ついにZen4アーキテクチャが姿を現す。
前世代よりIPCは13%向上
AMDがRyzen 7000シリーズを発表した。現時点ではデスクトップ版のみの発表という事になるが、これでIntel第12世代と真っ向勝負する準備が整ったと言える。
発表されたSKUは4種で、最上位がRyzen9 7950X(16コア/32スレッド)、次にRyzen9 7900X(12コア/24スレッド)、Ryzen7 7700X(8コア/16スレッド)、Ryzen5 7600X(6コア/12スレッド)と続く。販売は9月27日から予定されており、価格は上位より699ドル、549ドル、399ドル、299ドルと設定されている。日本での発売となると、普通に為替計算してもそのままの価格にはならないと思われる為、実際には結構な価格差が出るものと思われる。
Ryzen 7000シリーズは前述したようにZen4アーキテクチャを採用しており、従来の5000シリーズと比べてIPC(Instruction Per Clock-cycle:1サイクルでの命令処理)は13%向上し、ターボ時の最大周波数は800MHz向上し、それらを合わせるとシングルスレッドで29%の性能工事用を実現しているという。
これにより、最廉価のRyzen5 7600Xであっても、IntelのCore i9-12900Kの性能を上回るとしており、相当なインパクトのある発表と言える。
また、AMDとIntelの頂上決戦…とまでは言わないが、Ryzen9 7950XとIntel Core i9-12900KとでV-Ray Renderを利用したベンチマークを比較すると、Ryzen9 7950XがCore i9-12900Kを57%も上回るというデモを見せている。しかも、このベンチマークにおけるワットパフォーマンスの比較では、Ryzen9 9750Xが47%も上回っているという。
ころらの結果だけを見れば、とんでもないCPUが登場したな、と思ってしまうが、ある特定の結果でしかない可能性もあるので、実際に市場に出回ってからの比較を待った方が、正しい評価が出てくると言える。
製造プロセスは5nm+6nm
今回のRyzen 7000シリーズにおける製造プロセスは、TSMCの5nmを使用しているようだ。これでAppleのM1、M2シリーズに並ぶ事となったワケだが、内包するI/Oコントローラーは6nmプロセスで製造される。
だが、このI/Oダイに関しては、Zen3世代では14nmだった事を考えれば、大きな進化だといえる。CPUのコアだけでなく、I/Oまわりの消費電力でも相当な削減効果が得られていると考えれば、前述のワットパフォーマンスにもうなずける。
また、今回のZen4では、拡張命令セットとしてAVX-512に対応するという。今までAMDではAVX-256止まりだったのだが、AVX-512ではマシンラーニングやディープラーニングの推論をより効率よく処理する命令セットが加わっているので、機械学習含めたイマドキの処理もより効率よく処理できるようになったと言える。
個人的に一番よかったと思えるのが、マザーボード側にピンが配置される構造になったという事。ソケットがAM4からAM5となり、ピン数は1,718ピンに拡張されただけでなく、従来すっぽ抜けと呼ばれたCPUクーラーと共にCPUが抜けるといった事故がなくなるというのは、自作派の人たちからすれば有りがたい話ではないかと思う。
また、このソケットが新しくなった事で、チップセットも新しくX670 EXTREME、X670、B650 EXTREME、B650となる。これに伴い、PCI Expressも5.0対応となり、メモリもDDR5メモリに対応する。このメモリだが、AMD特有のオーバークロックメモリモジュール「AMD EXPO Technology」が利用可能になる。
これはIntelのXMPと同等の仕組みで、予めプリセットされたオーバークロック設定を読み込んで自動でメモリがオーバークロック動作するというものだが、AMDのチップセットはこの「AMD EXPO Technology」に対応するだけでなく、IntelのXMPにも対応するという。
まぁ、後から登場する製品は、こういう点は有利になるので、あとは気にすべき互換性といったところではないかと思う。

この製品のCPUなしモデル、つまりベアボーンキットで購入し、それにCPUとメモリ、ストレージを自前で組み付けるという方法を採ると、外付けGPUを利用しながらコンパクトかつミドルレンジ以上の性能を実現できる可能性が見えてくる。
またZen4は5nm製造のCCDと6nm製造のIOD(I/Oダイ)で構成されるが、これはZen3の時までだと7nm製造のCCDと14nm製造のIODだったため、IODに関しては大きな変化が予想される。
また、今までRyzenは最小単位をCCDというコアの集まりで構築しており、1つのCCDあたり8コアを搭載する形を取っていたため、ハイエンドであるThreadripper以外であれば2CCDである16コアまでが最大搭載数だった。
あとPCケースだが…最近はどうしてこうも光らせる事を前提にしたケースばかりなのか? と。この中で比較的大人しく使えるケースで検討して、CorsairのCarbide 275Rあたりが、シンプルに使える感じだろうか。
そうなると…IntelならCore i7 12600Kクラス以上、AMDならRyzen7 5700クラス以上が、適しているのではないかと考える。
CPUコアそのものは、Ryzen7 5800Xと同様にZen3アーキテクチャコアで8コア/16スレッドというもので、TDPも同様に105Wに設定されている。
まだ市場流通する前のようだが、そのベンチマーク結果が出回りはじめた。
ただ、もしRaphaelがDDR5のみ対応のものになるのであれば、おそらくRyzen7 5800X3DはDDR4のみに対応するものとなるので、メモリの使い分けで製品を分ける、という選択肢の問題になるかもしれない。
また製造プロセスに関しても、7nmから5nmへと微細化される事もわかっているが、Intelのように高性能コアと高効率コアに分けられるのか、それともOSが適切にマルチタスク処理できるようにスケジューラをハードウェアで搭載するのか等の事は一切わかっていない。

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