平日と変わらないGW

今日でゴールデンウィークが終わる。平日とあまり変わらない日々だった。

介護生活において

今日でゴールデンウィークが終わる。
世の中は長期休暇の終了と共にいつもの平日がやってく事に落胆する声が多いと思う。
ま、私も落胆はするが、その落差は非常に小さい。
何故なら、介護生活をしていると、被介護者は長期休暇も平日も実はあまり変わらないからである。
もちろん、仕事があるのとないのとの差はある。
だが、自宅でしなければならない事が仕事がない分増えるわけで、忙しさや睡眠不足度などはあまり変わらないのである。
日頃できない事をやる、なんて事も増えるので、結果、仕事してる方が楽かも…なんて思う事もある。
自分に向けられる時間が極端に少ないので、長期休暇になっても、その忙しさなどは平日とホントに変わらない、というのが実情である。
では、ヘルパーさんや訪問看護師さんといった職業に就いている人は、まさしく休日を感じにくいのか? という事になるのだが、もちろん感じにくさはあるのではないかと思う。
だが「これが仕事」と考えると、その仕事から離れれば自分の時間は作れるのが介護職ではないかと思う。
そう、仕事であるかどうかが大きな違いなのである。
私の場合は、家族が要介護者なので、介護は仕事ではなく、介護でしかない。
自宅に戻ってきたはいいが…
しかし介護職の人はそれが仕事であって、どこかで割り切れる形になる。
両者の違いは、あまり大きくないようでいて、実はとても大きい。

介護と家事と

これからの季節、母の夕食に関しては結構難しい時期になってくる。
梅雨時は、モノが長持ちしないので、通常の作り置きにいろんな制限が出てくる。
最近、私は母にクリームシチューを作るようになったが、これも作り置きしたとしてもその基幹を短めに設定しなければならない。
単純な作業で作れるハズのクリームシチューだが、母の喉の細さから、全て形のあるものを形が判らなくなるまで細かくして溶け込ませるような感じで作るので、作り終えるのに2時間かかる。私の手際の悪さ含めての時間ではあるが。
さらに、そこから別メニューを作っても最低でも30分くらいはかかる。それらを数品つくるだけで、普通に半日が過ぎていく。
自分が食べるものと一緒ならそれでもいい。だが、実際は私は別のものを食べるので、二人分を別々に作るので、時間はさらにかかる。
ヘルパーさんは、簡単な一品を作ってくれる事もある。だが、基本それをアテにしてはいけないので、自分で全て解決する必要がある。
これが自宅介護の形であり、私のように母一人子一人の家は、この負担がとても大きいと言える。
知人にも言われた。
要介護5の母を自宅で、しかも一人で介護すると言うと、訪問介護などが入ったとしても、その家庭環境での自宅介護は難しいだろう、と。
実際、大変である。
特に、日常生活が破綻して家事ができない私がやっている、というところに、とても大きな矛盾と大変さがある。

自分自身との戦い

最近、この介護生活をしてきて、一番思うのは、この介護生活は要介護者と被介護者の戦いではなく、被介護者の自分自身との戦いではないか? という事である。
おそらく、要介護者は自宅にいたいという思いを持ち続けたとしても、最終的には家族の理解が得られなければ、諦めて施設の力に頼る事になるのだろうと思う。
しかし、ウチの場合と同じように、要介護者が自宅にいたいという思いがとても強く、被介護者である私がそれをしかたがいなと受け入れて、何とかがんばって自宅で面倒をみよう、という事になると、その日々は被介護者自身の戦いになってくる。
睡眠不足との戦いは日常茶飯事だし、時間との戦いなど当たり前に起きるものである。
そして自分の我慢強さと諦めの戦いに明け暮れ、何とか地面の上に立っている、という毎日を過ごしていくことになる。
そこに休日であるとか、平日であるとかはない。常に一定である。
介護生活を始めて2年が経過し、今はその考えに落ち着いている。

というわけで、GWが終わったが、我が家はいつもと何も変わらない。
ただ、日々の日常で至らないところが多少よくなったというだけの事。
それもホントに良くなったのかは判らないレベルの話である。
このような日常が毎日過ぎていく。
あとは…私がどこまで耐えていけるか、という事だけである。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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