docomoからiPhoneは発売されない

 現在の私がdocomoとソフトバンクのダブルキャリアでケータイを使っているのは、偏にdocomoがiPhoneを取り扱わないからだ。
 当初のdocomoはiPhoneの取り扱いに関してあきらめないというスタンスだった為、私はdocomoの契約を継続してソフトバンクの契約を1回線増やした。
 その後、日本通信からdocomoの回線を利用したiPhone利用の道が示されたが、ソフトバンクとの価格差は私では吸収しきれないと判断、そのままソフトバンクでの利用を続けている。
 このような状態がいつまで続くのかと思っていたが、意外な形で…いや、意外でも何でもないが、docomoが株主総会で「iPhoneの発売の予定はない」と発表した。

 この判断そのものを私は英断だと思う。
 docomoは夏野氏がいた頃から積み上げてきたi-modeというサービスがあり、今のdocomoのケータイネットワークの根幹は、i-modeを中心に作られてきている。
 それらのサービスを今までと同じく活用できる方向性を模索するならば、新しいネットワークアプリの構築が難しいiPhoneは扱いにくい。むしろ、そうした外部アプリケーションを容易に組み込む事のできるAndroidの方がdocomoには向いている。
 だからdocomoがiPhoneを扱わないという判断は、どこからどうみても理にかなっている。
 しかし、私個人の立場で考えると、これは困った事になったぞ、という事になる。


 というのも、私はi-modeを全くといっていいほど活用していない。
 おさいふケータイの機能も全く利用していない。SUICAだってFeliCaを別に持っているし、ケータイメールだけが唯一活躍の場だった。
 そのケータイメールもiPhone4を使うようになってからはi-modeのメールアドレスは使わなくなってしまったし、今i-modeを契約している事そのものが無駄といえば無駄な状態。
 docomoのケータイはほんの少し行う通話のみのものになってしまった。

 つまり、私にとってケータイは通話するものではなく、モバイルガジェットになってしまい、通話はその中の一つの機能になってしまった。
 iPhone4を使う前はそれでもケータイでネット検索をちょっとやったりもしたが、iPhone4の利便性を知ってしまうと、もうi-modeではその変わりはできなくなってしまった。

 そして今、docomoからiPhoneの可能性が消えてしまった事で、私がdocomoを使い続ける意味が本格的になくなってしまった。
 唯一docomoが安全か? と思わせるのは、私の住んでいる地域的な問題。ソフトバンクは通話エリア的に山間部に弱いという弱点が生活レベルでクリティカルヒットしている事だけである(クリティカルヒットだから“だけ”というのも変な話だが)。
 もし、このソフトバンクの通話エリアの問題がなくなったなら、私にとってdocomoというキャリアは普通に必要なくなってしまうのである。

 で、docomoの料金体系とソフトバンクの料金体系を見てみたところ、正直私の使い方だとソフトバンクで何ら問題ないような気がしてきた。
 自分から通話しても数分だけ、しかも月に数回というものである。
 ウチの家族もdocomoのファミリー割引で利用しているが、利用実態は私とあまり変わらない…というか、私より利用していない。
 だとしたら、ソフトバンクでも何の問題もないような気がしてくる。

 とりあえず、今のiPhone4の2年縛りは来年の6月まではあるため、今の状態はあと1年くらいは続くとは思うが、2年縛りが終わる時にもう一度状況を見た上で、10数年使ってきたdocomoとの決別を迎えるかもしれない。
 Androidじゃダメなの? と思われる人もいるだろう。多分イケルかもしれない。だが、私は元々AppleのMacintoshユーザーであったし、その時にevangelist(伝道者)と呼ばれるほど絶賛していた人間である。iOSとAndroidの両方を前に並べられたなら、迷う事なくiOSを選ぶだろう。
 おそらくこれはSony製品をこよなく愛する人と似ているかもしれない。いや、全く同じだろう。
 というわけで、docomoからiPhoneの可能性が消えた今、docomoに未練はない。
 あとはソフトバンクがどこまでがんばってくれるか次第である。
 頼むからiPhone4のテザリング機能をONにしてくれ…そして通話エリアを山間部まで広げてくれ…
 そうしてくれれば、確実にdocomoと決別し、ソフトバンク利用者になるだろう。
 docomoの通信品質の高さは理解できるし、良いものを良いと分かっていながら併売する事をやめたdocomoの英断も理解するが、i-mode利用者の事だけ考えるやり方では、私はついて行くことができない。そういう事である。

 ちなみに。
 docomoはそこまでiPhoneと決別する事を確固としたなら、どうしてテンキー付のAndroidケータイを出さないのだろうか?
 スマートフォンに移り変わることをためらっている人のほとんどは、その独特な操作感でに問題があるのであり、通話する事を主体と考えるとテンキーの存在は絶対的に便利である。
 auもソフトバンクもイーモバイルもテンキー付が出ているのに、docomoだけその姿を見ないのだが…。
 ボクにはいみがわからないよ…(◕‿‿◕)

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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