NieR:Automataプレイ感

人とは一体何なのか?

イキナリの驚き

NieR:Automataを購入したという話を数日前にBlog記事とした。
その時はまだ未プレイで、体験版のみをプレイしただけの状態だったのだが、その後製品版をプレイし始めたので、改めてNieR:Automataについて触れたい。
触れたい…とは言ってみたものの、実はNieR:Automataは語るに難しい作品でもある。
この独特の世界観は実際に画面を見ないと分からないし、雰囲気は流れてくるBGMを聞かないと感じる事ができない。
だから“伝える”という事がとてつもなく難しい作品であり、ちゃんと知ってもらうにはプレイしてもらうしかない。
そういう前提でしか書けないため、大変申し訳ないが今から書く内容は、多分プレイ経験者でないと理解できない事を先に言っておく。
それと…今回は序盤のネタバレが満載なので、全く予備知識を入れたくないよという人は、ここまでで止めておくことをオススメする。
もっとも、ホントに序盤の序盤しか触れていないので、あまりネタバレという程のものではないかもしれないが。この世界観はスゴイNieR:Automataの体験版をプレイし、一通り終わらせた人のほとんどは、体験版が序盤、それもオープニングの序章とも言うべき立ち位置にあった事を最初から予見できていた人は少ないのではないかと思う。
何故なら、体験版のラストはある意味「自爆」であり、仲間であるはずの9Sと共に2Bが大爆発を起こして終了するからである。
私も初めて体験版をプレイした時は、体験版だからオリジナルのストーリーを持ってきたのか、とさえ思っていて、まさかこれが本編に入ってくるとは…と、逆に製品版をプレイして驚いた。

序盤で死ぬ

序盤は、イキナリ地球降下作戦が開始されたところから始まり、主人公たる2Bはその一人として作戦に参加しているところから始まる。
飛行ユニットを装備し、空を高速で飛行しながら目的地に向かって飛んでいるのだが、パッとみた感じ、このあたりは縦スクロールシューティングゲームのような流れで進んで行き、次々と出てくる敵を撃墜していくわけだが、大型兵器からの巨大ビームによって、仲間が次々と撃墜されていき、そのウチ隊長機までもが撃墜され、隊長権限が2Bに移行した時には、既に仲間は誰一人おらず、2B単機で目的地まで飛行するという流れで進んで行く。
2Bは任務遂行が難しい事をバンカー本部に伝えるが、本部からは目的地の地形確認等をするように命令され、2Bは結局目的地の廃工場まで行くことになる。この時、廃工場の壁に激突するのだが、その激突して廃工場内に突入したところで、体験版のシーンへと続いていく。
後のストーリーは体験版のとおりで、最終的には超巨大兵器との戦闘になり、そこで9Sは致命的なダメージを受け、また2Bも何とか超巨大兵器を破壊する事に成功するが、結局その場に超巨大兵器がさらに3体現れ、2人は結局そこで自らのブラックボックス(生体コアのようなもの)を反応させ、周辺一帯を大爆発させる決断を下す。
これによって、2人は死ぬ事になるのだが…軌道衛星上のバンカー本部で2Bは目を覚ます事になる。
この物語はアンドロイドの物語。つまり、死んでも身体は復活できるのだが、復活時の記憶はバックアップされたところまでの記憶で蘇る。
結局、2Bは死ぬ直前までの記憶を持ったまま生き返るが、9Sは2Bの記憶のバックアップを優先したため、自身は降下作戦後に2Bと出会う前までの記憶しか持ち合わせていなかった。
この2Bと9Sの記憶のすれ違いという所にも、この物語の切なさが表れているところである。
NieR:Automataという作品は、こうした人らしい部分のすれ違いや、ココロとは何か、という部分を真剣に考えさせるところがある。
人に限りなく近い姿をしているのに感情を出す事を禁じられているアンドロイドと、人とはかけ離れた姿をしているのに人のような感情を持って集団で生きる機械生命体。
果たしてどちらが人らしいのか?
また、人でないものが人のために戦い続ける世界で、いつまでたっても表に出てこない人は、果たして人間らしいココロを持っているのか?
おそらく、この人の心という部分に、このNieR:Automataという作品の核心が見え隠れするのではないかと思う。

デモ版の場所に戻る

製品版を進めていくと、デモ版で超巨大兵器と戦った廃工場跡に向かうサブクエストが発生する。
もちろん、デモ版だけでなく、序盤でも進んだ場所なので、デモ版をプレイした事がある人ならばこれで3回目の廃工場行きなわけだが、今回の3回目は、序盤に通った時のギミックが適用された形で残っている。
たとえば、ショートカットの道を開けていれば、今回のサブクエストではショートカットが開いた状態で進むことができる。但し、今回のサブクエストでは進む順番は逆順になる。
つまり、超巨大兵器と戦っていた所から2Bが強制突入した場所に戻る道順になる。
ある程度の敵は復活しているので、気をつけて進むことになるが、そこで失われたアイテムを回収する事ができるので、ぜひとも廃工場には戻りたいところである。
このゲームは、途中で死ぬとその場にアンドロイドの遺体が残り、同時に一部のアイテムがその場に残される。それを回収せずにもう一度死ぬと、元あった遺体が所持していたアイテムを全て失う事になる。なので死んでも復活はできるが失うものもある、と考えておかないと、結構痛い出費になる。
また、オンライン通信を許可していると、マップ上で倒れた他プレイヤーの遺体が表示される事があり、それを回収すると回収された側にも回収した側にもある一定の恩恵がある。
このオンライン通信はPlayStation Plusに加入していなくても通信するため、PS4がネットに繋がっている人は積極的に通信可能にしておいた方が良いだろう。
廃工場に入ると、結構な数の遺体を発見する事があるので、回収して自らを強化しつつ進むのも悪くない。

周回プレイ

ココからは私の体験というよりは、これから体験する事になるであろう事を書く。
実体験ではないので、多分に予測が入った話である。
このNieR:Automataは、基本1回クリア下からと言ってストーリーの全てを知る事はできない。
このあたりは、前作のNieR Replicantと良く似ていて、周囲を重ねる毎に隠されていた秘密が徐々に開示されていく。
つまり、1度目のクリアでは謎に終わる事でも、周回を重ねればその謎が解ける事もあり、またより大きな謎が生まれたりする。
それと、プレイする視点を変える事もできるらしい。何時もなら2Bをプレイキャラクターとして動かすのだが、周回プレイでは9Sを操作する事もでき、さらに謎に包まれていたA2というプロトタイプが登場し、A2を操作できるようにすらなれるらしい。
つまり、主人公が違う事で見えてくるものが異なる、という事であり、その事でより作品の幅を広げる事ができるようになっている。
おそらく、数回周回させる事で、プレイヤーの大部分は本作のストーリーに相当のめり込んでいくハズである。
私自身、これから先の謎がどのようになっていくのか興味津々であり、早く進めたいという気持ちもあるのだが、NieR:Automataは元々オープンフィールドを使った自由なプレイができるタイトルであり、そこには多数のサブクエストが点在する。そうしたサブクエストもプレイしていきたいと考えると、実にできる事の数は多く、早く進めたい気持ちがありつつも幅広くプレイしたいという葛藤で悩む事になる。
こんなに多彩な悩み方をするゲームはホント久々である。
FF14はゲーム本編で悩む事は一切ないが、NieR:Automataは内容にも悩むし、進行にも悩むほどの魅力をたくさん内包している。
NieR:Automata未プレイの人は、ぜひともこの葛藤を体験してもらいたいものである。

DLCは多分ない

このようにシナリオに変化が多い本作は、おそらくDLCによるシナリオ追加とかは期待できないと思っている。
周回する事で開示されるストーリーが多く、またその選択肢で体験できるストーリーが分岐する作品なので、後付でシナリオを追加する事そのものが、相当難しいと考えられる。
今の所、DLCは携行兵器(実際には管理デバイスらしいが)のポッドのスキンぐらいしかなく、形そのものを換えるスキンが2~3種、あとはカラーリングを換えられるスキンが6種程度(ほとんどが店舗特典か雑誌掲載コード)のみである。
個人的には、折角PS4というプログラムを追加する事が可能なデバイスでのゲームなので、追加シナリオがあると嬉しいとは思うが、前述した通り、元々のシナリオが多彩に変化する内容なので、そうした追加要素で楽しむという事はあまり想定されていないのかもしれない。逆にあればスゴイ事ではないかと思う。

アクション苦手という人も

まだホントに序盤しかプレイしていないので、何とも言えないが、私自身もアクションゲームは苦手である。
特にパターンを覚えて攻略するゲームなどは、そのパターンを覚えきるのが苦手で、どうしても感覚で動いてしまうところがあり、シューティングゲームもアクションゲームも苦手である。
だが本作はそんなアクションが苦手な人でも簡単にプレイできる機能が搭載されていて、オートアクション系の機能を使えば、ただコントローラーをガチャガチャやっているだけでも派手なアクションで敵と交戦し、ゲームとして成立させる事ができるので、そうした苦手という人たちにもプレイできるという事を言っておく。
あまりにも華麗な動きを自動でやってしまうので、おまかせモードみたいな感じにも受け取れるが、本作のシナリオはこれで間違いなく堪能できるので、是非とも多くの人に体験してもらいたいものである。

何だか宣伝めいた内容になったが、久々にストーリーの奥深さが面白いと感じる作品に出会ったように思う。
独特の世界観で、楽しく明るいストーリーとは決していえず、場合によっては鬱展開なストーリーになるかもしれないが、最初から「人とは何なのか?」と考えさせられる展開は、哲学的でもあり深い意味をもって内容に入っていけるゲームではないかと思う。
ああ、最後に書くが、おそらくそのシナリオのテーマをより深く感じる事ができるのは、ものすごく秀逸なBGMのおかげかも知れない。
NieR Replicantの時もBGMは絶賛されていたが、NieR:Automataも素晴らしいBGMでプレイに味を添えてくれる。それを目的にしても良いぐらいの出来なので、そういう方面に興味のある人もぜひ体験してほしい。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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