パンケーキレンズ

小型で取り回しが楽なのはいいのだが…

補正ありきのレンズ

パンケーキレンズと呼ばれるレンズがある。
言葉の通り、パンケーキのように前後長が短いレンズで、小型軽量をウリにするレンズである。
通常、コンパクトカメラなどは意識する必要はないかもしれないが、レンズ交換式カメラだと、取り回しを良くしたいと考えれば、自ずとこのパンケーキレンズを選ぶ事になる。
ところが、パンケーキレンズというのはそもそも光学特性が余りよろしくない…と書くと語弊があるわけで、説明がとても難しいのだが、前後長が短い以上、光学特性が良くなるハズもなく、特に歪曲の問題が大きく出る。
なので最近のレンズ交換式のデジカメは、パンケーキレンズを使用する際にはデジタル補正で歪曲を補正してしまうように作られている。というか、補正しないと画が樽型に歪んだりするワケで、意図的に歪曲した画が撮れるフィッシュアイレンズ(魚眼レンズ)でない限りは補正するのが通例である。
問題は、その樽形になる度合いがどの程度なのか? という事と、デジタル補正した後にどう見えるのか? という所が問題で、パンケーキレンズはその修正される所までを含めて考える事になる。
よって、良レンズとそうでないレンズで結構差が出たりする。

候補は4つ

私がパンケーキレンズを欲するのは、セカンドカメラとして使用しているE-PM2に装着する為である。取り回しを楽にするのを最大の目的としている関係上、小さければ小さいほど良い、という事になる。
ただ、ココで人間の欲が出る。
大きさがちょっとだけ大きいぐらいなら、より綺麗に映る方が良い…そう思い始めると、レンズ選びにもいろいろ迷いが出てくる。
もしE-PM2に取り付けるなら…候補は4つ。
パナソニックのLUMIX G 14mm F2.5か、同じくLUMIX G 20mm F1.7か、あるいはM.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8、同じくM.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8である。
この内、パナソニックの2つは選ぶ基準さえ決まってしまえば迷いはなくなる。画質を採るなら迷う必要も無く20mmに決まってしまうからだ。14mmが20mmに勝てる部分は、価格が安いこととAF速度が早いという事のみである。もちろんAF速度が速いというのは利点ではあるが、それによって周辺光量が落ちるという弱点を補えるわけでもないし、より大きな歪曲補正をなくす事もできない。
よって、パナソニック製レンズなら、私の場合は迷わず20mm F1.7を選ぶだろう。価格は倍以上違ってくるが…。
そしてもう一つのM.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8と同F1.8に関しても、パナソニックの2種とほぼ同じで、明るいF1.8の方が画質は全然上である為、方針さえ決まれば自ずと答えは出てくる。もちろんF1.8の方が有力である。
問題はLUMIX G 20mm F1.7とM.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8の比較。
17mmと20mmという焦点距離の違いは…もちろん影響はある。35mm判換算で34mmと40mmの違いは、立ち位置としても数歩違ってくるし、それだけに画角も変わる。ただ、私の撮影の根本的な部分であまり広角よりの撮影を好まないところがあるため、LUMIX G 20mmを選んだ方が好みの画角になりそうな気はする。
コストは…実はLUMIX G 20mmの方がオークション等では若干有利かもしれない。どちらもキットレンズでもあるため、オークションでは安目に出品されているが、LUMIX G 20mmの方が若干有利だ。
だが、折角画質に迫ったのだから、そちらを比較したいという気持ちもある。だが、そもそもパンケーキレンズの画質には自ずと限界があり、その限界が解っている段階で選んでいるのだから、画質最優先とするなら、そもそもパンケーキレンズという選択肢自体がオカシイ事になる。
となると…コストも含めて再考察すると候補から消した2種も再び検討する事になるわけで、そうなると決着が付かない事になってしまう…。

それでも答えは必ず出る

だがしかし!
4つのレンズに違いがあって、なおかつパンケーキレンズという携帯性を実現したい、となると、この中から選ぶしかないワケで、結果として携帯性と画質のバランスで答えを見つける事になる。
一般的に、パナソニックの神レンズと呼ばれるLUMIX G 20mmは、パンケーキという大きさをでありながらなお、素晴らしい画が撮れるという事で評判は高い。
なので、最初の選択肢と同じく、LUMIX G 14mmではなく20mmが候補になる。そもそも、明るいレンズはそれだけで正義! という人がいるぐらいだから、F2.5とF1.7なら、ここは迷わずF1.7の20mmである。
同じくOlympusもF1.8を選ばない理由はない。つまり、先程の取捨選択と同じだ。
問題はメーカーを超えた選択である。
だが、ここで一つの指標となるのは、その大きさと解像度の評判である。
OlympusのM.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8は、実はパンケーキと呼ぶには多少大きい。長さが結構あるのである。しかも画質に関してもあまり良いという評判ではない。まぁ、これはパンケーキレンズと比較した評価ではないため、実際に比較すればサイズの大きいOlympus製が有利かもしれないが、そもそも大きさがパンケーキより大きいのであれば、あまり選ぶ意味がない。
何しろ、私はLEICA DG SUMMILUX 25mm F1.4 ASPH.を所持しているのだから。
となると、やはり答えはLUMIX G 20mm F1.7という事になる。
総合バランスを見て考えての結論としては妥当であろう。コストはちょっとムリしているが。
あれ?…何だ、答えはちゃんと出るじゃない(爆)

問題の価格は…

もちろん、このパンケーキレンズの候補においての取捨選択には、そのコストも視野に入れている。
できれば2万円以内…というのが理想なのだが、多分その価格に納める事ができるのはLUMIX G 14mm F2.5のレンズかM.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8のみ。しかもオークション等を利用して、の話である。
神レンズLUMIX G 20mmとなると、オークション価格の平均でみても2万円ちょっとという価格になるため、その価格で歯止めを掛けるつもりでオークション狙いでゲットするしかない、と結論を出した。M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8は完全に眼中に無い結論である。
ただ、レンズというのはレンズ本体だけを購入しても、他にプロテクトフィルターやらレンズフードやらいろいろと付属品がついて回る。
当初、パンケーキレンズだからフードとかも不要かな? とも思ったが、取り回しが良い分フード等、光学的な目的以外のガードという意味で、フィルターやフードが必要になってくるワケで、結局レンズだけの価格に収まるなんて事はまずありえない。
まぁ…最初から分かっていた事とは言え、想定していたよりも高い買い物になるかもしれない。さて、どうしたものか?

弱点も知っておく必要がある

神レンズLUMIX G 20mm F1.7にも弱点が2つある。
パンケーキレンズは、その大きさそのものがネックになって、全てにおいて問題がクリアできるレンズではない。
で、その弱点とは、巷でも言われている「AFが遅い」という事と「フォーカシングがうるさい」というもの。
正直、音に関して言えばLEICA DG SUMMILUX 25mm F1.4 ASPH.でも結構なメカニカル的な音が出るので、あまり問題という認識ではないのだが、問題はAF速度。
どこまで遅いんだろう?
まぁ、スナップ目的とは言え、決定的瞬間を捉えるつもりならE-M1の出番となるため、おそらくは問題のないAF速度だろうとは思うが、ほとんどの人のレビューで「AF速度が遅い」という記載がある為、この辺りは用心が必要かも知れない。

このような弱点があるにも関わらず、最終的にはLUMIX G 20mm F1.7を選択する事になるのは、やはりそのパンケーキというサイズでありながらF1.7という明るさを持ち、高画質だという事に尽きる。
評判として上々なのは、このバランスによるところなのではないかと思える。

そしてオークション

そんなこんなで、LUMIX G 20mm F1.7に的を絞った。
なので、ヤフオクでブツを選び、価格変動を見ながらいろいろ検証した結果、コレと思えるものが出品されていたので、いざ入札。
だがここで私らしからぬミス。

想定していた価格より高い価格で入札しちまった(核爆)

今まで私はナニを悩んでいたのか?(-_-;)
結果として…そりゃ落札するわなぁ… orz
まぁ、大きな損害という程ではないのだが、予定より出費が嵩んだ事は間違いない。
悔やんでも仕方が無いので、とりあえず新しいレンズに出会える事をヨシとして、品物の到着を待ちたい。

さて…パンケーキレンズの運用方法も考えないとな。
プロテクトフィルターやフードはどうするのか?
そもそもフードを付けてパンケーキってどうよ? とか…。
まだまだ先は長そうである。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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2 Responses

  1. ruser より:

    遂に20mmF1.7行きましたか!
    あのサイズは魅力的ですよね。

    私もE-M10用広角レンズを探していた時に、候補の一つとして考えていました。
    結局LEICA15mmの柔らかい描写にズドンと撃たれて買ってしまったわけですが、フードコミにすると結構かさばります。
    コンデジサイズのE-PM2に着けると、やはりポケットサイズにはならないので、パンケーキにしたのは正解だと思います。
    レンズを選定していた時、フードも検討してましたが、やはりパンケーキレンズ最大の利点である薄さを重視するべきだと考えました。
    結果、20mm買うならフードはこれだろうと選んだのが、エツミのインナーフード(フジツボフード)。

    http://www.amazon.co.jp/エツミ-レンズフード-メタルインナーフード-G20mmF1-7-E-6309/dp/B003YR4AX4

    20mmF1.7用もあります。
    ただ、サッと外せるキャップがあるとか無いとか評価されてたので、丁度良い摘みキャップが無いかを調べた方が良さそうです。

    • アバター画像 武上 より:

      LEICA DG SUMMILUX 15mm F1.7 ASPH.も考えたのですが、そもそもの目的は小型化だったため候補にはいれませんでした。
      ま、価格的にもムリだったんですが。

      エツミのインナーフードは検討してましたし、実際に購入もしましたが、光学性能は期待できないし、意味そのものがあるのかが実に微妙。
      なのでそもそもフードなしという手段もあるかな、と思ってます。
      だって…みんなコンデジならフード使わないでしょ?w

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