LXA-OT3を使い始めて約2週間

月刊Stereo 2014年1月号付録として付いてきたデジタルアンプ“LXA-OT3″だが、約2週間使い続けたので、そろそろエージング終了としても良い頃だろう。
実際、どんな感じなのかを改めて聞き比べて見たい。

といっても私の耳での話なワケで…

実際、これは聴く人の耳によっても違うだろうし、また環境によっても違うだろうから、あくまでも私の環境&主観で、という条件の下での話としたい。

私の環境では、PCの音を光出力でDr.DAC2に入力、そこからLXA-OT3に出力しているため、元々の音情報がPCの音とは違う事に起因するのか、クリアな音で非常に良い音という感じに聞こえている。それもLXA-OT1よりずっとクリアで、メリハリのついた音として聞こえている。
ところが、ネットで同じLXA-OT3のレビューを検索したところ、とあるブログの書き込みを見ると、私とは真逆でLXA-OT1よりずっと悪い音で、ノイズが酷いというようなレビューがあった。
このレビューの環境では、PCのマザーボードからアナログ出力でそのままLXA-OT3に入力、それを自作スピーカーに出力しているそうだが、DigiFi No.7のデジタルアンプではとても良い音で鳴っていたのに、LXA-OT3では散々な結果だったというのである。

何故真逆の結果が?

私の結果とは全く真逆の結論が、何故起きたのか?
原因はいろいろ考えられるかもしれないが、単にそのブロガーさんが所有しているLXA-OT3が不良品という事も考えられる。
今回のLXA-OT3は、以前のLXA-OT1から比べると実に雑な作りで、コンデンサなどが傾いた状態で半田付けされていたりする所がある(ウチのもそうだった)。
ま、結局同じ設計だったという事だな…
もちろんその状態でもちゃんと音は鳴るのだが、この作りの雑さ加減が原因かも…と思える節もある。
だが、そうした作りであっても、仮に良品だったとしたならば、ウチの環境とこのブロガーさんの環境とでどこに違いがあるのか?
これはもう、その環境構成によるだろう事は明白だ。
このブロガーさんの接続構成は、PCのマザーボードから直接LXA-OT3へ繋ぎ、自作スピーカーへ出力している。自作スピーカーの出来映えとしては、既にDigiFi No.7の付録USBオーディオアンプで良好な結果が得られていると書かれていたから、概ね問題なしと考えていいだろう。つまり、LXA-OT3と自作スピーカーに問題がなければ、接続構成としてマザーボードから直接アナログ音声信号を取っている事にこそ問題があると言えるのではないだろうか?

PCからノイズなしの音声を取り出すには…

知っている人も多いと思うが、マザーボード周辺はノイズ源の塊みたいなものである。
冷却の為にモーターファンが回っていたり、またディスクストレージなどでもモーターが回っている。ノイズなど計り知れないぐらいに出ているものだから、このマザーボードから直接アナログ信号を受け入れれば、当然ながらノイズだらけになる。
DigiFi No.7はUSBからデジタル出力された音声信号を取り出しているため、このノイズの影響を受けなかったと考えられる。
最近の高級マザーボードでは、このノイズ対策を施して、サウンド周りをシールド保護した製品もあるぐらいで、オンキヨーのサウンドカードなどは基板上に銅板を配置し、ノイズを遮断したりしているぐらいである。
一番理想なのはデジタル信号のままマザーボードから取り出してDA変換するのが理想なのである。

つまり、私がネットで見つけたブロガーさんの環境では、残念だがLXA-OT3は本当の実力を発揮できていないものと考えられる。
これが私の結果と大きな差となった原因ではないかと予測する。
もし仮にこのブロガーさんがノイズ対策を施していたとするならば、この結論とは違う原因を導き出すしかないわけだが。

Repeat Once More

もう一度言うが、LXA-OT3は私的にはそんなに悪いアンプではないと思う。
高々3,000円ほどのアンプだから、別にLUXMANを持ち上げているわけではないのだが、この価格にして良好な音が出てくるアンプだと思う。
3倍速ではありません…
まだオペアンプは交換していないが、新日本無線のMUSES01か02を入れてみれば、もっと広がりのある音が生まれる可能性もある。
LXA-OT1の弱点だった安価なコンデンサでなく、ニチコンのコンデンサを搭載し(一部だけど)、パターンにアールパターンを配してリニューアルされたLXA-OT3は、間違いなく音質向上を果たしている、と思う。
今回は相当数を作ったようなので、まだ書店に並んでいるところも多いだろう。
安価でそれなりに良い音が出るアンプが欲しいという人は、ぜひ購入して聞いてみて欲しい。
もし、安価なUSB DACが欲しいというのなら、DigiFi No.10のOlasonic製DACでもいいかもしれない。
PCのマザーボードにサウンド機能があるのだから、別に用意なんてする必要はない、という人もいるかもしれないが、外付けにした途端に音の世界が変わるという事をぜひ体験してほしいと思う。

最近は安価なヘッドフォンでもかなり良い音が出るようになった。
それだけ高性能なものが上の世界に突き進んだという事なのだが、今まで感じてこなかったものをぜひ感じて良い音に触れて欲しいと思う。
今の時代は音楽がかなり身近にはなったが、どんどんと劣化した音楽ばかりが溢れるようになってしまった。
一部ではハイレゾサウンドなんて高品位な音楽を提供しはじめているが、それらは高級な一部の音楽であり、一般的とは言えない。有り触れた代わりに劣化具合が酷い昨今、ちょっとでも本物の音に近づいた音を聞き、違う世界を見て欲しい。
単純にそう思う。音の世界はもっと広大でクリアなのだ。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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2 Responses

  1. ruser より:

    ある意味ではこーいう世界に引っ張り込まれた者ですw

    最初の頃は7000円台のイヤホーンとか、XG音源とかでしたが、次第にエスカレートして…
    いや、その話は置いといて、今回のアンプは手を出して無いです。
    理由は単純で、暇がなかったからな訳ですが、費用対効果は高そうですね。
    「俺、PCの音はLUXMANのアンプ使ってんだぜ~」何て言ったら、オーディオマニアは話題に食いつきそう。
    3000円だけどw

    あぁ、PCオーディオに勧(は)められてDACを導入し、そのあまりの違いに驚愕したあの時が懐かしいです。
    そしてまた一歩踏み出(はず)しそうな気配が…

    • アバター画像 武上 より:

      今では私よりコストかけてるからねぇw

      私は総合コストをそんなにかけられないので、コレと思ったものに着眼してそれを導入したら、あとは時間をかけつつ小さなもので補っていくという方法を採っています。
      でないと、オーディオはいくら金あっても足りないので(-_-;)

      今回のLXA-OT3のポテンシャルは前機種よりずっと良いと思うので、買っておいて損はないですよ。
      次は…USB DACのLXU-OT4(LXU-OT2の改良版)が来るのかなぁ…

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