5月21日、日本全国で部分日食を見ることができる。しかもそれだけではなく、九州地方南部、四国地方南部、近畿地方南部、中部地方南部、関東地方など、かなり広範囲で金環日食を見ることができる。おそらく、これぐらい広範囲で金環日食を見る事ができるチャンスはそうそうないのではないかと思う。
ただ、惜しむらくは金環日食となる時間帯だ。平日の朝という事で平日の社会人としては厳しい限り。通勤時に重なる人もいれば、今から通勤準備という人もいるだろう。金環日食をじっくりと眺めたいけれど仕事が…という人も多いのではないかと思う。
私の場合、会社に天体観測が趣味の人がいて、その人主催でAM7:00から天体観測イベントが行われるのに参加してみるのも手かな…と思っていたりするのだが、はてさてどうなる事か…。
ただ、前述したように金環日食を見たくても見る事ができない人は意外にも多いかもしれない。そこまで天体観測に興味がない、という人もいるかもしれない。自分の時間軸で楽しみたい、という人もいるかもしれない。
そういう人にお勧めしたいのがコレ。
天体シミュレーター“Mitaka”がそれで、今回の金環日食に合わせ、その機能拡張を行った“Mitaka Plus”が公開されている。
Mitaka Plus (現在はMitaka – 4D2U Projectとして公開されている)
https://4d2u.nao.ac.jp/html/program/mitaka/
“Mitaka”は国立天文台の“4次元デジタル宇宙プロジェクト”が開発した3D天体シミュレーターで、空間である3次元に“時間軸”を加えた“4次元”で宇宙空間シミュレート、映像化する機能を持っている。
指定した惑星を中心に宇宙空間を観察できる“宇宙空間モード”と、地球上から星空を眺める“プラネタリウムモード”が用意されていて、共に時間経過による星の動きをシミュレートすることができる。
銀河とクエーサーの表示は、宇宙地図作成プロジェクト“スローン・ディジタ
ル・スカイサーベイ(SDSS)”の最新データが反映されているため、かなり本格的に映像を観ることができるシミュレーターとなっている。
今回の“Mitaka Plus”はバージョンは1.5.4となっていて、今回の金環日食をシミュレートする拡張が行われたバージョンであり、実はその他にもいろんな機能が今まで拡張されてきている。
例えば1.4.0β版では、あの小惑星探査機はやぶさの3Dモデルと軌道をシミュレートできる機能が追加されている。
もともと国立天文台の4次元デジタル宇宙プロジェクトが中心となったものであるだけに、それを中心としたいろんな機能強化や拡張がいろいろ行われるのが“Mitaka”の面白いところ。
手軽に宇宙天体ショーをPCで見る事ができるだけに、天体観測に興味はあるけど機材などを集めるのもちょっと…と腰が引けている人は、まずコレからはじめてみてはどうだろう?
ちなみにオープンソースで提供される“Mitaka”であるため、いろんな拡張が行われた派生が存在する。
今回の“Mitaka Plus”もその一つであり、他にも“Mitaka++”というものがあったりする。
今回の金環日食のシミュレートは“Mitaka Plus v1.5.4”で提供されているため、その辺りは誤解なきよう願いたい。
当日は曇り空となる可能性があるとかないとか…。
今回を逃すと次は18年後らしいため、記念として見たい人はお忘れなきように。