先日公開された情報で、ニンテンドー3DSに搭載されるGPUが“PICA200”という事が判明した。
このPICA200は、純国産GPUであり、開発したのはディジタルメディアプロフェッショナル(以下DMPと略)という会社。
もともと携帯電話や車載電子機器(まぁカーナビって事でしょう)に使用する事を想定して開発されたであろうグラフィックスIPコアで、OpenGL/ES1.1に準拠した仕様を持つ。
単純に考えるとDirectX 7世代のGPUとも言える仕様なのだが、もちろん今の世代に出てくる以上、単純なワケがない。
DirectX 7からDirectX 8へと以降する時、プログラマブルシェーダーというものが採用された。
これはハードウェア内に実装しているシェーダー固定機能に頼る仕様から、より汎用に使用できるシェーダーを目指した結果、ソフトウェア化してしまえという流れになったという事。
つまり、今でいうところのGPGPUの先駆けである。
PICA200は、そうしたDirectX 8のような機能ではなく、あくまでもハードウェアによるシェーダー固定機能を進化させたらこうなりました的なハードウェアである。
で、実際にどんなシェーダー固定機能が搭載されているかというと、一般的なものはもちろんの事、プロシージャルテクスチャ生成機能や、テッセレーションまで備えているらしい。
テッセレーションなんて、Windows7世代に搭載されたDirectX 11世代の機能である。
ちなみにプロシージャルテクスチャ生成機能というのは、木目や大理石模様など自然的模様を算術で合成・生成する機能の事で、結構先進的な機能でもある。
ニンテンドー3DSがPICA200を採用した理由は、おそらく省電力で稼働する高効率なGPUを求めた結果だろうと思う。
プログラマブルシェーダーは確かに高性能かつ高機能かもしれないが、電力の消費は小さくない。それは昨今のPC用GPUの流れを見ていればよくわかる。
あくまでも省電力。それを追求し、かつ立体視に耐えられるだけのポリゴン処理能力と表現力の最もバランスのとれたところを選んだ結果がPICA200だったという事なのだろう。
実に任天堂らしい結論である。
2010/06/22 • no comments