FIT HYBRID、パリにてデビュー

 FIT HYBRIDがパリ・モーターショー(プレスデー:2010年9月30日~10月1日、一般公開日:10月2日~17日。現地時間)に出展される。
 FITは欧州名がJAZZであるため、出展する時はJAZZ HYBRIDとして出される。

 見た感じ、従来フィットと大きく変わるところがない。
 フロントマスクに若干の変更が見られるのと、天井が黒く塗装されているところ以外に違いが見られない。
 この黒い天井、ひょっとして太陽電池なのだろうか?
 現行Priusでも太陽電池を天井に配置して、停止中の車内の空調を稼働させるという仕組みがあったが、それと似た様な事が可能なのだろうか?
 …ただ黒く塗装されているだけという可能性もあるが。
 そんな外観も気になるところだが、やはり気になるのはその中身。
 IMA搭載なのは分かっているのだが…。


 問題はINSIGHTと同じIMAシステムなのか、それともCIVIC HYBRIDと同じIMAシステムなのか、という事。あるいはさらに進化した新世代IMAシステムの可能性もある。
 一番可能性が高いのは、INSIGHTと同等のIMAシステムであるという事。だが、これは一番やめて欲しいパターンでもある。信号などの停車時にエンジンが止まるのはいいが、同時に空調も止まるらしい。これでは快適環境とは言い難い。
 CIVIC HYBRIDと同等のIMAシステムであれば、そうしたエンジン停止時の空調問題もないが、こちらはおそらくINSIGHTタイプよりコストがかかると予測される為、搭載されている可能性は低い。
 一番希望が持てるのは、INSIGHTタイプのIMAシステムをより進化させたタイプ。より快適性能を追求したタイプに進化していれば、INSIGHTのような問題を指摘される事もない。
 …価格が159万円~という設定である以上、やはりINSIGHTと同型IMAなのだろうか?
 そんな新型FIT、今回HYBRIDタイプが加わるだけかと思ったが、どうも従来型もマイナーチェンジされるらしい。ひょっとしたら、さらなる低価格化を推し進めてくる可能性もある。
 そうなれば、FIT HYBRIDの魅力はさらに下がってしまうのだが…
 何しろ、FITはちょっとした軽自動車を買うよりも安い価格設定であり、燃費に関しても軽自動車以上の数値を叩き出す。実データとして1.3Lで18km/Lとか普通に出るし調子がよければ20km/Lも不可能ではない(私の周辺環境での話)。ストップ&ゴーが少なければ、かなりの燃費で走る車であるため、ハイブリッドの利点が見えにくい車でもある。
 マイナーチェンジがどこまでの事を言っていて、どんな内容になるのか、ちょっと気になるところである。
 そしてマイナーチェンジされるのはFITだけでなく、LIFEやバモスも含まれる。
 FIT、LIFEは秋(10月)だが、バモスは本日付でマイナーチェンジとなる。
 バモスは私が今乗っている車でもあるため、ちょっと気になって調べてみたら、ローダウンサスペンションと13インチタイヤ(155/70 R13 75S)を全車標準装備としたようだ。
 だが、致命的なのは全車ターボエンジンを廃止してしまったという事。
 バモスのような軽の1Boxカーは、とにかく車体が重いため、0.66LのNAエンジンだとかなり出足が遅い。
 私が乗っているバモスはターボエンジン仕様のリアルタイム4WDであるため、通常はターボエンジンのリア駆動で走り、後輪が滑った際に前輪にトルクがかかり4駆となる。
 リア駆動独特の走りやすさと局所的な4駆、そしてターボエンジンで軽快に走る事ができる車なのだが、そのターボエンジン仕様が無くなるとなると、軽快さはかなり薄れてしまうといえる。
 ただ、NAエンジンは絶対的な燃費の良さがあるため、おそらく燃費を選び、パワーとトルクを犠牲にしたという事ではないかと思われる。
 かなり残念なマイナーチェンジである。
 HONDAはとかく走りにこだわるメーカーだと思っていたし、これからもそうだと思っていたが、最近エコへと傾倒していく中で、そうした走りへのこだわりが徐々に薄れてしまっているような気がしてならない。
 かろうじてCIVIC typeRが走りをアピールしているが、CR-Zも走りをアピールしていると言うにはパンチが弱い感じが否めない。
 NSXがなくなり、S2000が生産中止となり、走りを強烈にアピールする車が一切なくなってしまった今のHONDAは、環境という部分を全面に打ち出して完全に以前のHONDAとは異質な存在になってしまった。
 マツダはまだロードスターをフルモデルチェンジしてくるらしいし、トヨタはFT-86が控えている(発売を延期しているらしいが…)。特にロードスターは5ナンバーにスケールダウンしてくるらしいため、かなり気になる存在ではある。
 HONDAはその方面にはもう戻るつもりはないのだろうか?
 個人的にはマツダのロードスターに対抗できる唯一のメーカーだと思っているのだが、HONDAが5ナンバーのFR車を出してきたら、かなり人気が出ると思えるだけに、今の状態がちと悲しいと思えて仕方がない。
 まぁ、ないものをねだっても仕方のない話ではあるのだが…。
 ぜひ、HONDAには昔のスピリッツを呼び戻して欲しい限りである。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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