やはりゲーム用途に強いのは間違いなさそうだ。
レビュー情報公開
Ryzen 7000シリーズの3D V-Cache搭載製品が2月に情報公開となって後、一番最後に発売されるとされていたRyzen7 7800X3Dのレビュー情報が公開された。
2CCD製品であったRyzen9 7950X3Dや7900X3Dは、高クロックが必要な時は3D V-Cacheが載せられていないCCDを活用し、キャッシュメモリが有効な時は3D V-Cache搭載のCCDを使い分ける事で性能を引き延ばすという手法を採っていたが、これはタスクの振り分けを上手くコントロールする必要があり、それで性能が伸び悩む場合が考えられた。
しかしこれら2CCD搭載製品と異なり、クロックを低く抑えた1CCDのみで構成されたRyzen7 7800X3Dの性能は、どこまで伸びるのかについては、実に未知数と言えた。
大凡の見解では通常時はRyzen7 7700Xの方が性能が伸び、マルチメディア系処理の時はRyzen7 7800X3Dの性能が伸びるだろうと予測は出来ていたが、いざレビューを見てみると、やはりそのとおりの傾向で、ゲームにおいては部類の強さを見せつける結果のようである。
大凡ゲームではRyzen7 7700Xを15~20%ほど性能向上させる結果のようだが、GPUにゆとりがある場合だとRyzen7 7800X3DはRyzen9 7950X3Dに匹敵する性能を叩き出す事があり、そう考えるとコストパフォーマンスは抜群のCPU、という捉え方も出来そうな感じである。
驚きのワットパフォーマンス
ただ、CPUベンチマークの結果で言えば、Ryzen7 7700Xの方が性能は伸びる傾向にある。
これは当初から言われていた事だがやはりクロック依存の性能ではどうしてもクロックと温度に低めの設定がなされているRyzen7 7800X3Dでは、Ryzen7 7700Xには性能は及ばない事になる。
なのでゲームしかやらないといった人であれば、Ryzen7 7800X3Dは最適なCPUの一つと言えるかも知れないが、ゲームはPC使用の比率としては思った程高くないという人は、Ryzen7 7700Xを選択するという手もありそうだ。
省電力性という意味ではRyzen7 7700という選択肢もあるが、こちらは省電力を優先したが故に全体の性能を落としてしまっているので、性能の伸びを気にするのならRyzen7 7800X3Dを選択するのが良い結果を出しそうである。
もう一つわかるのが、Ryzen7 7800X3Dはそのマルチメディア能力に比して、消費電力が全体的に低いという事である。
上限値の温度とクロックが低い事が影響しているのだろうが、得意なゲームベンチマークを動作させていても、そのワットパフォーマンスはRyzen7 7700Xを超えてくる。
こうなると、Ryzen7 7700と7800X3Dのワットパフォーマンスの比較が欲しいところだろう。
発売された後、どこかで比較してくれるといいなと。
価格は71,800円
そんなワットパフォーマンス抜群のRyzen7 7800X3Dだが、その価格は7万円超えである。
Ryzen7 7700Xが現在は47,000円程度で購入できる事を考えると、その価格差は25,000円ほどあり、結構購入時に悩むところがあるのではないかと思われる。
また、Ryzen7 7700との絡みもある。実は現時点ではまだRyzen7 7700の方が7700Xより価格は若干高めで51,600円ほどになる。そうなるとRyzen7 7800X3Dとは2万円ほどの価格差になるので、より高価格なRyzen9にするよりは…と考えてRyzen7 7800X3Dを選択する、というのはアリかもしれない。
個人的には興味はあるものの、今から7万円超の買い物はちょっと苦しいところはある。
もう少し価格がこなれてきたら、どこかのタイミングで考えるのはアリかもしれないが、そこまでの性能差ではないので、もし導入するとしても、その理由はどちらかというとその省電力性ではないかと思っている。
その省電力性にしても、現在Ryzen7 7700XをUEFI/BIOSで性能を落として使用しているので、規定よりもずっと低い電力で運用が出来ているので、具体的にはより温度条件が厳しくなってくる夏場にもう一度検討といったところではないかと思う。
3D V-Cacheはやはりゲーム含めたマルチメディア系アプリケーションに強いという傾向は変わらず、その性能は十二分なまでに発揮されるようである。
気になるアイテムではあるが…やっぱり安くはないな…。
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