3Dアフターバーナー2購入

セガの大型筐体全盛期を知っている人はもうそれなりの年齢になっているハズで、イマドキの人はこんなゲームしらないという人ばかりではないかと思う。
家庭用コンソールに移植された事はあっても、オリジナルを知る人は極稀…という程ではないにしても、当時の雰囲気を知る人は少なくとも20代にはいないハズ。

セガ3D復刻プロジェクト

ニンテンドー3DSで、セガ3D復刻プロジェクトと呼ばれるソフト群がある。
セガの昔のゲームを3D表示可能な状態で再現するというプロジェクトである。すべてダウンロード専売で、価格は600~800円という価格で提供されている。
第一弾はスペースハリアーで、ゲームセンターに登場した頃は大型筐体がぐいんぐいん動く、端から見ていて恥ずかしいとすら感じるゲームだった。
当時のゲームセンターに並ぶゲームは、そのほとんどが最新マイクロプロセッサで強引に動作させていたというぐらいのゲームで、1980~1990年代では当然コンシューマ機に移植されたといっても、擬似的に移植されたという感じで、完全再現というのは難しい状態だった。
だからこのスペースハリアーも完全再現となると1990年代のかなり後半になってようやく…という感じだったように思うし、その後に出てきた作品群の完全再現も同じような感じだったように思う。
ところが、この3DS版のスペースハリアーは、そんな当時無理と言われた完全再現を3DS上でやってしまっている。実にスゴイ事で、さらに言うなら、別に意味でも完全再現していた。
それが、ムービングシートという大型筐体の雰囲気を3DS上で再現していたという事。筐体が動くモーター音まで収録されていて(本物から録音したらしい)、画面もそれらしい動きを見せるモードが追加されている。
まさに完全再現。ここまでやるか?という感じである。

で、このセガ3D復刻プロジェクトは一度終了を迎えていた。
ところが、第二弾として始まる事となり、その第二弾の一発目が「アフターバーナー2」だったのである。
発売は昨年12月18日。実はすぐに買おうと思っていたのを忘れていて(爆)、昨日購入した。

ここまで拘るのかよ(爆)

当然、このアフターバーナー2でも、完全再現を行っている。
クレイドルタイプの筐体のモーター音が入っているだけでなく、冷却用のファンの音まで収録したようで、わずかに聞えてくるという凝りよう。
ここまでやらなくても…と思わせる反面、妥協しないその姿勢には感服するばかりである。
だが、今回のアフターバーナー2の凝りようはこんなものではない。
私が一番凄いと思ったのは、BGMとSEのそれぞれを分けてボリューム調整できるという事。
何が凄いのさ? と思う人もいるかもしれないが、これは当時のゲームの作り方を知っている人なら、どれだけ凄い事をしているかが分かるハズだ。

昔、まだCD音源…というよりPCM音源を贅沢に使えない時代のゲームというのは、BGMもSEも同じテーブルマップの上で再生されていた。だからBGMとSEの分類そのものが存在しないので、完全に再現しようとするなら、これらテーブルマップ上の音をリアルタイム処理で再生させるぐらいが関の山で、そこに音量調節を入れるとなると、BGMもSEも同時に調節する事になる。
ところが、この3Dアフターバーナー2はBGMとSEを切り分けてボリューム調節でき、しかもリアルタイム処理しているおかけで、それぞれにエフェクト(イコライザー処理)をかける事ができるようになっているのだ。
たかだか数百円のゲームなのに、ここまで拘るとは…恐るべし。

ゲームの内容についても、立体視含めて実に良く出来ている。

流石に動画では立体視までは再現できない(しても見づらいだけ)が、立体視で見ると、この敵やミサイルが奧から迫ってきたり、自機が奧へ奧へと切り込んでいく感じに見えるから凄い。
違和感を感じる…という人もいるかもしれないが、少なくとも元々平面だったこの作品をここまでにするという事に意味があるわけで、それで価格が800円というのは、価格崩壊もいいところである。

期待する次回作

このセガ3D復刻プロジェクトは、当然ながらセガの体感ゲームのみを対象としたものではない。

セガ3D復刻プロジェクト
http://archives.sega.jp/3d/

ただ、この3Dという立体視を最大限に活かせているのは大型筐体系のコンテンツである事は間違いがなく、今までもスペースハリアー、スーパーハングオン、ギャラクシーフォース2と今回のアフターバーナー2含めて4タイトルが大型筐体系のものとなっている。
こうなると、次回作もかなり気になるところなのだが…順当にアウトランかThunder Bladeあたりになるのかもしれない。
ただ、個人的にはパワードリフトを是非とも移植して戴きたい!
実はパワードリフトは今までもいくつかは移植された事があるものの、実に一般的とは言えない不遇な扱いを受けているようにしか思えないのである。
ドリームキャスト版がほぼ完全再現と言われているようだが、このタイトルは「鈴木裕ゲームワークス vol.1」という書籍の付録ディスクに収録されていたもので、知る人ぞ知るというタイトルになってしまった。
アウトランのようなおしゃれなドライビングゲームとは異なる、実にアグレッシブなレースゲームだが、そのサウンドの良さと派手な演出で、私としてはもっと他の人にも知ってもらいたいソフトの一つだと考えている。
マリオカートなんかは、このパワードリフトをリスペクトしてるんじゃないかとすら思えてくるから不思議(爆)

とりあえず、3DSを持っている人はこのセガ3D復刻プロジェクトのソフトをちょっと遊んでもらいたいと思う。
懐かしいという感情はなくとも、昔に単純だけどこんなに面白いソフトがあったのか、と思えるのではないかと思う。
それが600~800円の価格なのだからお買い得としか言いようがない。
ぜひ、プレイしてみてほしい。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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2 Responses

  1. ruser より:

    ある意味セガらしいですなぁ。勿論良い意味で。

    ここまで来たら、次は3DSを組み込んでモーター駆動するHMD型”小型”筐体を作るしか!

    • アバター画像 武上 より:

      ハードは敷居が高いので無理でしょう。
      コンシューマ機でも、専用コントローラーというものが発売されなくなって久しいので、ハードウェアで何かする、という方向にはならんでしょう。
      まして、3DSを組み込んで…となると、開発元のM2なんかは「本物と違う!」と言いかねないのでwww

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