MMORPGの醍醐味

そこに住むという選択。

生活のある姿

先日もFF14のネタを記事として書いたが、私のFF14のスタイルは私の出来る範囲でのコンテンツ消化というスタイルがずっと続いている。
なので、未消化のクエストなどがまだまだ多いという話を前回しているのだが、そういうやり応えのある重厚さがFF14の魅力である事を否定するつもりはないものの、もっと根底にあるMMRRPGとしての醍醐味を感じさせるところが、私にとってFF14を継続させる最大の理由になっている事を改めて書いておきたい。
MMORPGの醍醐味…とても曖昧な物言いではあるが、これがあるのとないのとでは残念ながらプレイしていても私のハマリ具合は全然変わってくる。
では私にとってのMMORPGとしての醍醐味とは何なのか?
それは「ソコにある生活が見える」という事である。
もちろん、実際に生活しているわけではないのだが、その世界に存在する自分のアバターたるキャラクターが、その世界の中で生活をして生きているという感覚が、MMORPGとしての醍醐味だと思っている。
具体的に何を言っているのか? と思われるかもしれないが、おそらくUltima Onlineをプレイした事のある人からすると、私の言わんとしていることが分かると思う。
Ultima Onlineは、本当の意味でその世界で生活していたと言える作品であった(過去形で語ってはいけないのだが)。
Minecraftが流行り、サンドボックス型と呼ばれるゲームが人気だが、Ultima Onlineもある意味サンドボックス型の部分があり、自分で宅地に家を建て、そこにいろんな素材で家具を置き、ある人は商売したりする。それが出来る世界がUltima Onlineであった。
実際、私もUltima Onlineでは自分の家を持っていたのだが、いろんな素材を録ってきてはそこで商売する、なんて事もやっていた。
今、このような事ができるゲームは、実は意外と少なくて、FF14は限定的ではあるものの、そうした事が可能な数少ないゲームである。
これが私が未だにFF14を継続できている最大の理由であり、その世界で生きているという実感がある事で、継続していけるモチベーションを維持している。

パッチ4.4以降で

この「生活感」という側面でいうと、FF14のパッチ4.4以降からは、よりその世界で生きているという感覚を感じる事のできるコンテンツへと変わっていく。
プロデューサー兼ディレクターの吉田氏は、私と同じUltima Onlineのプレイヤーだったワケだが、やはり私と同じような感覚を持っている。
自宅で他人に魅せるロールプレイの楽しさを知っているからこそ、そうしたハウジング関係の強化が必要と判断しているようで、仮想空間内にアバターを使ったコミュニティを生み出せる環境をFF14の中で作ろうとしている。いや、既に一部のユーザーが今ある制限の中でそうしたコミュニティを作っていて、吉田氏はそのコミュニティに対して公式がいろんな機能を追加する事でより支援していこうという姿勢を見せている。
私が思うに、これこそMMORPGの醍醐味ではないかと思う。
「ソロでプレイしているオマエが言うな」
そう言われるかも知れないが、私もかつては他プレイヤーとのコミュニケーションを取っていたが故に、フリーカンパニーを引き継ぐ事になったわけで、決して最初からずっとソロプレイしていたわけではない。
こうした他プレイヤー達とのコミュニケーションの行き着く先で、生活感を感じる事が出来たなら、そのゲームの楽しさは普通にストーリーを追いかけていくだけのゲームよりずっと楽しくなり、場合によっては自分達だけのストーリーがそこから生まれてくる。
そこまで行けば、この醍醐味と言っている部分は自ずとわかるはずである。

伝説の中古装備

こうしたMMORPGの醍醐味の中で、私が一つFF14に対して希望する事があるとするならば、それは特定でも良いので、中古装備を売買できるようにしてほしいというものである。
世界に一つしかない伝説の武器があったとして、それをあるプレイヤーが使っていたとする。そのプレイヤーから他のプレイヤーにその装備を譲り渡したとしても、今のシステムでは中古装備であるが故に他人とのやり取りができない仕組みになっている。
もちろん、その人が何の脈絡もなく伝説の装備を手放す事はないと思うが、それこそ対人戦においてその武器は勝者の元に行くという属性にしてもいいし、所持者が3ヶ月以上ログインできない状態になったら、その所有者の元を離れ、どこかのインスタンスダンジョンの宝箱の中に配置される…という風にしても良い。とにかく世界に1つしかないという特定の装備にして、人々の手を渡り歩くような装備があると、世界に箔が付くように思うワケである。
この伝説の装備は何も最強である必要は無く、アイテムレベルで制御してもいい。レベル70の人がアイテムレベル30の伝説の武器を持っていたとしても、おそらく見た目しか利用価値がない。なので見た目をコピーしたならば、それは模造品という扱いにしてもいい。まぁ、この場合模造品の方が強いという事になるので、オリジナルはオリジナルである事がわかるようにオリジナルだけ輝く仕様にしてもいい。
とにかく、その世界(ワールド)に一つしか存在しない激レア装備があり、それは人々の手を渡り歩くことができるという仕様を作って欲しいと思っている。
こうした装備があると、ある日突然、とあるユーザーのハウスにいるリテイナーから装備を買おうと思ったら、伝説の装備に出会った!…なんてシチュエーションがあったりして、世界はより深みを増すように思う。

仮想世界だから違う生き方

現実は非情なり。
それが真実かどうかはわからないが、そうした現実から離れ、仮想世界で生きる事で、いつもと違う自分で生活する…それが出来る事が、MMORPGの醍醐味である。
今はそのような事ができるシステムが少ないように思うし、その視点でみればFF14は貴重な存在だと思う。
少なくとも、その世界で生きていく事をもっとリアル化するために、公式でシステムにテコ入れしていこうという事を明言しているので、コンテンツとしてはまだまだ行けると思うし、期待もできる。
5周年を迎え、ようやくその軌道に乗る事ができるようになった、と吉田氏は考えているようだが、私はその部分こそ、コンテンツを長期に渡って維持する要素ではないかと思っている。
今後のFF14の方向性に期待しつつ、より広がるコミュニティが生まれていくことを祈りたい。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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