居酒屋みたいなスタッフコメンタリー

 GIRLS und PANZERのBD第4巻が届いた。
 物語としては、全国戦車道大会の準決勝に入るのが収録されている第8話のストーリーで、その前フリが第7話というのが第4巻である。
 準決勝の相手はプラウダ高校という、どうみても(分からない人はいないと思うが)ロシア…というよりソ連テイストバリバリの高校で、当然出てくる戦車はT-34である。
 このT-34、私としてはシステムソフトの大戦略II(設定が第二次世界大戦だった)で苦しめられた戦車である。私は西側兵器を選ぶ初心者っぽい所があるので、ソ連=敵性という感覚が昔はあった。
 もちろん敵性だからキライという事ではない。ソ連兵器はかなり優秀だという事も知っていて、ミリタリーファンとしてはそういう部分は実に興味深いと思っている。
 ガルパンを観て思うのは、第二次世界大戦時のソ連兵器は比較的バランスが取れているのかな? という事。第三帝国の機甲兵団の方が、極端な兵器が多かった様に思う。ま、ナチスだから仕方ないのかも知れないが。

 話を戻す。
 今回のBD4巻にも、いつもと同じくオーディオコメンタリーとしてキャストコメンタリーとスタッフコメンタリーの2本が収録されている。
 通常の作品だとキャストコメンタリーが中心でそこにゲストとしてスタッフが登場したりするのだが、ガルパンは特にミリタリー色が強いという事もあって、キャストコメンタリーとスタッフコメンタリーに分けて収録されており、前者はガールズトーク(出演者がほぼ女子であるため)で、後者はミリタリーマニアトーク(出演者が軍事関係に詳しいマニアであるため)が炸裂する。
 だが、このBD4巻はいつもと違っていた…いや、違い過ぎていた。
 キャストコメンタリーはいつも通りなのだが、スタッフコメンタリーに登場したゲストが本作のプラウダ高校のキャラ“ノンナ”役の上坂すみれという事で、内容が大暴走となったのである。
 スタッフコメンタリー中にも言われているが、もうそのトークが居酒屋でのトークになっているのである。好き勝手にいろいろ話すものだから、放送できない語句の嵐(爆)
 もともと、ソ連・ロシア好き、しかもミリタリーにも造詣が深い上坂すみれがゲストという事もあって、いつものミリマニのおっさん達の歯止めが効かないw
 年齢的には世代をまたぐ感じであるため、数世代間でのソ連・ロシアを熱く語り、また軍事関係の話をおもしろ熱く語っているため、兎にも角にも30分という時間が短すぎるのである。
 ちなみに上坂すみれは第7話と第8話の両方のスタッフコメンタリーに登場しているのだが、それでも時間が足りないのである。いやはや、マニアが集まると収拾が付かなくなるというのがよく分かる内容である。


 上坂すみれは前述したように現役女子大生でありながら声優タレント業を行っているが、ロシア語が学べる大学をチョイスして受験したという程のロシアマニア。
 よって、そのロシア語の発音は他声優から比べても格が違うわけで、本作でもロシア語の指導を行ったようである。
 第8話では“カチューシャ”という歌をキャスト陣が歌うシーンがあるが、これも上坂すみれ指導の下に歌われている。この辺りはスタッフコメンタリーでも詳しく話されているため、興味のある人はBD/DVDを購入して聞いてみて欲しい。

 しかし…二十歳ちょい過ぎの女子がソヴィエト連邦の赤軍黎明期を研究、その上ミリタリーファンというのも、実に変わった話である。この業界でも稀少価値が高すぎる話ではないかと思う。
 …という事は、ミリタリーが絡むようなアニメで、しかもそこにロシアっぽさが含まれる場合は、今後上坂すみれは鉄板キャストになっていくのではないだろうか?(ものすごーく狭いエリアだがw)

 何はともあれ、今回のスタッフコメンタリーはいつもとは雰囲気も全く異なり、歯止めの利かないアブナイ話が満載である。
 分かる人にとってこれほど楽しめる内容もないのではないかと思う。
 (そんなにいないと思うが)ロシアマニアな人、ミリタリーマニアな人で、これにアニメファンという属性が付くのなら、今回のスタッフコメンタリーはぜひ聞くべきだと思う。
 ロシアマニアという属性がない私が聞いてもそう思うのだが、間違いのない話ではないだろうか。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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3 Responses

  1. 関西の人 より:

    るーさんのフラグとかが色々立ちそうで怖いw

  2. ruser より:

    よんだ?w
    私はソ連(ロシア)マニアとは言えないデスヨ。ちょっと傾いてる程度で。
    私も起源は大戦略で、周りの連中がアメリカ、ドイツ、イギリス、イスラエル、NATOと言った強豪国を押さえるもんで、私は常にソ連を担当してたのが始まり。
    機能美を求める私には、泥と雪にまみれても動く信頼性と無骨な機能性が魅力的になってきて、気がつけば染まってたと…。
    それ程知識は無いしハマってもない。
    皆がパンターやティーガー、メルカバやチャレンジャーがどーたら言ってる時に、T-34やT-80の話をしてただけさー。
    …だけさー…?

  3. 武上 より:

    ではruserさんも、上坂すみれ女史にならって、今からソ連の赤軍黎明期を研究されてはいかがでしょう?
    そうすれば、名実共にロシアマニアになれますぞ?www

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