まだその発表すらないというGeForce GTX 560 Tiではあるが、どうもGigabyteからオーバークロック版を予定しているらしい。
HEXUS
Gigabyte readying two factory-overclocked NVIDIA GTX 560s?
リファレンスのGTX 560 Tiのコア周波数は823MHzと言われている。上記サイトではOC版は2種類あるとの事で“GV-N560OC-1GI”という型番のものはコアが900MHz、Shaderが1800MHz、メモリが1000MHz(4000MHz)であり、もう片方の“GV-N560SO-1DI”という型番のものはコアが1000MHz、Shaderが2000MHz、メモリが1145MHz(4580MHz)となると明らかにしている。
“GV-N560SO-1DI”に関して言えば、とうとうコア周波数は1GHzへと到達した事になる。
リファレンスから比べて177MHz上昇、つまり21%上昇というのだからベンチマークスコアもほぼそれと同じだけの効果が得られる可能性が高く、メモリ2GB版のRadeon HD 6950と比較してもスコアは上回りそうである。
今一番気になる事といえば、リファレンスのGTX 560 Tiの価格がいくらになるか? という事だが、一説によると300ドルぐらいになるらしい。
300ドルを日本円に換算すると、1ドル=83円として計算して約24,900円となる。この価格が高いか安いかはまた別の問題だが、実はこの価格決定に関してどうしても気になるライバルがいる。
それが1GB版のRadeon HD 6970であり、先日AMDは279ドルで登場する事を明らかにした。
この279ドルという価格設定は2GB版のRadeon HD 6950よりも安い価格設定であり、明らかにGTX 560 Tiを意識した価格設定である。それにAMDはオーバークロック版のRadeon HD 6870がカードベンダーより発売される事も明かにした。その価格はなんと229~259ドルだという。
229ドルは前述のレートで計算すれば19,007円、ついに2万円切りである。1GB版のRadeon HD 6970の279ドルでも同レートで23,157円だから、相当に安い事になる。
問題となるのは、2GB版と1GB版の性能の違いだが、もともとビデオメモリは表示解像度と密接な関係にあり、今主流のフルHDサイズ、つまり1920×1080やWUXGA(1920×1200)ではあまり大きな影響はでないだろうと考えられている。実際、NVIDIAのビデオカードで2GB版は極稀にしか存在しないし、大部分が1GB製品である。
つまり、AMDは事実上格安でRadeon HD 6970を投下しようというのである。そもそもGTX 560 Tiのビデオメモリは1GBであるのだから、これで両者が同メモリサイズになったという事である。
これに対してNVIDIAがどう勝負に出るのか?
私の興味はもうそこにしかない。
もし、冒頭のGTX 560 Tiが300ドルになるという話が事実であれば、性能でより上位(ベンチマークスコア上での話)のRadeon HD 6970が、GTX 560 Tiよりも安価で発売される事になる。
NVIDIAは果たしてそれをよしとするだろうか?
もちろん、これは製造コストなども大きく絡んでくるため、最終的にはメーカーの発表を待たねばならないのだが、2万円台半ばの熱い攻防が起きるだろう事は想像に難くない。
個人的にはGTX 560 Tiは280ドルになってくれればいいなぁと思いながら、オーバークロック版で300ドル程度ならなお良いと思っている。
まぁ、それよりも安いのならそれに超したことはないが、ここ最近普及率で負け越しているNVIDIAの起死回生は、GTX 560 Tiが握っているように思えてならないだけに、その価格は実に気になるところである。