2014年新春の買い物

毎年、年末年始に何かしらのハードウェアを購入しているというのが、私の恒例みたいなものになっていて、今年はそれもなく無難に終わるなぁ…と思っていたら、先日はやってはいけない事をやってしまい、結果、やっぱ必要というか欲しいなぁ、となり、結局は買い物をしてしまうという、やはり恒例の流れには逆らえない展開となってしまった。

これだけを一気に買ってしまった

購入先はソニーストア。
購入したものは、ウォークマンM「NW-M505」と、それに接続するインナーイヤフォン「XBA-H2」である。
もう一つあるのは、ウォークマンMに取付けるシリコンケースで、上にある紙面がウォークマンMのワイド保証3年分の紙である。
これらを総合的に考えるとソニーストア直販が一番安く買えるという結論にいたり、購入した。
金かかったよ…いやまぢで…
注文したのが12月30日深夜で、到着したのが実は1月1日の午前中。
ソニーストア、年末年始なのにがんばってますな(-_-;)

まずはウォークマンMの開封から

まずはともあれ、ウォークマンMの開封から。
意外と小さい箱を空けると、中からこんな感じで出てきた。
意外にも簡素化包装
左から紙内箱に入ったウォークマンMと真ん中保証書、右のビニール袋の中身はマニュアル一式とノイズキャンセル対応の付属ヘッドホンと延長コード、そしてUSB←→マイクロUSBケーブルである。
実に簡素的な内容で、これだけで事足りるという事なのだろう。
こいつがBluetooth端末になるとは…
ウォークマンM本体を紙内箱から出すとこんな感じ。
他にもクリップベースが入っていた。コイツを本体に取り付ければ、本体を胸ポケットなりに挟める様になるという事である。
ヘッドホン本体をビニール袋から出していないのは、使う予定がないから。
ノイズキャンセル機能自体は便利とは思うが、もっと自然に良い音を聞こうと思ったら、私はノイズキャンセル機能は使わないという選択肢を採ることになる。ここらへんはトレードオフと考えている。

ウォークマンMだけでは聴けないため…

今度はXBA-H2を開けてみる。
綺麗な化粧箱に入っているが…
綺麗な化粧箱に収められていて、ウォークマンMより高級そうな感じ(爆)
この内箱を開けると…
高級ヘッドホンだから丁寧なのかも…
実に丁寧に入っていた。
この型内箱の中には、予備のインナーイヤーピースとキャリングケースとマニュアルがおさめられているだけで、箱の中は随分とスカスカな印象を受けた。
キャリングケースの中には、XBA-H2の交換コードが入っているのだが、この交換コードが所謂延長コードを兼ねていて、スマートフォンのiPhoneとAndroidに対応したコントローラーが真ん中に取付けられたコードになる。
ちなみにXBA-H2はドライバーユニットの根本からコードが取り外せるタイプなので、この延長コードもそこから取り替えるコードになっている。コイツは今回の私には不要となるコードでもある。

いざ聴いてみる

マニュアルを一切読まずに、テキトーに触って設定してとりあえず聴いてみる事にした。
当然だが、本体内の16GBのメモリ内に音楽は入れていない。
試すのはBluetooth接続でiPhone5内にある音楽である。

まずは今まで使っていたSony製「MDR-EX500SL」で聴いてみる。
2008年製だが、13.5mmのドライバーユニットを搭載
2008年10月に発売されたモデルだが、13.5mmのドライバーユニットを垂直に配して耳に取付けた時に邪魔にならないように工夫されたモデルである。
こいつ自身、私は相当良い音を出すインナーイヤフォンだと思っている。ただ、バランスド・アーマチュア・ドライバ(以下BAドライバ)と違い、高音域が弱い傾向にあるが、2008年の段階では、そもそもBAドライバは普及価格帯に降りてきておらず、一部の超高級機にしか搭載されていなかった。
BAドライバは、ここ数年の高級志向がラインナップのアンダースポットに当たるようになってきただけの事であり、2008年の段階でこのMDR-EX500SLは価格のワリに相当良い音を出すモデルだと言えた。

で、このMDR-EX500SLで聴いてみたところ…実に悪くない。
というか、いつもiPhoneに直でMDR-EX500SLを接続して聴いていた音から比べても明らかに音場が広がった感じに聞こえる。NW-M505のS-MASTER MXという高音質技術がBluetoothで送られてくる音を高音質化しているという事だが、確実にその効果が出ていると言える。
今までものすごく小さく聞えていた遠くのハイハットの音が今までよりずっと鮮明に聞こえてくるあたり、ダイナミック型で弱いといわれている高音域の音もちゃんと先鋭化してくれている事を実感できる。

これなら新しいインナーイヤフォンはいらないかな…と思いつつも、XBA-H2の性能も聴いてみないことには買った意味がない。
接続して同じ曲を聴いてみたところ…そこには別世界があった。
もうそういう表現しかできないぐらいの違いがそこにあったのである。
女性ボーカルの艶っぽさも今まで以上に明確に聞えてくるし、息づかいまでもが明確になっている。
比較対象が必要ならこんな表現になるか?
私が自宅で使っているShureのSRH940クラスの音がそこにあったのである。

もちろん、大きなドライバーユニットを持つShureのSRH940の方が音のクラスは上だとは思うが、それに肉薄できるだけの音の幅をXBA-H2は持っているように思う。
ただ、一つだけ苦言を呈すなら、低音が響きすぎるという事か。
やはり13.5mmの液晶ポリマーフィルムによるダイナミックドライバは、相当に強力だという事かもしれない。
BAドライバの音もちゃんと聞こえるが、低音が響き過ぎる感じがしてならない。
もちろん、それがマズイ結果を引き起こしている、という事ではない。曖昧になっていた低音のただ響くだけの音が、明確な個性を持った結果、聞えてくる情報量が圧倒的に増えたために、私がそう感じているだけかもしれない。

臨場感の広さは、ライブの音を聞けばより強く感じるかも知れない。少なくとも今まで私が聴いてきたインナーイヤフォンでは、ここまでの場の広さを感じたものはなかった。

さらに上級機のXBA-H3もある

このXBA-H2には、さらに上級機のXBA-H3が存在しているが、コイツは16mmの液晶ポリマーフィルムによるドライバーユニットに、さらに一つ多い3個のBAドライバが内蔵されているというから、このXBA-H2以上に広がりのある空間を耳元に再現するのかもしれない。

ただ…私にはそれだけの性能はまだ不要かな、と感じる。XBA-H2でも十分だと思うし、そもそもXBA-H3で再生させるだけの音源ソースを持ち合わせていない。
XBA-H3はハイレゾ音源対応のソースでないとその真価は発揮されないと思う。
DSDという規格や、いろいろな独自規格で従来の音よりも上級の音を提供しつつあるのが今の音楽トレンドだが、もう少し一般的にならないと音源の価格もまだ高いし、当然それらを再生する周辺機器の価格も下がらない。
まだ私には時期尚早という気がしている。
だから私はまだその手のものには手を出していないのだが、今回の件で、今の私にはまだXBA-H2でも十分だと感じたし、音源ソースも従来のものを使い、それらを如何に良い環境で再生するか、という模索の仕方をしていきたいと思う。
ま、数年後には違う事を言う事になるかもしれないが、今はコレで十分である。

それなりに満足するには何を買えば良い?

よく私も質問を受けるのだが、お金はそんなにかけられない、でもソレなりに良い音が欲しい、という人は何を買えば良いのか? と訊かれる。
どこまで予算を出せるのか? によって、オススメできる環境も随分と変わるのだが、まずアップグレードしていく上で順序というものがあると私は思っている。
ここ最近、ポータブルアンプなど高級志向のデバイスも一般的になってきているが、まず最初にやるべきは絶対にスピーカー、もしくはヘッドフォンを変えるという事。
これで目的の半分以上は達成できるはずだ。これが変わるだけで、今まで聴いていた音が嘘みたいに変わる事を実感できる。
仮に、モバイル環境の音と仮定するなら、まずインナーイヤフォンの購入をお勧めしたい。
それも、BAドライバーではなく、ダイナミックドライバーのインナーイヤフォンである。
BAドライバーは低音が弱いため、音は繊細になるが迫力が欠けて聞こえる傾向にある(もちろんちゃんと聞えるというケースもある)。
しかも価格はダイナミックドライバーの方が安い。同じ価格ならダイナミックドライバーの方がモノが良いという事だ。
そして自分でイヤフォンによって音が変わる事を実感し、その音で満足できなくなったら、次はもう少し上級なインナーイヤフォンへとアップグレードし、その次くらいにようやくポータブルアンプの登場で良いと思う。

それに使い方によっても選ぶものが変わってくる。
電車移動で周囲のざわめきが気になって仕方が無いというのを何とかしたいというなら、もう使えるヘッドホンはノイズキャンセル対応のものに限られてしまう。でも導入後に恐ろしい程の効果を感じる事ができるはずだ。それで音の良さを実感できるのだから、それでも目的は達成できたと言える。
ノイズキャンセルよりも音そのものの質を向上させたいとなれば、先程の手順でまずヘッドホンをアップデートしていく事で音は効果的に変わっていく。
その結果で、その時の音に満足できなくなったらポータブルアンプへと向かっていけばいい。

ダイナミックドライバーのインナーイヤフォンは比較的価格が安いので手が出しやすい。
価格として1万円も出せばミドルハイレンジの製品と言えると思う。
1万円半ばくらいがミドルハイレンジとして最上級という感じか? ここらへんはメーカーにもよるし、聴く側の耳のスペックにもよる。

というわけで、まず手軽に始めたい人は、ヘッドホンからの購入を勧める。
インナーイヤフォンタイプをオススメしているのは、偏に音漏れに強いから。良い音をちゃんと聞きたいと思ったら、音量もそれなりになってしまう。その時、音漏れがもっとも少ないのがインナーイヤフォンだと私は思っている。イヤーピースさえ合っていれば、音漏れはほぼカットできるだろう。
インナーイヤフォンの個人的にオススメなメーカーは実はSonyで、その次くらいがオーディオテクニカ。価格が安いし、それでいてそれなりの音が出る。最上級仕様でないのなら、入手性とデザイン性で選んでしまっていいと思う。
昨年、impressのAV Watchで紹介されていた、ダイナミックモーションのDM008も性能・デザイン共に良いモデルだと思う。

音の世界

ハッキリいって、どれだけお金をつぎ込んでも行き着く所がない世界である。
自分がどこで満足できるか?
多分そこが一つの終着点である。その終着点の先を見るか見ないかは本人次第。
常に先を見る人は、おそらく永遠に行き着くことのない終着点を見続ける人である。
だから予算など湯水の如く。
そんなマネができない人は、満足できるポイントを早く見つけるに限る。
私の場合はそれなりの価格の所まで行ってしまったが、最近はこの程度でいいや、という所が見えてきた。
自分の耳でもっと良い音を聞き分けられるとは思ってはいるが、自分で楽しめる音のラインが見えてくると、それ以上を聴いてもそこから受け取るメッセージを受け取れない…というか、受け取る必要がないように思えてくるのである。
これが仕事だったら、もっと追求してやろうとか思うのだが、何よりお金が絡んでくる事だけに、見えてきたラインで妥協するという事もしないと、それこそ湯水の如くである。
なので最近では低価格なアンプやDACでどこまで聞えるかを楽しむ事の方が多くなった。
それが雑誌付録のアンプなどになるわけだが、そういう楽しみ方の方が、聞き分けるという事がハッキリできて面白いところでもある。
イキナリ良い音を聞いても、ほとんどの人はそれが良い音だという事に気づかない。でも原音を再現する事の難しさというものを知っている人は、原音と同じ音にするためにどれだけの努力とお金が必要かを知っている。
それほど、音の世界は深く、難しい世界である。
だからほどほどに妥協する事が重要だと思う。

なので、それなりでいいやという人は、それなりの価格のヘッドホンから入るべし。
それで満足できるかどうかで、あなたのサウンドライフが変わっていくのだ。
お試しあれ。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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3 Responses

  1. bookmarked!!, I love your site!

  2. WI より:

    Thanks for finally writing about > Angel Halo | 2014年新春の買い物 < Liked it!

  3. アバター画像 武上 より:

    前2件のコメントはスパムコメントではないかと悩みましたが、とりあえず掲載しました。

    気に入って戴けて何よりです。

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