2万円割れの最上位FX-8150

 先週、IntelからIvy Bridgeが発売された。
 アーキテクチャ自体はSandy Bridgeと変わらないものの、I/O部分やGPUの進化により一部パフォーマンスが向上した事は確認されたが、それと同時にオーバークロック時の熱問題が浮上してしまった。
 オーバークロック時なら無関係…と思う人も多いかと思うが、この熱問題が今回のIvy Bridgeから採用された22nmプロセスのTri-Gateに起因するものだとすると、これがそうも言っていられない。
 何しろ、そのTri-Gateの問題を解決しないと、次世代コアにも問題を残す事になるからだ。クロック向上幅が制限されてしまっては、性能向上そのものが期待したほどでなくなる可能性も高い。
 Tri-Gateは簡単に言えば回路の3次元化(簡単に言いすぎかもしれないが…)だが、そこに電気が流れるとなれば熱がこもりやすいのは言う迄も無い。つまり、Tri-Gateの熱問題は、根が深い可能性が高い。
 ただ、今の段階では普通に使っている場合であれば問題ない。期待した性能をそのままはじき出すだろう。

 そうしたIntel側の話題がいろいろ飛び交っている中、AMDはスペック的な話は結構静かなままである。特にハイスペック分野の話はここ最近ほとんど聞かなくなっている。
 だからだろうか、AMDはコアの価格改定を4月末に発表した。
 そしてとうとうFXシリーズ最上位のFX-8150が、店頭では2万円を切る価格となってしまった。

 性能的に考えれば、価格を下げるしか道がないのかもしれないが、現行ラインナップの最上位が2万円以下というのは、今までのパターンでもないぐらい素早い価格改定と言える。
 たしかに8コア搭載という名目ではあるものの、1コアあたりの処理能力はIntel製に及ばず、AMDの8コア=Intel製の4コアという性能比で考えても、まだ足りないぐらいの状態。価格を下げないと対応できないというのが実情かもしれない。


 私は今回は予算さえ取れればIvy Bridgeに突貫しようかと考えている。最上位のIvy
Bridge-Eの登場を待つという手段もあるのだが、メモリが4chになったりするとそれはそれで金食い虫になってしまうため、そこはほどほどに止めて
おき、GPUやストレージなどにもっと予算をかける方が無難かな? と思っている。
 というか、Ivy BridgeにGPU非搭載モデルがあれば、そちらに突貫するという方法もある。もっとも、内蔵GPUが外部GPUと連動してSLIのように使えたり物理演算に使用できるなら、の話だが、そもそもGPU非搭載のコアを発売するかもわからない。
 そうした所を総合判断すると、GPUが搭載されていようがいまいが、ミドルクラスの最上位辺りに落ち着ける方がトータルコストを押さえつつハイパフォーマンスが狙えるかな、と考えている。

 AMDのFXシリーズがもう少し性能的伸び幅を持っていたなら、このような選択肢に留まる事はなかったかも知れないが…実に残念である。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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