やはり来た価格競争

ドコモが音声通話定額制を発表し、いよいよ通信回線の価格競争が始まった。

ドコモは音声+データ定額5,900円

ドコモが発表した定額制プランは、固定、他社携帯含む音声通話の完全定額制だった。
これに先んじてSoftBankが打ち出していた定額制は、1回5分以内の通話を50回無料にする音声通話定額制で、これにデータ通信を含めて5,980円というプランである。
auに関してはまだ詳細は発表されていないようだが、同じような価格帯にサービスを持ってくるのではないかと思われる。
SoftBankは全体的な見直しを図るとかで、過剰な低価格競争を止める方針を打ち出しているため、現時点でのドコモとの差を埋めるような新プランは出してこないのではないかと思われる。
ま、実際はその時になってみないと分からない訳だが。

ドコモがこのような定額制へと踏み切った理由は、もちろんauやSoftBankの動きもあるが、一番大きな理由はMVNOによる音声通話サービスが始まり、価格競争が激化したからだろう。
イーオンは音声通話基本料+データ通信+端末代で2,980円というプランを打ち出したが、この価格にまともに立ち向かうのは、ドコモやau、SoftBankのような大きな組織になってしまった通信回線企業ではかなり難しい。
IIJmioやOCN、日本通信などが次々とMVNOによる通話サービスを開始する中、やはり既存回線企業も価格を抑えつつも付加価値を付けた新商品を展開しないと、今後は厳しいと判断したのだろう。

一番お得なプランは?

今回のドコモの発表を受け、もしドコモの回線で音声通話を行うという条件としてプランを考えた場合、私なりに一番良いプランというものを考えてみた。

正直言うと、私はタブレットとフューチャーフォンの2台持ちが一番良い選択ではないかと思っている。
スマートフォンではネットを使うにはちょっと画面が小さいと思っていて、だからといって6型モニターを搭載したスマートフォン“ファブレット”は、電話として使うのはちょっとツライと思う。
そうなると、7型もしくは8型クラスのタブレットと、通話のみを利用するフューチャーフォンの双方を利用するプランがもっとも使いやすいように思えてならない。
もし、この2台持ちで行くなら、あとは通信速度次第で価格を相当押さえる事ができる。

例えば今回のドコモの音声通話定額制をフューチャーフォンで契約すると、月額2,200円で可能になる。
実は、今回のドコモの音声通話定額制の価格には基本料金が含まれている為、通話だけを想定している人は、この2,200円だけで通話が定額で利用できる。
で、タブレットだが、もしドコモでデータ通信のみを契約するとなると、1,700円で可能になる。
ここらへん、詳しい情報がまだないため、1,700円でどこまでの事が可能なのかは解らない。
さらに音声通話とデータプランを組み合わせたプランもあるのだが、私ならデータ通信に関してはMVNOで十分と考える。
オススメはやはりIIJmioで、945円で1GBの高速通信&200kbpsの通信が可能。
だが、私がIIJmioをオススメする最大の理由は、バーストモードを持っているという事。
最初の数秒は速度規制なしに通信するため、ちょっとした通信であれば、相当な速度を体感できる。
つまり、ドコモのフューチャーフォン定額制で月額2,200円、IIJmioのMVNOで945円、これで音声通話とネット接続が可能になるのである。まぁ、消費税の関係で多少誤差は出るだろうが。

2014年は通信革命の年?

4月の段階で、通信回線の価格は大きく変化しようとしている。
これらの動きにプラスして、そろそろ形が見えてくるのがVoLTEである。
これは従来の3G回線による音声通話ではなく、LTE回線による音声通話で、この技術で今までのような回線の圧迫から解放されると言われている。
通信回線を提供している企業からすると、3G回線の圧迫がなくなるというのはとても大きな意味があり、より速く、より安定した音声&データ通信へと移行できる。
具体的にいつぐらいからVoLTEへと移行していくのかは解らないが、今年の夏ぐらいに出てくる端末からひょっとしたら対応機種が出てくるかもしれない。

今年はいろいろな意味で通信関係に大きな変化が現れるように思える。
新型端末の登場ももちろんそうだが、今年は回線そのものに変化にも目を向けるのが良いかも知れない。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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2 Responses

  1. ruser より:

    動き出しましたねぇ、docomo。
    後手後手に回り続け、結局iPhoneも発売することになり、起死回生の手を出してくるかな? って期待してましたが、今回のコレのインパクトはどんなもんなんでしょう?
    他社の動きがまだはっきりしないから分かりませんが、競争してユーザーにお得なプランが出来ることを期待したいですねー。
    価格もだけど、分かりやすさも。

    • アバター画像 武上 より:

      今回のdocomoの料金だけど、実はちゃんと試算した記事があって、それを見ると必ずしもお得になるというものではないようです。

      impress PC Watch
      http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/config/20140411_643886.html

      なんか…何がお得かどうかは、もっと掘り下げてみてみないとわからないな。
      その人に合ったプランはその人の使い方次第で変わるという事。だからまずは自分の使い方を分析して、マッチングするしかないと思います。

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