8KよりもHDR10

先に進みすぎ…。

8Kモニター

DELLがこの夏に31.5型の8Kモニター“UP3218K”に発売する。価格は未定としながらも米国での参考価格は4,999.99ドルになるらしい。8Kよりも先に普及するものがあると思うが…8KといえばフルHDの16倍の面積ともなるワケだが、それを31.5型に詰め込むという事は、1ドットあたりの大きさはとてつもなく小さいという事を意味する。
採用するパネルは、PremierColorテクノロジーによってAdobe RGB 100%、sRGB 100%、REC709 100%、DCI-P3 98%、Rec2020 80%超という、実に広い色域をカバーし、標準的なモニタの64倍の色域に達する10億7,000万色の色深度を持っているという。
パネル方式はISPで、アスペクト比は16:9、輝度は通常で400カンデラ、コントラスト比は1,300:1、視野角178度、応答速度はGTGで6msという仕様で、仕様だけみれば間違いなくプロ仕様である。価格が5,000ドルにも達する事を考えれば、妥当な性能かもしれない。
他の仕様としては、入力端子はDisplayPort 1.4×2、音声出力端子、USB3.0を装備し、アップストリーム1系統、ダウンストリーム4系統を持つ。
こうした仕様を見ると、実に素晴らしいモニターである事は良く分るのだが、個人的にはもっと別方向に進んだモニターが欲しい所だと言わざるを得ない。

まだまだ普及していない

私が別方向に進んだモニターと言ったのは、言うまでもなく4K/60Hz&HDR10対応の事を言っている。
PS4 Proを筆頭に、4K解像度とその60Hz表示、さらにHDR表示を同時に満たすモニターというものがあまりにも少なすぎる事に問題を感じている。
しかもDELLは1機種はHDR10対応を表明したが、そのほかのHDR対応機種はDELL独自のHDRだと言っている。
民生機として使う場合、その性能では不十分であるし、何より市場を見ていないのではないかとすら思えてくる。
まぁ、ビジネス用途しか見ていないのであれば、DELLの判断も間違いとは言えないかもしれないが。
このままだと、いつまで経ってもHDR10が普及しないし、PCとPS4 Proを同時に繋ぎたいという一定の用途は確実に存在するし、今後はPS4 Proに限らないデバイスでどんどんとHDR10や4Kが普及していくと考えれば、それらに対応したモニターを早期に提供する事に大きな意味があるように思う。
一応、LGからはそうしたモニターの発売が見込まれているが、これに関してもその後の続報がない。再生できる環境はあるのに、それを映す環境が整わないという現状が、既に半年以上放置されている。
実にもったいない話である。

いつになったら普及するのか?

ネットで最新の情報を集めようとして「4K」「HDR10」などのキーワードで検索をかけても、ヒットする製品はほとんどない。
フルHD対応製品がバンバンと発売していた頃とは大違いである。
既にフルHD対応機器は一定数普及したため、発売される製品群の数も減ったという事なのだろうが、HDR対応という波では、製品がバンバン出てくるという勢いはないという事である。
また、モニター関連でHDRが普及しない理由は、もともと普及しないのではなく、既に広色域対応モニターがいろいろと発売されているという環境もあるのかもしれない。
ただ、統一規格がないために、色域としてAdobe RGBに対してどれだけ表現できるとか、そういう表記で濁されているという感じ。
ただ、大元であるWindows10がまだHDRに対応していないので、モニターはそれだけの色域をカバーしていても、ひょっとしたらOSレベルで本当に幅広い色域の表示はできていないと考えるべきである(ここらへん、カラープロファイルだけで表示できるものなのだろうか?)。
となると、やはり今後HDR10対応モニタが登場するようになるのは、Windows10のHDR対応が行われてから、という事になるだろうか。
一応、ネットで調べた結果で言えば、impressの情報によると2017年中にWindows10はHDRに対応するらしいが、それまでは動向的に変わりが無い…そういう可能性が高い。
まだまだ先は長そうである。

とりあえず、僅かながらの製品は登場する話になっている。
まずはその製品が確実に発売されるのを待ち、その後の動向を見ていくしかないのが今なのかもしれない。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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