ローエンドGPU

NVIDIAからPascalコアのローエンド発売。

必要性が問われる?

NVIDIAから、Pascalアーキテクチャのローエンド向けGPU“GeForce GT 1030”が発表された。どのレベルで必要になるのか…市場での価格は9,000~10,000円前後で、GIGABYTEやMSI、ZOTAC、玄人志向などから発売開始される。
これらのメーカーから発売される製品のほとんどはロープロファイル仕様のカードで、唯一MSIから発売される製品のみ、DisplayPort端子を持つ。
スペックとしては、CUDAコアを384基搭載し、コアクロックは1,227MHzを基本に各製品で幾ばくかのクロックアップが行われている。搭載メモリはGDDR5で、容量は2GB、クロックは6,008MHz程度である。
TDPは30Wで、ここから予想される性能は、CPU内蔵GPUよりは演算性能は上だがミドルレンジGPUと比較するとかなり性能は落ちると考えられる。
内蔵GPUでは物足りないが価格的にそこそこの性能が欲しい、といった人を対象にした製品と考えられる。
ただ、現在のCPU内蔵GPUの性能もそこそこの性能を持つ事を考えると、まずこのビデオカードの必要性に疑問を感じる人もいるのではないかと思う。

接続端子次第では有用かも…

この“GeForce GT 1030”だが、もし搭載できる端子がPCI Express x1などであれば、場合によってはものすごい有用性があるかもしれないが、前述したメーカーから発売される製品は、全てがPCI Express x16スロット用になっている。
流石にフルサイズのPCI Expressスロットを要求するとなると、用途的にちょっと…と感じる人もいるかもしれないが、もし前述したようにPCI Express x1スロットでの搭載が可能だったりすると、Mini-ITXよりさらに小さいプラットフォームで、PCI Express x1スロットのみ搭載するような場合は、その場合でも利用する事ができるため、使用状況の幅が広がることになる。
もっとも、通信帯域の問題でx1スロットへの接続というのはあり得ない、という話になるのかもしれないが、ローエンドレベルのGPUなら実現して欲しい話であり、またそういう製品を発売して欲しいところである。
ただ、ローエンドと言っても年々その性能は向上しているので、今の規格ではデータ速度が追いつかないのかもしれない。

このレンジは長期に渡って“GeForce GT 730”が市場を占めてきたが、ここにきてようやく“GeForce GT 1030”に置き換わることになる。
AMDはこのレンジに製品を投入するのかどうかはわからないが、AMD的にはAPUがそのレンジを担うと考えているのかも知れない。
高性能はいらないが少しだけGPUパワーが欲しいという人は、新たに発売される“GeForce GT 1030”を検討してみてもよいのではないだろうか。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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4 Responses

  1. アバター画像 A77777 より:

    ローエンド製品でありながら、約10000円という価格はどうかと思います。
    あと2000円足せばGTX 1050が買えてしまいますし、ローエンドということであれば、8000円未満が妥当でしょう。
    それに、前世代モデルであるGT 730は、最安モデルで6000円程度で買えてしまいます。
    なぜGT 730の後継がこんなに高値なのか、理解できません。

    • アバター画像 武上 より:

      MSIのGeForce GT 730の2GBメモリモデルは発売時には9,000円弱の価格で登場したようです。
      まだ出たばかりなので、この価格なのではないかと思いますが、年々ビデオカードは価格が上昇しているという事実はローエンドに限らずの話ですね。
      おそらく、しばらくすれば値ごろ感が出てくるのではないかと思いますが、出始めって事ではないかと私的には思います。

      それに、ローエンドモデルは昔ほど売れないという事実もあります。
      今やCPU内蔵GPUで十分という人々もいるので、相対的に売れる数が少ない=製品単価が上がり気味という図式なのかも。

  2. アバター画像 supersense より:

    日本では発売されていない MSI のファンレスモデルを、
    amazon.com で $69.99 で購入しました。

    確かに登場初期は GTX1050 も結構安かったですけれど、時が経つにつれて価格がこなれるどころか、じわじわ上昇していますね。(メモリーやSSDもですが) GT1030 は初物価格から少し下がりましたから、妥当な感じに落ち着いてきたかと思います。

    GT730 に比べて高い、ということですが、GT1030 は GTX650 を超え、GT750 に少し劣る程度と、GT730 とは相当な性能差があります。むしろこの性能差でこの価格差で済んでいるなら、相当お買い得なような。

    さて、GT1030 の存在価値については、これはずばり GeForce 210 と同様に映像関連機能だと思います。HDMI 2.0 の対応や H.265/HEVC 10bit や VP9 といった新たなコーデックのハードウェアデコーダーの搭載、それに 4K/60p 対応という点ですね。
    YouTube が Flash から HTML5 に移行し、コーデックも VP9 に切り替えていますから、これらに対応しない Skylake 以前の CPU ではビデオカードの増設で対処することが可能です。上位CPU なら CPUデコード でぶん回してもいいのですが、このクラスのビデオカードを検討するような人は、Celeron だったり i3 だったりと、パソコン本体の性能もそれほど高いものではないでしょうから。

    • アバター画像 武上 より:

      御意見ありがとうございます。

      GT730との価格差は、その時代に合わせた製品群の立ち位置で考えています。
      性能差で言えば当然GT1030は過去の製品と比較してそれ相当の性能は持っているのは当然です。何しろ技術世代が違うのですから。そう考えれば、その技術世代を考慮すれば、確かにお買い得といえるでしょう。

      またGT1030の存在意義は、確かに対応するコーデック等を考えればまさしくソコに帰結するんでしょうね。
      言われて納得しました。
      こういう世代に合わせる必要があるからこそ、製品が必要となる人がいるわけで、需要も生まれるわけですから、当然と言えば当然です。

      しかし…時が経つにつれて価格が上がるというのも仕方が無いとは言え、できれば避けたい事ではありますね。
      こういうのは、需要と供給のバランスが崩れている時だけでなく、為替によっても替わってくるので、購入する時期を読み間違えると納得できない買い物になってしまうので、悩みどころです。
      まぁ…性能、価格、時期、普及数などなど、いろんな要素の結果なので、出てくる結果はそのまま受け入れるしかないんですけどね。

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