昨年10月、パナソニックが3DO REAL以来17年ぶりにゲーム機産業に参入するという話題が出た。
Jungleと名付けられたそれは、携帯型端末でありながら通信デバイスを内蔵し、高解像度の液晶とQWERTY配列のフルキーボード、miniHDMI端子、microUSB端子、3.5mmヘッドホン端子を持つと言われていた。
主としてMMORPGをモバイル環境で実現する端末を想定していたとも言われ、個人的には期待していたのだが、12月には米国展開の端末になると報道され、日本はまだ視野に入っていない感じであった。
ティザーサイトも公開され、順調に進んでいるだろうと思われていたが、3月1日、パナソニックからJungleの開発中止が発表された。
以前から、Microsoft、任天堂、ソニーのような既に地位を確立したメーカーに並ぶ事ができるのか? といった疑問はいろんな所から出されていたとは思う。
だが、私は今こそパナソニックがゲーム機産業の表舞台に出てくるのではないかと期待していた。
そんな矢先の話だけに残念でならない。
パナソニックは本当に3DO REAL以降、ゲームハードを作っていなかったのか?
実はそんな事はない。
任天堂のGameCube互換機能を持つDVDプレイヤー“Q”はパナソニック(当時は松下電器産業)から発売されたが、その存在は、パナソニックが明らかにゲームデバイスを設計、製造していた事を表している(ハズ)。この事から考えて、おそらくGameCubeの開発元はパナソニックと思われる。
同様の例にファミコンがあるが、これもシャープが開発したからこそ、ファミコンテレビC1がシャープから発売されたのである(ツインファミコンも同じ)。
であるから、ゲームデバイスを作るという事に関してはそんなに間を空けていたワケではないし、もともと企業としても苦手分野ではないハズだ。
だからこそ、任天堂やSCEを研究し、独自の路線でJungleを作り上げてきてくれるだろう…そう思っていた。
だが、結果としてパナソニックは開発中止を選択した。
ある意味、残念だが正しい選択だと言える。
遊びを追求した結果のニンテンドーDSシリーズ、リッチコンテンツを主とするPSP、この2大ブランドの中に不動の地位を確立するのは並大抵の事ではない。
しかも、任天堂もSCEも携帯端末だけでなく、固定端末も同時に持っているから、ゲーム開発のリソースはあらかじめ持っていたし、ノウハウもある。
その中に携帯端末だけで参入しても、そこにかかる開発コストはハンパではないハズだ。
それに今はスマートフォンという全く別方向から来たライバルもいる。
であるなら、開発中止は非常に妥当な決断だし、英断とも言える。
それでも私はあえて茨の道を歩んできて欲しかったと思う。
SCEはNGPの発表の時、ゲーム機としてのおもしろさを追求した結果というニュアンスで説明した。スマートフォンでは味わえないゲーム機ならではのコンテンツで勝負する為に、NGPにはあらゆるセンサーデバイスが搭載された。
ある意味、SCEはスマートフォンとの戦いをある種の覚悟を持って臨んできた事になる。
同じ事がパナソニックにも出来たのではないか?
もちろん、パナソニックの方がリスクは大きいし、投資も大きいものになるとは思うが、現在の2大メーカーのせめぎ合いから、3大メーカーによる三國分立という新たな図式が成り立ったかもしれないのだ。
そう考えると、開発中止を納得はできるが残念でならない。
とりあえず、夢幻の如く。
Jungleは蜃気楼だったという事で決着がついてしまった。
開発中止の発表日時が3月1日という事を考えると、SCEのNGPの内容が開発中止を後押ししたのではないかと邪推する。
そんなワケでSCEにはJungleの分までがんばってもらいたいと思った次第である。
タイトルだけ見ると環境破壊問題の記事みたいに見えましたw
開発中止しちゃいましたか、やはり二大勢力の中に入るのは生半可な事じゃ出来なさそうですね。
ジャングルだけに、環境には勝てませんでしたかーw
返信
松下製のゲームデバイス、個人的にものすごく気にしてたんですよね。
MSX2turbo-Rで、最後までMSXを牽引したパナソニックの実力を考えれば、プログラマブルハードウェアに独自の視点と解釈を求めてしまうのも仕方のない話でして…。
次世代型据置ハードとして、フルバージョンのCellを4基ほど搭載したゲーム機とか出してくれないかなぁ(Cellなら東芝かSCEだけどw)
返信
Cell4基…いくらやねんw
返信
Cellを4基というと、バカ高いイメージがあるかもしれませんが、今の製品単価で行けばそうでもないかな、と。
初期のPS3の値段考えれば、イケルと思いますよ?(ぇ
返信