Renesas製チップ拡張カード

昨日取り上げた拡張カードの話。

贅沢に4つも使われている

昨日、キャプチャユニットの更新の話をしたが、その際、接続するUSB3.0拡張カードにも触れた。その拡張カードが先に届いた。
まず購入したカードは玄人志向の「USB3.0RX4-P4-PCIE」というカードで、それ以外に選択肢がなかった。
理由は…昨日事細かく書いたが、転送速度の問題である。
USB3.0は500MB/sの転送速度を達成できるのだが、意外とこの数値をそのまま達成できるコントローラーチップがない。
最近はどのメーカーのドライバも進化してハードウェアの性能を引き出せるようにはなってはいるが、そもそもそのハードウェアの性能がギリギリだったり、或いは達成できていなかったりと、高速デバイス故に足並みが揃っていないという状況がある。
USB2.0の時代では考えられないような話(実際にはあったとは思うが、解消するまでに時間がかかっていないのかもしれない)ではあるが、USB3.0はその高速性故にコントローラーチップだけの問題ではなく、接続するブリッジチップや転送バスの問題なども考えねばならない。
完全に要件を満たせる状況としては、PCI-Express2.0のx4以上の速度でないと500MB/sは達成できない。ところが世の中にはPCI-Express2.0のx1の製品は多くてもx4製品がほとんどないのである。
で、見つける事ができた拡張カードで唯一のx4製品が玄人志向の「USB3.0RX4-P4-PCIE」だった、というわけである。
このカード、高速性で定評のあるRenesas製コントローラーをUSB端子1つに付き1個搭載するという贅沢仕様で、このカードを使用する段階で速度的に問題がでる事は考えにくい製品である。
今回はこのカードを購入したので、早速PCに搭載する事にした。

カードと垂直なのが問題

まず、ドライバも何も入れない状態で、物理的にケースに取り付けてみた。
私の使用しているマザーボードは、拡張スロットが3つしかなく、一つがGPUカードに使っているPCI-Express2.0 x16、二つ目も同じで、三つ目がPCI-Express2.0のx4となっている。
普段はPCI-Express2.0 x16の1つ目にGPUカード、二つ目に増設のLANカード、PCI-Express2.0 x4にHDMIキャプチャカードを挿している。
今回はこのHDMIキャプチャカードを取り外し、x4スロットにそのまま「USB3.0RX4-P4-PCIE」を取り付ける事にした。ちょうどPCケースとすれば最下段に取り付ける形である。
取り付け自体はそんなに難しい事ではないのだが…問題はカードと垂直に配されたUSB3.0ポート。
コイツが拡張スロットのカバー幅とギリギリで、拡張カードを装着した後、ケース後方からUSB3.0コネクタを挿そうとすると…ケースのガワが邪魔をするのである。
この辺り、国際的共通規格である関係で、各パーツのズレが恐ろしくデカイ。上手く収まるものもあれば、全くどうにもならないものもあるというぐらいに雑な品質で、今回の私の購入品もケースに干渉するという結果に…。
さて…どうするか?

こういう時は慌てずに

ケースと干渉してUSB3.0コネクタが挿せない、となっても慌ててはいけない。
ココからは…手加減が必要だが、そういう時にどうするか? という対応をちょっと書いておく。
難しく考えてはいけないのだが、もしズレが2~3mm程度なら、簡単にどうにかできてしまう。
PCケースに取り付けて、完全に固定してから、ケース裏のUSB端子をテコの原理でグッと真ん中にひっぱるのである。使う道具はマイナスのドライバーなどで良いだろう。ポイントは「完全に固定してしまう」という事。もしここで緩い状態のままだと、テコの原理で曲げても戻ってしまう事がある可能性がある。なのでここは完全固定が原則だ。
拡張カードにUSBのスロットはハンダ付けされていて、このハンダ付けの部分で多少のズレを曲げる事ができるのだ。やり過ぎればもちろん問題だが、2~3mm程度なら曲げてしまっても問題はない。
よく聞くのは、取り付けたら干渉するから使えない、と簡単に言い切ってしまう人がいる、という事で、実際には強引に合わせれば使えるという事は知っておいても良いと思う。それぐらいいい加減な作りなのである。

かくして、私のカードもこれで無事USB3.0コネクタが挿せるようになった。
あとは電子的な接続、つまりOSに認識させてインストールという手段である。

玄人志向は玄人志向

随分と玄人志向の製品を買うのも久々である。
その名が指すとおり、玄人向けのパーツという意味でこの名が付けられていて、マニュアル等も実に不備が多いのがこのシリーズの特徴である。
元々はそうした万全の状態でない事を理由に、多少値段が安いというシリーズなのだが、その値段の安さは時代と共に徐々に薄れ、今ではただ不親切なパーツ製品…という感じである。
よって、今回購入したものも、中に入っていたマニュアルは英語の紙が4つ折りで1枚入っているだけで、ドライバCDも今は懐かしい8cmCDが1枚のみという構成。
英語マニュアルに何のドライバを入れれば良いか? 等が書いてあるかと思えば、ドライバCDの中と紙の内容が一致していなかったり、可能性のあるドライバが2種類あったり…と、実によく分からない内容である。
さすがは玄人志向…と、久々の洗礼を受けた気分だが、そんな事でめげてはいけない。
今回は少なくともRenesas製コントローラーの製品だという事が解っているため、ドライバCDからRenesasの名が付いたドライバを探すと2つ存在していた。とりあえずバージョンの新しい方をインストールする事にして、ハードウェアを認識させた。
結果から言えばトラブルなく認識成功。これでとりあえずは使えるハズである。

まだ実際に機器は何一つ接続していない。
近々、MonsterX U3.0Rが届くので、それで実際に試してみたい。
イキナリぶっつけ本番というのも中々スリルがあって…トラブルが起きたらどうしようもなくなるな(爆)
そういう事を想定しつつ、機器到着を待ちたい。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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