ATOKが2月よりアップデート開始。
新しくなるのは良いのだが…
ATOKが6年ぶりに変換エンジンを刷新する。
そしてその提供が2月1日から始まった。
新しい変換エンジンの名前は「ATOKハイパーハイブリッドエンジン」という。
…何、その小学生が付けたネーミングみたいなの(爆)
ハイパーとか、スーパーとかグレートとか、まぁ意味としては間違っていないんだろうけど、何か安っぽく感じるのは私だけだろうか?
そんなネーミングはいいとして、とにかく新しい変換エンジンは使えば使うほど入力する人ごとに最適化され、進化を続けるエンジンだという。
…なんかディープラーニングとか使ってる感じだな。というか、ディープラーニング技術で自然な日本語に変換する機能って、以前から搭載してなかったっけ?
調べて見たら、AIを利用した変換そのものは、1993年のATOK 8の頃からで、ただ、その時には大量の日本語情報を辞書に取り入れることで高い変換精度を実現していただけで、機械学習をさせていたわけではないらしい。
で、今のディープラーニングでは何が可能になったかというと、言語とは進化するものなので、開発者サイドが見落としていた「ルール化できない日本語の特徴」を掴み切れていなかったので、それをディープラーニング技術を使って大量の日本語テキストから分析し、漢字変換アルゴリズムに取り込んだ、という事らしい。
これによって誤変換が約30%削減されたとの事で、一定の効果は上げているようである。
また、これは今回から実装されたわけではないが、最近のATOKは入力中のキータイプがミスをしている事を予測した時、勝手に正しい文字に修正してくれる機能がある。この修正内容も日々進化していて、大凡間違っていない修正になってきていて、修復率は35%ほどアップしたという。
正直、Blogなどで長文を打つ時でも、以前から比べると誤字がなくなった事を実感する時がある。…いや、誤字が全くない、とは言わないが。
イマドキの先読み
これはGoogle日本語入力でも行われている事だが、スマホの入力のように、一定の文字を打つとその先の入力を予測してフレーズを選択肢に出してくれる。
コレ、便利だが人間の頭がバカになる機能だとも言えるのだが、文字入力数をとにかく減らせるという効果があり、毎日長文を打つ人からするとかなり助かる機能である。
唯一の欠点は、ありきたりな言い回しになるので、特徴有る文章にならない事だが、ビジネス文書などで使う分には当たり障りのない文章になって良いのかもしれない。
この先読み機能と同じぐらいATOKが便利なのは、日本語の誤用が修正されるという機能。
例えば…体のメンテナンスである人間ドックを「人間ドッグ」と勘違いしている人が多いのだが、ATOKでは「人間ドッグ」と打つと変換候補の中に「人間ドックの誤用」と表示してくれたりする。これは慣用句やことわざでも同じで、他にも敬語の使い方などでもミスを知らせてくれる。
ちょっとした文章を打つにしても、とかく難しい日本語の用法をATOKは適格に指示し、支持してくれるので、私としてはもうテキストを打つ以上ATOKなしという事は考えられないレベルにあると思っている。
連想変換、類語変換
あと…これはBlogなどを書いている人にとっては結構使える機能だが、連想変換という機能がライターにとってはありがたい機能である。
例えば、Blog記事を書くとき、内容として「誰かに忖度している」という文字を使ったとしよう。忖度なんて言葉は、今だからよく使われるようになった言葉だが、ありきたりの表現をしたくないと思ったら、この忖度と同じような意味を持つ言葉を使う事になるが、その言葉を探すのに連想変換という機能を使う。
文字を入力中に「コントロールキー+タブキー」を押すと、標準連想変換辞書が起動し、似た意味の言葉の一覧を出してくれる。「忖度」なら「推察」とか「推定」「推測」なんて言葉が出てくる。
ATOKの基本機能としてこの連想変換辞書があるのだが、別売りで「角川類語新辞典 for ATOK」という辞書が発売されていて、コイツを使うとさらに多様な類語を示してくれる。
これで文章表現が広がる事は間違いない。
最近は、SNSなど手軽に情報発信できるツールがあるので、Blogのようにガッツリ文字を書くこという事はあまりないかもしれないが、私は自分の文章を書く能力を腐らせたくないので、未だにBlogにテキストを打ち続けている。そしてその表現を少しでも広げるために、このATOKを使っているワケである。
今や、Google日本語変換などもあり、ATOKの必要性は以前よりぐっと減ってしまっている事はわかるし、わざわざサブスクリプションで有料のサービスを遣うまでもない、とも言えるが、ATOKは間違いなく日本語を扱う上でこれ以上のツールはないと私は思っているので、日本語をより正しく、そしてミスなく使いたいという人にはお勧めしたいサブスクリプションだと思っている。
ちなみにATOKはNormal版のサブスク以外にProfessional版という上位版がある。どうせ使うならProfessional版が良いと私は思う。
私はもちろんProfessional版である。