Tagged: カセットテープ

アナログ回帰

ここ最近、妙にブームになってる感じ。

カセットテープ

先日、2月10日に東京丸の内ステーションコンファレンス東京で「冬のヘッドフォン祭 mini 2024」が開催された。
フジヤエービックが主催のこのホッドフォン祭というイベントは、毎年、どこかの季節で行われているイベントで、音楽関連で使用されるヘッドフォンを中心に関係周辺機器のイマドキのものを発見できるイベントである。
コロナの問題が起きてからは、定期的な開催も危ぶまれた事もあり、miniという形で規模を宿執して開催したりしてきたわけだが、今回も冬という季節にminiという形で開催されたようである。
今回、この「冬のヘッドフォン祭 mini 2024」のエミライのブースで、アナログカセットプレーヤーが展示された。
「CP13」と称されたそのポータブルアナログカセットプレーヤーは、ちょうどカセット大のサイズのウォークマンをイマドキのデザインにしたようなもので、復刻シリーズの第1弾と位置付けられたものらしい。
アナログカセットと言われて「懐かしい」と思うか「聞いた事あるけど見たことない」となるか「何ソレ?」と思うかは世代によるとは思うが、ここ最近このアナログ感が良いという事で人気になっているらしい。
もともとカセットテープで音楽を聴いていた世代からすると、トラックの頭出しを高速にできるようになったCDが出た時にまず驚き感動したものだが、今の世代はそもそも回転するCDですら古いテクノロジーで、頭出しという発想そのものがあまりない。データ音楽の特定のポイントに開始ポイントを持っていくだけで聞きたい場所を特定できるのだから、そもそも頭出しという感覚がない。
しかし、カセットテープはその頭出しの為に、テープがその場所まで回転して進み、次期テープの特定のタイムスタンプを見つけて場所を特定する。イマドキのシークタイムと比較すれば、かなりの時間を要するものである。
だが、そのテープが進んで行くというのがイマドキの人には良いらしい。
タイパ(タイムパフォーマンス)ばかりを追究する現世代の感覚からすれば、逆行しているような考え方だが、このアナログ感を良いと思う感性は悪くないとは思う。

CP13

今回、エミライが展示したポータブルカセットプレーヤーだが、中身は品質を相当に追究したものと言える。まだ価格は未定で海外で予価99.99ドルとするようだが、直径30.4mm、厚さ4mmのかなり大きい純銅製フライホイールを採用する事でジッターを大幅に低減させ、4.2V電源の高電圧駆動モーターでテープを走らせるという。
通常、カセットプレーヤーで使用するモーターは1.8V電源のものが一般的なので、相当に電力的に余裕を持たせていると言える。
便利にしようとしてデジタル化したのに回帰するとは…また、磁気テープの読み出しに使用する磁気ヘッドもステレオ再生を安定させるために左右の差の少ないヘッドを選定、磁気ヘッドカバーも厚みのあるものを採用して外部干渉に強く、耐摩耗性を向上させているという。
驚きなのは、磁気ヘッドから信号増幅までを完全にアナログ回路で構成させているという事。徹底したアナログ制御で再現しているところに、アナログ感を如何に大切にしているかが見える。
昔の技術にイマドキの技術を組み合わせる時、もっとも進化したなと感じるのがバッテリーではないかと思う。昔のアナログカセットプレーヤーが存在していた時にはリチウム電池などなかったので、今ではリチウム電池による大電力で動作させられるのだから、同じアナログカセットといっても、聞こえ方も変わるというものである。

Continue reading…

Desktop Version | Switch To Mobile Version