ASUSからようやく希望を叶えてくれるようなモニタが現れた。
ROG STRIX XG43UQ
ASUS JAPANから、HDMI2.1対応製品を含むゲーミングディスプレイ4機種が発売されると発表があった。
43型「ROG STRIX XG43UQ」、32型「ROG Swift PG32UQ」、28型「TUF Gaming VG28UQL1A」および「TUF Gaming VG289Q1A」が発売され、価格はともにオープンプライスとなっている。
この中で私が特に目を付けたのは、言うまでもなく43型の「ROG STRIX XG43UQ」である。
43型で4K解像度という事で、ドットピッチは102dpiとなり、表示拡大率100%であっても純粋にデスクトップが広く感じられるサイズになっている。
「ROG STRIX XG43UQ」は応答速度は1ms(MPRT時)で、最大144Hz表示に対応した4K(3,840×2,160ドット)VA非光沢パネルを搭載し、DisplayHDR 1000認証を取得、色域はDCI-P3 90%をカバーし、FreeSync Premium Proもサポートするという、至れり尽くせりの仕様になっている。
表示色数も10億7,370万色となっているので、10bitカラー入力にも対応していると考えられ、輝度は750cd/平方m、コントラスト比は4,000:1となっている。
インターフェースはHDMI2.1が2つ、HDMI2.0が2つ、DisplayPort1.4が1つ、USB3.0が2つとなっており、10Wの2chスピーカーを搭載、イヤフォンジャックも備えている。
これで本体サイズは974.58×301.5×631.31mm(幅×奥行き×高さ)、重量15.3kgとなっており、横幅1m近いサイズが置けるようであれば、実に良いモニタではないかと思える。
ここにきてようやく追いついてきたか?
私は、今から1年程前に、PS5が発売された事で、それに追従できるモニタが必要であるという事を訴えてきた。
実際にはその前から、HDRに対応する4Kクラスのモニタでもっとリフレッシュレートの高いモニタが必要になるという事を言い続けてきたのだが、それを大きく後押ししたのがPS5だった。
だが、実際にはPS5が発売されても、なかなかPS5を満足させられるだけのモニタが現れず、リフレッシュレートを満たせばHDR対応が欠け、HDR対応を満たせばリフレッシュレートが欠けるという状態だった。
しかし、ここ最近になってようやくHDRと高リフレッシュレートを満たす事のできるパネルが登場しはじめている。ようやく技術が追いついてきた、という事なのかもしれない。
ただ、やはりまだこれら高性能なモニタは価格が高い。10万円台後半ともなれば、導入できる人は限られるだろう。これが10万円内で値動きするぐらいになると、時代が変わったと言えるのだが、そこに行き着くまでにはまだ時間がかかりそうである。
ミニLEDやマイクロLEDはどうなった?
これら、高リフレッシュレート&HDRを満たすモニタは、私からするとミニLEDやマイクロLEDの技術が整わなければ実現できないかな、と当初は思っていた。
それぐらいミニLEDやマイクロLEDの技術は革新的で、色を表現する上で有利になる技術だったわけだが、今回のASUSのモニタは、通常の液晶技術でここまでのスペックに仕上げてきているようである。
単純に、処理するコントローラチップの性能が上がったんだろうな、という気もするが、バックライトの制御技術が進んだことで、HDR表現が可能になったという事もあるのではないかと思う。
どちらにしても、まだ高級な機能とも言えるので、ホントの意味で一般的な機能とは言い難いところはあるのだが、それでも製品として成立していなかった昨年と異なり、今年はちゃんと製品として発売されるレベルに上ってきた事は評価すべき事である。
…ま、私の場合は、この43型モニタを置くだけのスペースがないので、そもそも使えないのだが、広いデスクトップかつ高いコントラスト、コマ落ちしない素早い動きを実現したいなら、この製品は検討の価値はあると思う。
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