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iPad3の話

 iPhone4Sが発売されて約半月が経過しようとしている。
 巷ではiPhone5がいつ登場するのか? という話も出ているが、個人的に気になっているのがiPad3である。
 iPad2が登場するとき、初代iPadよりも高解像度の液晶パネルで登場する可能性があったワケだが、結果的に初代と2代目は同じ解像度で登場した。もちろん中身に関しては全く別物と言えるほどの高性能化を果たしたわけだが、ユーザーが目にする部分の精細さは同じだった事になる。
 だが、iPad3は果たしてそうなるのか?
 初代iPadを登場させるとき、Appleは“Retinaディスプレイ”と称した132ppiを搭載したが、先日発売されたiPhone4Sは、3.5インチという大きさに対して解像度は960×640と、実に326ppiという高解像度パネルを採用している。
 もちろん、iPhoneとiPadでは搭載する液晶パネルの大きさそのものに違いがあるため、同じ解像度、ドットピッチという訳にはいかない。大きなパネルはそれだけで歩留まりが問題になるからだ。

 今の段階で現実的に調達できるもっとも解像度の高い9.7インチの液晶パネルだと、2048×1536のパネルが韓国LG Displayやサムスンで可能と考えれるが、これにしてもAppleが求めるだけの生産数を満たす事は難しいと言える。1個作るならもちろん可能だろうが、それを数百万という数で生産するのは現実的とは言いにくい。
 それだけ歩留まりが悪い、というのがその理由でおそらくAppleの要求品質、つまりDead Pixel(いわゆるドット欠け)制約に相当数が引っかかるものと思われる。要するに、現時点の技術力では、iPad3にそれだけの解像度を要求すれば、詰まるところ製品として数を揃えられないものとなってしまうのである。


 では実現可能な液晶パネルとなるとどれぐらいの解像度になるのか?
 おそらく9.7インチとなれば1600×1200ドットレベルであれば、問題なく生産できるのではないかと予測されるが、それでは計算上だと206ppiとなってしまう。
 実のところ、2048×1536ドットだったとしても264ppiでしかないのだが、現時点での生産最高点が264ppiに対し、206ppiでは多少見劣りしてしまうのは否めない。

 そんな折り、先日東芝モバイルディスプレイが6.1インチの498ppiという超解像度の液晶パネルを開発した、という話題が出た。
 もちろんこれは量産可能なシロモノではないが、これを作る技術から今度は如何に高解像度のパネルを量産するか? という所を技術的課題として取り組めば、ひょっとしたら今や世界一となった韓国液晶パネル生産に国内技術が追いつくことが出来るかもしれない。
 もちろん、今言ってすぐ可能になるなんて事はないが、半年~1年でモノにできれば、ひょっとしたらAppleからのオファーが韓国や他アジア諸国でなく、日本に来るかもしれない。
 日本の製造業はとかく危機に瀕しているが、実のところクリアすれば絶大な効果が得られる課題はかなり多い。もちろん、それは困難な事ではあるが、困難であるからこそクリアした時の見返りが大きいのであり、今の日本の製造業はそうした所に注視していくしか道がないように思えてならない。

 Appleが全てとは思わないが、これら高精細液晶パネルの製造に成功すれば、自ずと高精細有機ELパネルにまで波及する。もともと液晶パネルと有機ELパネルはその生産工程が似ているところが多いと言われている。であるなら、もう一度液晶パネルや有機ELパネルでの開発において、日本が世界一の座を獲得できるチャンスが訪れるかもしれない。
 かつてSHARPが世界一と言われていた時代もあったが、それはもう過去の時代であり、韓国の2大メーカーがそれにとってかわって世界一となった。
 再度国内メーカーが世界一の座を目指すならば、この高精細パネルの量産化という所に注力するのも一つの道ではないかと思う。

 ま、簡単な事ではないのは十分わかっているワケだが…
 日本という国の技術力を再度世界に響かせる為にも、より困難な課題に取り組んでいかないと行けないという事は、多分国内メーカーは十二分に分かっていると思う。
 高技術と安心のMADE IN JAPANを取り戻すため、他ではできない事をやる…。
 Appleが望む、世界の人が喜ぶ製品を国産で作り上げる…それが出来れば、これからの世界も面白い世の中になっていくと思うのだが…。

 ちなみにiPad3が登場すると言われているのは2012年の第1四半期と予想されている。
 それまでにLG Displayやサムスンは2048×1536ドットのパネルを量産化する予定だとしているが、その予定は未だ予定でしかないという。
 もし間に合わなければ、1600×1200ドットでiPad3が生産される可能性もあるようだが、それだと従来アプリの表示に問題が出る可能性もある。2048×1536ドットであれば、従来の1024×768ドットの単純に2倍であるから、表示に何ら問題はないのだが…。

 さて、iPad3はどういう形に収まるやら…。
 そして国内の製造業の道は? 気になる事ばかりの世の中である。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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