2022年1月13日、VTuberに激震が走った。
終了宣言のVカツ
アバター作成サービスとして展開していた「Vカツ」が、今年最初にいきなりサービス終了宣言をした。
半年後の6月30日の正午にサービス終了という事で、実際には半年後の終了宣言だったわけだが、VTuber活動をしていた人からすると、この「Vカツ」を利用していた人もかなり多いところもあり、VR空間で自分の体がなくなってしまう、という声が出たりして、大きな激震が走った。
この「Vカツ」がよく使われていた理由の一つとして、有料の「キャラチケット」を1枚5,000円で購入して利用する事で、他社サービスである「ニコニコ立体」や「THE SEED ONLINE」にデータを転送して利用出来る、というサービスがあったのも大きい。
「Vカツ」そのものも、使いやすかった事から、ユーザーはとても多かったのだと思うが、それがイキナリサービス終了宣言である。
しかもサービス終了後は利用する事もできなければ、そのデータの配布をする事もできない。アップロードされたものの削除こそ不要ではあるが、他社サービスに転送したアバターも利用できないので、前述した「体がなくなる」なんて叫びがあっさたわけである。
WebアプリのVTuber
と言うわけで、今まで「Vカツ」を使用していた人は、代替サービスを見つけ、引越しするしかない。
引越し先としていくつか有名どころのソフトがあるにはあるのだが、Webブラウザー上で動作させられるVTuberモデル操作アプリ「Webcam VTuber」というサービスが公開された。
ユーザーローカル Webcam VTuber
https://vtuber.userlocal.jp/
USBカメラやノートPCのカメラに映った人物の動きをトレースして、リアルタイムでVTuberモデルに同じ動きを取らせることができるサービスで、無料で使用出来る。
モデルは予め用意されたモデルもあるが、既存のVRMファイルをアップロードして使用する事もでき、他にも「Vroid Studio」や「Blender」で出力した3Dモデルをアップロードして使用する事もできる。
あくまでも3Dモデルを外部から持ってくる事を前提としているようなところがあるので、まずは3Dモデルをどうにかしないといけないわけだが、それらに関してはいろんな作成サービスがあるので、そういったところで作成して「Webcam VTuber」で動かせばよいだろう。
ポイントはブラウザで表示する事ができるという事。
これによって、配信ソフトに組み込む場合はブラウザをキャプチャすれば良いだけになるので、非常にわかりやすい。
Webアプリの内部では、AIによって骨格を推定しているようで、トレースの精度はかなり高いという。体の動きや顔、腕の動きは当たり前だが、口や目の動き、指の動きまで再現できる。表情については、5種類の表情が用意されているので、そこで切替える事にはなるが、表現はかなり再現されるのではないかと思う。
メタバース
VR空間での表現としてアバターを作り、それによって仮想空間生活ができるとなると、VTuberのような存在がこれからも必要になってくる事は間違いない。
メタバースと密接に繋がっていく話なので、まさに話題の中心にきそうな話である。
「Vカツ」が何故このタイミングでサービスを終了したのかはわからない。プログラム的な問題なのか、それとも企業として継続できない問題なのか…そのあたりは諸事情があるようだが、この発表の後、置き換わるサービスの動きはとても早かった。
今や、このアバターデータを売買するビジネスも当たり前のように行われる時代なので、初期のころから実績のあった「Vカツ」がなくなれば、その後釜に入ろうとするサービスが必ず出てくる。
今回私が紹介したサービスは、あくまでも動きをトレースするだけのサービスなので、モデル作成は別で行う必要があるので、著作権がからむモデル問題とは無縁の話にはなるが、作成物の著作権問題がこれでまた大きな意味を持つようになるだろう。
今はまだ一部のVTuberだけの話に留まりそうな話だが、世界的な動きでいけばもっと大きな波になる可能性はある。
そうした動きを長い目で見ていきたいと思っている。