mini-ITXフォームファクタでハイスペック

 先日、Windows Home Server 2011の事を書いたが、それ以降、サーバ用途のPC…というより、より小さなPCというものをよく考えるようになった。
 昔、まだ私がパワーユーザーと呼ばれるほどPCに予算をつぎ込んでいた頃、キューブ型PCでハイスペックを求めたらどうなるか? なんて事をやっていた。たしかまだPentium4時台だったと思う。
 その時代は今のようなmini-ITXという規格が存在していなかったため、キューブ型サイズが小さい方だったのである。
 結局、キューブ型とは言え当時のCPUやビデオカードは結構な発熱量で、排熱の難しさの為にキューブ型にハイスペックな性能を詰め込むには冷却方法にも相当な予算をつぎ込まないとハイスペックキューブPCを作る事ができなかった。
 まぁ、Pentium4の発熱量を考えれば、小さな筐体に押し込む事そのものが無理だというのは、当時を知る者であればよく分かるはずだ。
 結局私のキューブPCはハイエンド…というよりは、ミドルハイ的なPCになった。
 それでも十二分な性能だった事は間違いないが、今の時代は非常に進んでいて、mini-ITXというさらに小さな基板規格が存在し、さらにそれにハイエンドのチップセットを搭載したモデルが発売されたりしている。

 これはMSIから発売されるmini-ITX規格のマザーボード“Z77IA-E53”だが、なんと搭載しているチップセットがIntel Z77という、Ivy Bridge世代の最高性能を誇るチップセットが搭載されている。
 詳細なスペックなどはコチラのサイトを見て戴きたい。

北森瓦版
http://northwood.blog60.fc2.com/blog-entry-6164.html

 Ivy Bridgeであれば、CPU内にビデオ機能を内蔵しているため、このマザーボードのHDMI端子、もしくはD-sub15ピンで映像出力も出来てしまう。
 もちろん1本搭載しているPCI Express x16(Gen 3.0)で追加のビデオカードを挿す事ができるため、mini-ITXを搭載できるケースであり、かつちょっと大きめの拡張カードが搭載できるケースなら、ハイエンド性能を求める事もできる。
 つまり、性能的には普通のATXマザーボードと遜色のない性能を持っていて、足りないのは拡張スロットだけ、という製品と言える。


 この“Z77IA-E53”の価格がいくらぐらいになるかは解らないが、多分2万円以下ぐらいの価格だろうと思われる。似たような製品で17,000円程度である事を考えると、それぐらいの価格で出てくる可能性が高い。
 また、この“Z77IA-E53”はMSIらしくオーバークロック機能が満載され、電源回路も7-phase CPU VRMが採用されている。

 MSIは昔から省電力で名を馳せてきたメーカーだが、最近はAsRockに推され気味だった。
 AsRockは変態的なマザーボードが多いという印象が私にある。悪口ではなく、良い意味で変態的で、組み合わせ的に普通はやらないだろうと思うようなチップセットとスロットなど、機能と合わせれば実に個性的な製品を出してきていた。
 それがいつしかユーザーに受け入れられて、気がつけば有数のメーカーの仲間入りを果たしていた。そして代わりにMSIが若干沈み気味な感じだ。
 だから今回の“Z77IA-E53”は実に私的には朗報で、これからもMSIには是非ともがんばってもらいたいと思っている。

 しかし…こんなマザーでハイエンドミニPCを作れたら面白いだろうな…。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

Share
アバター画像

武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

You may also like...

2 Responses

  1. ruser より:

    mini-itxにIvyとはまたえらいの出たな、またASRockか? って思ったらまさかmsiとは。
    個人的に好きなメーカーだけに、挑戦的な製品が出てきたのは嬉しい知らせだわ。
    システムドライブにSSD、データドライブはNASで組んだらかなり高性能かつ小型PCが出来そう。
    画像じゃ分からないけど、msiお得意のDr.MOSは搭載してないのかな?
    オンボードリセットスイッチも見当たらないな。
    流石にこんだけギッチリだと積む場所ないかw

  2. 武上 より:

    MSIは結構前にいろいろなイロモノ系を作ってたように思います。ただ、AsRockとは方向性の違うイロモノなので、今回のmini-ITXマザーは実に久々な感じがします。
    ってか、そもそも追加電源6ピン+6ピンのビデオカードをオーバークロックの為に8ピン+6ピンにしたりし始めたのってMSIが最初じゃなかったかな?
    オーバークロックだって元々はイロモノです(^^;)

武上 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


コメントは承認待ちです。表示されるまでしばらく時間がかかるかもしれません。

Desktop Version | Switch To Mobile Version