汚名挽回してしまった中国車

 Yahoo!ニュースを見ていたらこんな記事が掲載されていた。
Yahoo!ニュース
「鉄くず」の汚名返上ならず
 中国の自動車メーカー“華晨汽車”製セダンがドイツで衝突安全テストを受け、0点という史上最低の成績に終わったらしい。
 0点という数字が存在したのかと逆に驚いたワケだが、この0点にはワケがある。
 もちろん、品質面にも問題はあったのかもしれないが、2009年2月よりユーロNCAPが安全装置の設置基準を厳格化していたため、“華晨汽車”製セダン「駿捷」はシートベルト着用警告装置、エレクトロニックスタビリティプログラム(ESP)が搭載されていなかった点で、0点と判定されたワケである。

(Yahoo!ニュースより転載)


 大体予想は付くとはおもうが、中国車がこのような酷評に終わる事は何も今回が初めてではないそうだ。
 前述リンクのニュースにも記載されているが、過去の評価でいくつかの車は「中国から来た鉄くず」「事故が起きればドライバーの生存確率はほぼゼロ」「ここ20年間の衝突安全テストで最低の車」などの評価を受けている。
 欧州というところは、環境や安全に関しての基準がおそらく世界で一番厳しい所ではないかと思う。
 よく家電にCEマークなどが付けられている事があるが、あのCEマークはEU加盟国すべての基準に合格した製品に付けられるマークで、このCEマークを取得するのは結構大変な事らしい。
 また、RoHS指令という電子・電気機器における特定有害物質の使用制限基準もEUの指令である。
 逆に米国はこれらの制限をすると自国メーカーの利益を損ねる可能性が高いと感じたのか、このような規制をあまり聞かない。
 過去には、当時世界一厳しいと言われた排気ガス規制法であるマスキー法が米国で発せられたが、それ以外の基準はEU関連の基準の影に消えてしまっているような気がしてならない。
 そんな欧州に自国製品を輸出しようという中国は、まだまだ技術の面で世界基準に届かないという感じではないだろうか。
 日本企業にしても、まだ届かない部分が見受けられる。
 世界一クリーンなエネルギーである太陽光発電も前までは日本が世界一だったが、今ではスペインにも追い越され世界三位に甘んじている。
 中国を笑っていられるのも今のウチ。
 日本もまだまだ環境と安全に取り組まねばならない部分は多い。
 それにしても…中国は汚名返上どころから挽回してしまったワケだが、今後どういった巻き返しを見せるのか。
 ある意味、見物であり、中国マネーが技術を塗り替える日がやってくるのか興味津々である。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

Share
アバター画像

武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

You may also like...

2 Responses

  1. アバター画像 士之 より:

    欧州向けに製品を売るには、CEだけでなく、EnergyStarも必要で、こちらも年々基準が厳しくなり、仕事で関わってるだけに、大変さの一端位は感じてるつもりです。
    中国やインド。コストに技術が付いてくれば、あっという間に日本は負ける。
    笑ってられるのは今のうち。一体日本の何割が気付き、そして対策しようとしてるのか。
    非常に不安ですな…。

  2. アバター画像 武上 より:

    EnergyStarもEUだったか。
    まぁ、環境規制の殆どはEU発なんじゃないかと思う。
    ヨーロッパ圏は儲かれば何でもいいという風潮ではないから、そうした規制の上に人々の生活を根付かせていく事を国家規模で推進してるんでしょうな。
    超大国の某国とは大違いだ。
    というか、日本は見習うべき国を間違えているように思う。
    超大国とつるんでいてもこれから先うまくいかないだろうし、逆にドイツやフランスと繋がっていく方が日本の風土に合っているように思う。
    日本はもっと技術に根ざす国作りをしていかないと行けないハズだし、超大国のように金さえあれば何でも…という流れに堕ちると今みたいなどうしようもない国になっていくように思う。
    しかし…
    ここ最近、国がらみの話をBlogでしなかったが、書き始めると国家反逆罪に問われそうな勢いになるので自重しないとダメだな(爆)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


コメントは承認待ちです。表示されるまでしばらく時間がかかるかもしれません。

Desktop Version | Switch To Mobile Version