1080を性能で超え、価格はそれ以下でないと商品力は上がらない。
また、ちゃんとVRをやろうと思ったなら、最低でも1080クラスの性能は欲しいところで、現状Ready状態として認定されている1060クラスではすぐに力不足になるのは目に見えている。
そうした背景を考えれば、ハイエンドとされるVegaであれば、1080という指標は超えて当たり前、超えた所で他にメリットがあるという道筋を付けないと、よほどのAMD信者でなければNVIDIAから乗り換えようなどとは思わないだろう。
ある意味、そこから泣き所でもあり、そこさえクリアできれば現在の市場形勢逆転が可能になるかもしれないというポイントでもある。
選択肢が増える
昨年まではCPUにしてもGPUにしてもほぼ採用メーカーがパッと決まってしまうぐらい一強状態だったが、今年に入ってそれが大きく変わり始めた。
AMDが攻勢に出てきた為でもあるが、本来市場はこうでなければおもしろくない。
また、今年ならCPUはIntelを選んでもGPUはAMDとか、CPUはAMDでGPUはNVIDIAなんていう組合せの違いを検討する事も、今まで以上に活発になってくると思う。
GPUは依然としてNVIDIAが強いというのは避けて通れないが、Vegaの登場でそこにも有意義な選択肢が増える事は間違いない。
本当はもっと沢山の選択肢があるのが良いのだろうが、現在はCPUにしてもGPUにしても二極化してしまった為、CPUとGPUのそれぞれの組合せによるパターンしか存在しない。だが、昨年まではそれすらもままならない状態だったのだ。
それから比べれば、今年は実に良い方向になってきたと言える。
あとはホント、予算を組んで検討するだけなのだが…検討できるだけの価格情報があまり出てこないのが残念である。
…それで組めなくなる可能性もあるわけだが(爆)