新型エネループのデザインにもの申す

 Panasonicが新型のeneloop(エネループ)と新型の充電式EVOLTA(エボルタ)を4月26日に発売する、と発表した。価格はオープンプライスだが、共に単三形4本入りの店頭予想価格は1,600円前後になる。

 新型の充電式EVOLTAは、繰り返し充電回数が1,800回と従来と同じでありながら、容量が1,900mAhから1,950mAhへと向上した。また、単四形では750mAhから780mAhへと向上となる。
 また小容量モデルである充電式EVOLTA eは、容量据置で繰り返し充電回数が2,100回から4,000回と増大した(単四形は3,000回)。
 さらに大容量モデルとして充電式EVOLTAハイエンドモデルが新登場し、単三形で2,500mAh、単四形で930mAhと共にeneloop proよりも大容量なモデルが投入された。
 ま、この辺りはeneloop技術とEVOLTA技術の統合を図った結果と思われる。

 eneloopは今更説明の必要も無い充電池の代名詞的存在だが、サンヨーがPanasonicに吸収されて後、Panasonic扱いになっていた。
 今回の新型eneloopは、従来1,800回の繰り返し充電が可能だったものが2,100回となり、同水準の充電池としては業界最高の繰り返し充電可能回数となった。
 容量が通常モデルよりも少ない廉価モデルである、eneloop liteは、従来は繰り返し充電が2,000回だったが、今回の新型で5,000回と実に2.5倍となった。
 大容量モデルのeneloop proは従来通り500回で、パッケージのみが変更となる。

 eneloopにしても充電式EVOLTAにしても、今やPanasonicから発売されている関係で、似たような技術で作られていると言える。だからスペックは似通ってきても仕方のない話だし、逆に未だに違いが出ている事の方が私的には疑問だったりする。
 ま、Panasonicの中で、この両モデルがどういう関係で併行販売されているのかという問題に帰結する話だから、消費者サイドではあまり重要な問題ではないと思う。

 ただ、私的にはeneloopを強く推したい。
 理由は単純。そのデザイン性がずば抜けて素晴らしいからだ。
 eneloopというロゴのスマートさは、充電池業界の中でもそのデザイン性は飛び抜けているし、充電池をこの世の中に広く知らしめたのは、このデザイン性によるところだろうと思う。
 だが…。

 私はPanasonicは今回の新型でやらかしたな、と思わざるを得ない。
 新型の充電式EVOLTAはどうでもいいとして、新型eneloopのパッケージ、そして充電池本体のデザインがとにかく最低なのである。
 色使いは従来品と同じだから良いとしても、全体的に“Panasonic”という文字が主張しすぎているデザインに変更になったのである。
 全くもって理解できないリニューアルである。


 商品を新型へと改良し、新製品を発売するという行為は当たり前とも思うし、理解する事は容易にできる。
 だがその新製品で、Panasonicは社名を売りたいのか?
 それとも充電池を売りたいのか?
 このデザインからは、どうみても社名を売りたいという意図しか見えてこない。

 サンヨーはサンヨーという社名を売ったのではなく、新たな新製品を売るために“eneloop”という名称を生みだし、そして実製品を広く展開した。
 これが市場にウケたからこそ、eneloopは充電池の代名詞的存在になったのであり、人々が受け入れたと言える。
 それが今回の新型では台無しにしてしまっていて、イヤミとも採れるぐらいにPanasonicという文字が前面に出てきてしまっている。
 この製品はPanasonicではなく、eneloopである。
 私はそれこそ必要な売り方だと思うし、eneloopの成功手法だと思う。
 それなのに何故?

 この意匠デザインの変更の裏には、Panasonicブランドへの統合という事情が潜んでいる。
 サンヨーのイメージが強いeneloopを、完全にPanasonicブランドとする事が目的なのだろうと思うが、私としてはそれなら両製品が存在している事の方が問題だと思う。
 売上を分散してしまう、開発リソースを分散してしまう、等、いろいろなデメリットがあるのだろうとは思うが、ブランドとそれらとは何ら因果関係はないハズである。
 結果的に製品が売れる事を目的とするなら、ユーザーが好むスタイルにしておく方が絶対的な支持を得られるのではないかと思えてならない。

 それとも、私のようにeneloopブランドのデザインを支持する層というのはいないのだろうか?
 たしかに充電池は使えればどのメーカーのものも大差がない、と言えるかも知れないが、それだからこそ、ブランドイメージやデザイン性が製品の優劣を決めるように思えてならない。
 少なくとも私なら、使うならカッコイイ方がいい。
 そう思う人が少なくなってしまったのだろうか?
 Panasonicは、そういう流れを掴んだ為に、このような選択肢を採ったのだろうか?

 …解せぬ(-_-;)

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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1 Response

  1. 武上 より:

    よかった…いろんな所に同志がいるようだ。
    http://j.mp/Z4P5mh
    しかも面白いコラまであるw

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