そんなにつまらないかなぁ…

昨日、紹介した“スティールダイバー”だが、記事を書いた後にさらにネットを見て回り続けたのだが、評判が悪すぎるような気がした。

 確かに人は選ぶとは思う。
 思い通りに操作できない事がつまらなさの原因だとするならば、納得もできる。
 ゲームとしてやり込み要素が少ない、ボリューム感の足りなさを感じるというのも、ある程度は分かる。
 だが、コンセプトとしての面白さを考えたとき、何となく私はネットでの評判が自分自身の感覚と相当にズレているように思えてならない。
 たしかに最初から思い通りに操作する事は難しい。
 その難しさの片鱗が見えるプレイ動画を見つけたのでちょっと紹介する。

(動画はプレイクリア動画に差し替わっています)

動画ではチュートリアルをプレイしていて、結構スゴイ操舵をしている所もある。

 これを見れば、確かに思い通りに動かすのが簡単な事ではないというのが分かるかもしれない。水中での慣性と操作の重さが、機敏に潜水艦を操作できない所を再現しているのだから、そこにつまらなさをつなげてしまえば確かに不満の残るゲームになってしまうかもしれない。
 だが、そもそも潜水艦が戦闘機のような動きをしたり、F1のような動きをする事の方が変なのであり、水上・水中にあるものを操作しようと思えば操舵はかなり難しいものになる。
 このゲームはそこをどう操作して進めていくか? という所に面白さがあるのであり、それを最初から否定してしまって「つまらない」としてしまうと、このゲームの本質を否定してしまっているとしか言いようがなくなってしまう。
 コレ、ある意味ネット上での風評被害みたいなものではないだろうか?
 たしかに個人の感覚の問題なので、これらの評価の全てを否定する事はできない。
 ただ、実際にプレイしてみての感覚と動画などで紹介されているものとで、ニンテンドー3DSに限っては同じ評価はできないという事だけは忘れてはいけない。
 動画や画像では、3D表現が見えないからだ。


このスティールダイバーの視覚的効果は、私個人の感覚から言えば実に良く出来ていると思っている。

 水中での泡の見え方、魚群の動き、爆発etc…それらが立体視にすることで感覚として演出されている所は、見ていて臨場感をちゃんと与えてくれるし、何より綺麗である。
 もしこれがDSiウェアだったらもうちょっと感想は変わったかもしれないが、少なくとも立体視の3DSであれば、その視覚表現だけでも“らしさ”を感じる事ができる。
 これは実際に3DSを手にとってプレイした者でないとわからない感覚である。
 それとこのプレイ動画では動画撮影の為に3DSを固定して撮影している。なので潜望鏡モードでの視界旋回をタッチペンで行っているが、これは実際には3DSを手に持って、右を見れば右の視野が、左を見れば左の視野が表示される。また敵攻撃を回避する潜行はBボタン、魚雷発射はAボタン、潜望鏡ズームは十字キーの上下に割り当てられているため、潜望鏡モードに関して言えばタッチペンは一切不要だ。
 そういう意味では没入感というか、そういったものはかなりあると思う。
 試しにヘッドホン(カナル型イヤフォン)で音を聞きながらプレイしてみたが、臨場感はさらに上を行く。音でも臨場感はソレなりに感じる事はできるし、そうした感覚の問題含めていえば私はもっと評価が高くてもいいような気がしてならない。
 別に任天堂を擁護するワケではないが、否定してしまうほどのつまらなさとは到底思えない。
 確かに物足りなさは一部感じないわけではない。
 例えばもっといろんなマップが欲しいとか、潜水艦の種類を3種よりもっと増やして欲しいとか、3Dでの潜水艦同士の戦闘において、アクティブソナーとパッシブソナーを使い分けてもっと索敵をリアルにしてほしいとか、上を望んで挙げればキリがない。
 だが、そうした複雑すぎる操作を嫌い、あえて今の操作にしている可能性もあるし、マップの種類などに関しても今作では課題としておき、次回に期待する方向もあると思う。
 まずはこのコンセプトを重視すべきだと思うのだが…。
 ま、これは私の感想であり、他者の考えではない。
 ただ、少なくとも面白いと感じる人もいるという事だけ、気になる人には理解してほしいと思った次第だ。
 できれば次回作で、今作の問題となるだろうボリュームやその他システム部分の改良をお願いできればと思う。
 このソフトを気にしている人は、ネットの大多数の意見を受け入れつつ、こういった少数派(だろうと思う)の意見をくみ取って判断してほしいところだ。
 そしてぜひ一度体験できるようならしてみてほしい。百聞は一見にしかずである。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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