倍率125倍

望遠鏡がいらなくなる領域か?

COOLPIX P1000

ニコンがレンズ一体型デジカメとしてCOOLPIX P1000を9月に海外で発売する。残念ながらまだ国内での発売は発表されていないが、おそらくそう遠くない内に発売されるだろうと思われる。サブ機として欲しい人も多いだろうと思う価格は999.95ドルで国内でもレートに合わせた価格になるのではないかと予想される。
このCOOLPIX P1000は、2015年に発売されたCOOLPIX P900の後継機で、P900の時でも24-2000mm相当F2.8-6.5(35mm判換算)という83倍という倍率を持つカメラだったのだが、今回発売されるP1000はそれを上回る、24-3000mm相当F2.8-8.0(35mm判換算)という125倍のズームレンズを搭載している。
手ブレ補正もシャッタースピード5段分に相当する機構を持ち、広角端ではレンズ前10mmまで寄る事のできる性能を持つ。
映像素子は有効約1,600万画素の1/2.3型裏面照射型CMOSセンサーで、これはP900と同じ。最高感度はISO6400で、4K UHD動画記録や、静止画のRAW記録にも対応する。
ファインダーはEVFで約230万ドットのOLEDを搭載。背面モニターはバリアングル式の3.2型92.1万ドットとなっている。
Wi-FiとBluetooth機能も内蔵し、スマートフォンとアプリで連携が可能。また別売りのBluetoothリモコンも用意される。このリモコンでは静止画、動画の撮影やズーム操作が可能となっている。
P900との差として、83倍から125倍のズーム倍率になった事を受けて、重量が899gから1,415gへと増加した。単純に光学部分の増量ではないかもしれないが、大部分はレンズ構成の違いで重量増となったと考えられる。

電子ズームを組み合わせると…

さて…このP1000だが、前述したように光学倍率で125倍ととんでもない倍率を持っているのだが、これはあくまでも光学倍率だけでの話。
もしこれに電子ズームを組み合わせると、それこそ10,000mmの領域に突入するのではないかとさえ思える倍率を可能にする。正確な電子ズーム倍率はまだ不明なので、ホントに10,000mmまで行けるかどうかは分からないが、P900の時点で光学ズームで2,000mm相当、電子ズームだと8,000mm相当にまで伸びるので、単純計算で考えればP1000は12,000mm相当に届く可能性がある。
もしこれをフルサイズセンサー搭載の一眼デジカメで実現しようと考えたなら…そもそもそんなレンズが存在しないだろうと思うが、実現できたとしてその価格はそれこそ一般人の手に負える価格のレンズではない世界になる。
センサーサイズが大きい事は、確かに画質であったりする面で優位である事は間違いないが、それに合わせてレンズも肥大化する事になるが、センサーサイズが小さくなると、焦点距離的にはかなり望遠有利な状況を作る事ができる。
そういう意味では、こうした超々望遠域ではCOOLPIX P1000などのようなカメラの方が、現実的かつ十二分な性能をもった機器という事が言えるのかも知れない。
正直、マイクロフォーサーズでもこんなマネはできないと思う。

超々望遠撮影を現実的な価格で実現したい…そう考えている人は、COOLPIX P1000は選択肢として十分考えられるアイテムだと思う。
国内販売が行われる事を祈りつつ、待ちたいところである。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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