2009年11月、次期新型PSPの登場かと噂される中で発売されたPSP goは、事実上新型ではなく、SCEのソフト販売戦略の転換を推し量るかのような実験機であった。
SCEは実験機と言わなかったが、UMDドライブを廃したそのスタイルは、どう考えてもダウンロード販売への移行を推進させる意味をももたせた個体としか言い様がなく、そしてその思惑どおり、PSP goの発売以後はダウンロード販売とUMDパッケージ販売を併売するという形で概ね進んでいった。
そういう意味ではPSP goの存在意義は決して無駄だとは思わないが、一部ソフトはコピー問題を懸念したのかUMD版しか発売されず、結局PSP goでは遊べないゲームというのも存在した。そうなると、ゲーム機という枠だけで考えれば、PSP goはPSP未満の存在でしかなく、一部では廉価機と言われたのもうなずける話である。
そしてその本体価格も普及を鈍らせた原因であった。
本体価格26,800円。あと3,000円足せばPS3が買える価格である。これでは普及させる気があるのか? と言われても仕方がない価格設定である。
PSP-3000は順調に値段を下げていく中、PSP goは価格改定を行わず、まさに孤高の存在であった。
そんなPSP goだが、10月26日(つまり明日)より、16,800円に価格改定される事が発表された。
一気に10,000円も値下げするという実に37%引きの大セールスである。
確かに安くなった。
公式で37%引きとなると、比率で言えば大きく値を下げた時のPS3以上の値引きではないだろうか?
しかし、実売では思ったほどの値引きではなかったりする。
未確認情報ではあるが、一部店舗では9,800円で売られていたという話もある。
また、日常的に17,800円だった所もあるようで、売れないから値下げするしかない、というPSP goが抱えていた問題がそのまま価格に反映されていた状況である。
もちろん、今回の公式値下げに意味がないわけではないが、売れないから安く売っていたという背景を考えるならば、今回の公式値下げは事実上の在庫処分祭みたいなものではないかと考えられる。
果たして16,800円にしたからといって、どれだけ売れるというのか?
また、公式が16,800円とした後で、小売店はどれだけの価格で販売するというのか?
もし、これで10,000円ほどでPSP goが流通するような事になれば、今まで以上に普及するとは思われるが、それでもソフト販売に問題が残る以上、そんな話は夢物語のようにも思えてくる。
個人的には、Bluetoothに対応している事でPS3のコントローラーが使えるという所に便利さはあるかな? と思っている。こんなグッズも売られていて、これならば操作しやすい環境で遊べるかなとも思える。
こうしたPSPにはない機能をどれだけアピールし、ソフト供給窓口が狭い事を意識させないか? という所に注力しないと、いくら価格を下げても売れないものは売れないだろう。
…いや、在庫処分なら売る気もそんなにないのかもしれないが。
どちらにしても、興味のある人にはチャンス到来といった所だ。
公式値下げと店舗値下げのバランスを見て、購入するのがいいだろう。
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