PCは総合力で見たい

Ryzenのコストも魅力だが、PCは一纏めで性能を見たい。

Ryzenの不満点

私がメインPC入れ替えの検討を始めたのは、数年前からだが、その前はパーツ単位でいろいろと入れ替えをしていた。
Ivy BridgeベースのPCであるため、ソケットの形状から大元から更新しないと劇的変化はできない、という事を意識したのが2年ほど前で、その頃からAMDのRyzenに結構期待していたところがあった。
AMDは長きにわたってIntelの後塵を拝してきたところがあったため、次にくるZenコアは大きな改善と共に躍進するだろうという期待があった。
そしてその期待は概ねあたり、今年3月に登場してから、自作PCマニアに絶大な人気を今も得ている。
私も基本的にはRyzenは好きだし、Intelのロードマップを書き換えるだけの偉業を成し遂げたコアだと思っているが、それでも全てを納得できているわけではない。
PCはCPUだけで成立するわけではなく、実際にはその周辺チップなどの機能や性能に左右される事が多いからである。
そういう意味では、Ryzenは実にもったいない部分があり、特にUSB3.0などの取り回しはIntel系PCにまだまだ届いていないと言える。
また、CPUの内部に関しても言える事があり、AVX2.0を実装していながらもIntelほどの成果が得られないのは、プログラム処理まわりの最適化が成されていないからで、そうした部分にAMDの甘さというか、世間の対応の遅さを感じてしまう。
こうした事は今まで当Blogでも何度も書いてきた事だが、改めて考えて見ても、総合力でまだIntelに届かない事を実感するわけである。

Intelの商品力

IntelはこうしたRyzenの動きに対して、ロードマップを更新するという予定の変更を余儀なくされるも、安定した性能を提供するという意味ではまだまだ盤石な体制にあると言える。
特にチップセット周りは実に安定していて、前倒しされると言われているCoffee Lakeと対になる予定のIntel 300シリーズのチップセットでは、遂にWireless LANとUSB3.1 gen2コントローラーが内蔵されると噂されている。
Intel製のUSB3.0コントローラーはRenesas製コントローラーと双璧を成す安定品質のコントローラーで、それが内蔵されているだけでも有意義ではあるのだが、今度はUSB3.1 gen2コントローラーも内蔵されるとなると、同じくUSB3.1 gen2コントローラーを製造するメーカー、例えばASMediaやBroadcomなどは結構手痛いダメージを受けると考えられる。また、以前の話では、今後のIntel CPUにThunderbolt 3のコントローラーが内蔵されるという話もあり、それがCoffee Lakeからだとなると、Coffee Lake系コアは、一気に周辺機器への対応を標準で増やす事になる。
こう考えると、Intelは製品全体の品質を確実に高めていて、盤石の機能をユーザーに提供していると言える。この点は残念ながらAMDではIntelにまだまだ及ばない。

求める機能をどこに見るか

総合的に考えると、私が求める性能は大凡Intelで達成できてしまう。
残念ながらAMDではRyzenは魅力的だがチップセットが戴けない、という事になってしまう。実に惜しい。
これでIntelがコストがAMDの2倍です、とかになるようならAMDを選ぶ意味もあるのだが、ここ最近のRyzenの攻勢でIntelコアの価格も相当に落ちてきている。
Coffee Lakeの上位版でも4万円台前半とかあり得るかも知れない。
そうなると、私がメインPCとしてチョイスする構成はAMDよりもIntelへと向かう可能性も決して否定できない事になる。
Intelで問題になっていたのはコストのみであり、そのコストを克服してしまうと、機能的に言えば実に魅力的であり、価値のあるものになってしまう。
なので、今私が本当の意味で求めるのは、ソフトウェアへのRyzenへの更なる最適化と、AMDチップセットの安定化、そしてコア内機能の安定化にある。
それらが進めばAMDでもまだまだ性能は伸びる事になるし、機能的にも安定する事になる。
おそらく、ほとんどのAMDファンが待ち望んでいるところはそういう所ではないかと思う。
求める機能は、常に最速であるとは限らない。
そしてその最速に行き着く一つの過程として、最適化という道は隣り合わせにある。
その辺りの活動をAMDがもっと積極的にやってくれれば…。
今はそう願ってやまない。
でなければ、私はもう一度Intelを選んでしまうかもしれないのだから。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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