Category: サイエンス

月食

3つの呼び方が重なると、意味的に不明なところがまた何とも…。

皆既月食

本日午後8時48分、満月が月食を開始した。
同午後9時51分には皆既となり、この月食は午後11時8分まで続いた。
見事なまでの皆既月食で、天候にも恵まれた事から、観測した人も多いのではないかと思う。
今回の皆既月食はちょっと特殊なところがあり、非常に大きなサイズに見えるスーパームーンであり、また1ヶ月で2回目の満月であるブルームーンでもあり、皆既した事で赤銅色になるブラッドムーンでもあるという、ちょっとややこしい合わせ技の満月であった。それ故、NASAでは「スーパー・ブルー・ブラッドムーン」と呼んでいるそうだが、ブルーでありながらブラッドだという、実に矛盾した名前としか思えないのが何とも変な話である。
そもそも月食とは、月が欠けて見える現象の一種だが、月自身が太陽の光によって欠けて見えるのと違い、地球の影で欠けて見える状態を月食という。
地球の影に入ったとしても、月自身は太陽光によって照らされているため、月食は月が真っ黒になるような現象とは異なる。
地球の大気によって、太陽光の内、波長の長い赤色系統の光が屈折・散乱されるため、皆既月食であっても月は暗い赤色、つまり赤銅色に見える。地球に大気などというものがなれれば、そもそも光の屈折が起きないため、このような現象にはならない。

撮影

こうした天体観測をする場合の撮影機材としては、望遠鏡とカメラの組合せで撮影する方が本格的ではあるが、月ほどの距離までの天体であれば、望遠レンズ等で撮影する事もできる。
但し、おそらくは35mm判換算で300mmくらいは欲しいのではないかと思う。
普通の天体と違って、月の場合はほどほどの焦点距離で結構な画になると思われるが、それでも200mm以上は欲しいところではないかと思う。
あとは高感度性能にもよるが、シャッタースピードを遅くして撮影してやれば、イイ感じで撮影はできると思う。
私自身、撮影していないので、どれぐらいの設定値がベストかは記載できないが、ちょっとカメラを触っている人であれば、このあたりはさじ加減程度で調整できるはずである。
…そういえばE-M1を全く使ってないな(-_-;)スーパーでブルーでブラッドなムーン…とりあえず、私がE-M1で撮影する場合、少なくともちょっとした望遠レンズは欲しいところ。
やはり…35mm判換算で300mm、つまり150mmくらいのレンズが欲しい感じである。
今年はそういった方面にも投資できるかが一つの決め手。
…難しいかなぁ。

Li-ion電池リサイクル

新リサイクル方法によって復活のリチウムイオン電池。

今後のリサイクルに期待

米カルフォルニア大学サンディエゴ校が、寿命を迎えたリチウムイオン電池の新しいリサイクル手法を開発したと発表した。

カリフォルニア大学サンディエゴ校 ニュースリリース
http://jacobsschool.ucsd.edu/news/news_releases/release.sfe?id=2454

これによって、希少金属であるリチウムやコバルトの資源リサイクルを促進する事ができ、さらなる採掘を抑制する事ができ、最終的には採掘による水質、土壌汚染を抑制する事ができるようになる可能性がある。
リチウムイオン電池は、最近ではスマートフォン、ノートPC、電気自動車など、バッテリーを搭載するものの多くに搭載されている充電池だが、このリサイクル手法が確立する事で、今後大量に廃棄されるであろうリチウムイオン電池をただ単に廃棄するという事でなく、リサイクルによって全体総量を変えることなく利用出来るようになる。

難しい話

理系的な話になるので、詳しい話は私には無理だが、原理としては以下のような話(文系の私が書くことなので間違ってたらすみません…)。
そもそもリチウムイオン電池は、リチウムイオンの陽極と陰極間の移動を利用した二次電池になるが、この陽極と陰極にはリチウムやコバルトなどの希少金属をカソード(陽極)、グラファイトなどをアノード(陽極)の材料として使用する。
リチウムイオン電池が消耗すると、カソード(陰極)材料のリチウム原子の一部を失い、カソードの原子構造も変化する事で、イオンを出し入れする能力が低下する。
この能力が低下するというのが、所謂リチウムイオン電池の劣化という状態なわけだが、今回発表されたリサイクル方法は、カソード材料(リチウムコバルト酸化物)を回収したあと、リチウム塩を含む高温のアルカリ性溶液中でカソード粒子を加圧し、800度まで加熱、その後、時間をかけてゆっくりと冷却(これを焼き鈍し=アニール処理という)すると、再びカソードが電池材料として利用出来るようになる、という仕組みである。しかも、ここでつかったアルカリ性溶液はカソードの復元処理に使い回す事が可能だという。
実験では、この再生法でオリジナルと同じエネルギー貯蔵容量、充電時間、寿命を持つ事が確認できたという事で、非常に有効なリサイクル方法だという事が言えるという事である。
…何だか難しい話だが、現在開発中の他のリサイクル方法だと、この方法の2倍のエネルギーを消費してしまうため、効率から言えば今回の方法がもっとも優位性があるらしい。
現状では使用済みリチウムイオン電池の内、リサイクルされているのは5%未満だというから、今後この方法が産業規模で最適化されれば資源の節約になるだけでなく、リチウムイオン電池そのものの価格すらも抑えることができると期待されている。

スゴイ研究発表ではあるが、あとはリチウムイオン電池から火災がなくなると良いのだが…こればっかりは使っている元素的かつ化学反応的な問題でもあるだろうから、無理かもしれない。
既に現在の生活を支える上で、リチウムイオン電池はなくてはならない存在であるだけに、このリサイクル方法の登場は非常に重要なものになるのではないかと思う。

4年ぶりの大雪

ここ近年、毎年こんな日があるように思う。

積もり積もって

先週末から雪になるという情報は天気予報などでイヤという程聞いていたが、遂に本日のお昼過ぎから、本格的に雪が降ってきた。
ただ雪が降るだけならいいのだが、今回の雪は見ただけでわかる程“積もる雪”であり、もう昼を過ぎてから見る見るうちに積もりはじめた。
私の近辺でも3時間も経過すると積雪は10cmを超え、私が業務を終える頃には20cm近く積もっていたのではないかと思う。
前々から降雪するという話は聞いていたものの、いざ積もりはじめれば被害は目の前にあり、いつもと異なる対応に追われる事態を好ましく思えず、面倒だなぁと感じるわけである。
特に、今の私は年末からのやけどの後遺症というか、治療が完了しておらず、右足小指にガーゼ等の保護をしている関係から、靴ではなく、サンダル履きという状況なので、こういう積雪は私の今のスタイルから考えても受け入れがたい状況。
仕方が無いので、ちょっと締め付けられる事を覚悟して靴を履いて雪かき&帰宅すると、なんと足が血だらけになっていたという始末…。
どないしてくれんねん!(爆)
運が悪いとはこのことかもしれないが、今回の雪では実害がいろいろな所に波及しそうである。

驚くべき的中率

私が今回の雪の予報で感じたのは、今の気象庁の天気予報の精度が恐ろしく的確だという事である。
おそらく、日本の天気予報の正確さは世界でも有数だとは思うのだが、この的中率を予報精度として気象庁は公式に発表している。

気象庁
http://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/kensho/yohohyoka_top.html

夕方発表の翌日予報において、降水的中率はいまや85%を超え、最高気温の予報誤差さえも1.5℃以下にまで低くなっているというのである。
これを低いと見る人もいるかも知れないが、日本は2014年に打ち上げた気象衛星ひまわり8号(実運用は2015年から)の効果もあって、観測データは実に細かく、またその観測データからの予測は世界的に見ても正確な方なのである。
天気予報というのは、観測データももちろん重要だが、観測データによってスーパーコンピュータがはじき出した演算結果だけでは、その予報は当たらない。その演算結果に、さじ加減とでも言おうか、誤差予測を加え、緻密な予報を組み立てるのである。
この予報の組み立てに関して、日本は古来より積み上げてきたノウハウにより実に的中率の高い予報を可能にしている。
最近の予報の的中率が高いのは、まずひまわり8号の膨大なデータ量もさることながら、はじき出す演算結果の計算速度、そしてその結果へと加味する誤差予測によって成り立っているのである。
そう考えると、今回のような大きく変化のある天気というのは、予報しやすいのかもしれない。
少なくとも、我々日本人は、気象庁の予報によって毎日予測範囲内の活動が可能なっている。まずはその事を感謝すべきではないかと、改めて思ったりする。

それにしても…降るのはいいんだが、積もるのはちょっとねぇ…。
ウチの近辺、積もると溶けないんだよ(-_-;)

E2-DR

ASIMO以外のHONDAロボット。

コッチが本命か?

HONDAのロボットと言えばASIMOが有名だが、ASIMOは人とのコミュニケーションを中心とした用途が多く紹介され、また歩いたり走ったりするデモンストレーションが多いのが特徴で、ASIMOを災害地に派遣してどうにかしようとかいうスタイルは、ちょっと想像が付かない。
しかし、東日本大震災の福島第二原発事故があってから、ロボットは災害時に運用できるものが数多く開発され、また実際に投入され、上手くいったりいかなかったりというのを繰り返している。
ロボットを作っているHONDAからすれば、ASIMOと同等に動けるものを災害地でも使えれば一番良いのだろうが、少なくとも二足歩行ロボットで不整地を歩かせるというのはまだまだ技術的には難しく、また施設内を自由に移動させるには、階段という手段以外にも昇降する為の設備が使えないといけない。
そういう理由なのかは分からないが、HONDAはASIMO以外にもそうした災害対応可能なロボットの研究をしていた。
それが「E2-DR」である。

動画を観ればわかるが、コイツははしごの昇降ができるロボットで、また不整地を四つ足で移動する事が可能なロボットである。

悪条件を考慮

このE2-DRが発表されたのは、カナダのバンクーバーで9月に開催されたロボット産業展示会「IROS 2017」で、まだプロトタイプだという。
リチウムイオン電池を電源としていて、90分の稼働が可能。はしごの昇降、階段の昇降、時速4kmでの二足歩行、瓦礫の上での四足歩行、構造物の隙間を横ばいでの移動、水平方向のプレッシャー(圧力)への耐性、他にも2m径のパイプへの進入、20分程度であれば雨天時での稼働が可能だという。これだけ対応できれば、かなりの災害時対応稼働が可能と言える。
また上半身は180度まで回転が可能なのだが、こうした動作か可能になっているのは、内部デバイスへの通信ケーブルに光ファイバケーブルを採用したからであり、このケーブルは100万回のねじり試験をクリアしているという。
頭部には2基のレーザーレンジファインダーやLEDフラッシュを持つ単眼カメラを装備し、両手にもカメラと3Dセンサーを搭載しているという。
また過酷な条件下で稼働できるよう、摂氏-10~+40度の環境で活動可能で、間接部分は凹凸の隙間を多重に配置したラビリンス構造を取り、汚染物質などはクラリスで排除できるようになっている。
手はASIMOのように人間の手に模したものというわけではなく、簡易的にモノを掴むだけの機能に止めていて、現時点では不明だが今後いろんなアタッチメントが用意される可能性がある。
耐衝撃性という意味ではまだ明確なものはないようだが、転倒しても自力で起き上がる事はできるとしたものの、現時点ではまだプロトタイプであり、今後実用化に向けていろんな改修が行われるだろうと思われる。

Continue reading…

太陽フレアの影響

起きる前は凄い事になっていたが…。

黒点爆発

9月6日、太陽に発生した大きな黒点周辺で大規模な爆発現象が起きた。この爆発の事を太陽フレアというが、この太陽フレアによって膨大な電磁波が地球に放出され、高エネルギー荷電粒子が地球に到達、その影響であらゆる電子機器に影響が出るという話で、爆発前にはちょっとした話題になった。地球を飲み込む大きさの太陽フレア太陽フレアが大きければ大きいほどこの影響は大きく、今回はあらゆる電子機器に影響を与え大事件になるのではないか? なんて話もあった。
そして9月8日には、実際にその電磁波が地球に降り注いだわけだが、9月8日、私は普通に生活をしていた記憶しか無い。
実際には、GPSの誤差が最大で3倍ほどに増大していたようで、通常は東西南北方向で±2m程度、上下方向で5m程度の誤差の所、9月8日には南北で±7m、東西で±3m。上下方向で±15mの誤差にまで増加していたという。
…だが、それでも私は普通に生活していたし、別段問題となるような状況に陥る事はなかった。
もちろん、世界のあらゆる地域で影響は異なるだろうが、私が見聞きしている限り、世界中で今回の太陽フレアによって大問題が発生した、という話は聞いていない。
にも関わらず、事件発生前はまるで電子機器に頼る現在の生活の壊滅的事件が起きるぐらいの話が行われていたわけだが、さて、何故そんな大それた話にまで膨れあがったのだろうか?

太陽の影響

地球に住む人間にとって太陽の影響は計り知れない。
特に四季と呼ばれる日本に住んでいるとよく分かるが、地軸がたった23.4度傾いているだけで、夏と冬の寒暖差が生まれる(実際はそれだけの影響ではないが…)。
実際、太陽から与えられる光量、熱量、放射線量で、地球上の生活環境が激変するワケで、その影響の大きさは侮れないものがあるのだが、今回の太陽フレアの影響は、そうした地球における太陽の影響を考えた際に、起こり得る影響を最大限に過大評価した結果、あのような大きな話に膨れあがったのではないだろうか?
実際は、思った程ではなかったのかもしれないが、今まであまり経験してこなかった事だけに、最大公倍数的な表現になったと考えられる。
実際、太陽フレアの大きさは通常1~10万km程度あり、その威力は水素爆弾10万~1億個相当という話を聞くと、確かにその影響は大きなものに違いない、と考えても無理のない話である。まして今回は通常の太陽フレアの1,000倍の規模になるという話であればなおのことである。
現在の人間社会は、高度に電子機器がサポートする世界だけに、そうした機器に電磁波が影響を与える事を考えると、こうした心配が大きくなるのも理解する事はできるが、あまりにも大きく騒ぎ好きたように思えてならない。
もし、実生活に影響があったよ、という人がいたら、どんな影響があったのか教えてもらいたいぐらい、私には何ら影響はなかった。
GPS以外に、どんな影響があったのだろうか?
ネットで調べて見ると、どうも発生した太陽風の影響で低緯度地域でもオーロラらしきものが観測されたらしい。実際、オーロラとは言い難くでも空が明るくなるような現象が発生し、なんと北海道でもそうした現象が観測されたという。
…結局、現時点ではそれぐらいの影響のようである。

Continue reading…

未来のエネルギー

たまには真面目な話でも。

人が生きる為に必要なモノ

こんな事を言うと私は世間の人から「ロクでもないヤツ」と言われてしまうかも知れないが、私は原子力発電所の稼働に絶対的に反対という人間ではない。
もちろん、メルトダウンがあっても仕方が無いなんていうつもりはない。あってはならない事だと思うし、そこで受ける被害を軽視しているワケでもない。
だが、現代の人が生きる為には“電気”というものは間違いなく必要だし、その“電気”というエネルギーを使って現代の文明は栄えている事を考えると、如何にして安定して電力を得るか、というのは現代の命題のようにも思う。
だから、その電力を安定的に得るための手段として原発がどうしても必要だというのなら、私は原発の稼働も已む無しではなかろうか? と思うワケである。
「お前は原発の近隣に住んでいないからそんな事が言えるんだ」という人もいるだろう。しかし、それはたまたま私がそのような場所に住んでいないからであり、もし私の住んでいる所の隣に原発を作るという話が出たなら、私は多分反対できないだろうと思っている。
この時点で、私が如何に「ロクでもないヤツ」なのかは分かって貰えるだろう。私が生きるには電力は必要不可欠であり、電気での文明を知ってしまった私は、その電気がない生活を予測できない存在である。「サイテーなヤツだ」と言われたとしても、私はそれを甘んじて受けるしかないだろう。
だが、もし安定的に電力を得る方法として、原発以上に安定的かつ安心なエネルギー源があるならば、もちろんそうしたエネルギー開発は最優先事項だと思う。
好き好んで危険を併せ持つ手段を選ぶ必要はない。
選択肢として、安全な道があるなら、そちらを選ぶのが当然の判断である。

核融合

現在の原発で使われている核技術は「核分裂」と分類される方法でエネルギーを得ている。
ウランのような質量の大きい原子核に中性子をぶつけると、ウランの原子核が2つの別の核に分裂し、その分裂の時に核以外に中性子と熱を発生させるが、その熱を利用して発電しているのが原子力発電である。
太平洋戦争時に日本に落とされた原子爆弾も基本的にはこの核分裂を利用したものであり、現在の核技術の基本的な技術と言える。
だが、よく知られている通り、これら核分裂で得られるエネルギーには必ず放射線(放射能)というものが付いて回る。これは避けて通れないものであり、これがあるから安全なエネルギーとは言えない側面がある。
では、もしこの放射線(放射能)の影響が非常に少ない状態で核を利用したエネルギー技術が存在していたら?
それが核融合と呼ばれるものである。いや、正確に説明しようと思ったらもっと詳しい説明が必要になるが、それらは専門家たちに任せるとして、大まかにここでは書いていく。
核融合とは核分裂とは逆で、2つの核原子をぶつけ1つの別の原子核が生まれる過程で発生する陽子を利用したエネルギー技術である。
有名な所で言うと、ヘリウム3という物質と重水素を利用し、そこからヘリウム4と陽子を得る方法で、この方法だとほとんど放射線の影響がないと言われている。
問題はこのヘリウム3という物質が地球上にはほとんど存在せず、太陽から放射されているヘリウム3を蓄積している月の砂などから収集したりしないと大量に得ることができないというところである。
また、核融合を発生させる炉の内部は、核融合時には1億5000万℃にも達し、非常に高い圧力にもなる。この状態だと原子と電子が分離したプラズマ状態となり、原子核も電子もそれぞれが自由に動き回るようになる。そして原子核同士が高速衝突することで新たな物質となる際に、熱や光、電磁波などの非常に高いエネルギーを放出する。これが核融合の基本的な技術理論である。しかし、この反応が続いていくとプラズマ内の高い電界によって電子が活発化しすぎて“逃走電子(Runaway Electron)”と呼ばれる状態になり、安定的反応を継続させることが難しくなる。
つまり、核融合という技術は、今の時点でそのエネルギー源の入手が難しいという事と、制御の方法が難しいという2つの問題を課題として持っている技術という事になる。
ただ、エネルギー源についてはヘリウム3を利用する場合に入手が難しいのであって、他の質量の軽い元素(核融合では軽い原子を利用する)を利用する場合はなんとか地球上でも入手できると言える。

Continue reading…

美しくない!

いや、人それぞれの感性の問題なんだけどさ…。

技術的にはスゴイとは思う

Alphabetという企業、日本ではあまりなじみがないかもしれない。
この企業は2015年にGoogle及びそのグループ企業の持ち株会社として設立された企業で、アメリカの多国籍コングロマリットの事である。
そのAlphabet傘下のロボット開発企業にBoston Dynamicsという企業があるのだが、そのBoston Dynamicsが投資家向け説明会で開発したロボットを公開した。

一目見て「何じゃこりゃ?」と思う映像だと思う。
人馬一体型ロボと形容すれば良いのだろうか…このあたりは命名のしようがないと思うが、四足歩行が出来るだけでなく、二足で立ち上がり車輪で走行できる能力を持つロボットで、そのバランス感覚は素晴らしいものがある事はよく分かる。
しかもこのロボット、ただ走るだけでなく…

ジャンプまで可能というから恐ろしい。
何の為にこのようなロボットを開発したのかはわからない。
“Handle”と名付けられたこのロボットは、説明によると“何らかの道具を運ぶためのロボット”という事らしい。
このBoston Dynamicsという企業は、軍用の四足歩行ロボット“BigDog”や犬型ロボット“Spot”、人型汎用ロボット“Atras”を開発したところで、実用性があるかどうかは別としても技術力だけは間違いなく保有している企業である。
だが、今回の“Handle”はどうみても「美しくない!」と私は思う。これと比較すればHONDAのASIMOが可愛らしく見える。いや、そもそも比較してはいけないのかもしれないが。

Continue reading…

大寒波、来襲

ココ最近、驚異的な寒波に包まれる。

私だけなのか?

ここ最近、妙に寒い。
どれぐらい寒いかというと、本来寒さに強い私が思わず「寒っ!!」と連発してしまうぐらいに寒い。
…どれぐらい寒いか、これじゃ伝わらないな(-_-;)

とにかく寒い。
私の住んでいる所では、朝方は確実に氷点下に入っているし、先日この寒さでiPhoneの充電用Lightningケーブルの被覆が堅くなり、割れているのを見つけるぐらいに寒い。
…劣化が原因かもしれないが、今までのLightningケーブルになる前の30pinケーブルの被覆は堅くはなっていても割れている事がない(要するに曲げたりしていない)事を考えると、やはりこの寒さで堅くなってしまっているのが原因としては50%以上の確率ではないかと考えられる。
当然だが、今までこんな事があった試しはない。
個人的にはそれほど今期の冬の寒さは異常だと思っている。
だが…とある人に聞くと、今年が特別寒いという感じはしないという。
私は昨年から今年の寒さは異常だと思っていたのだが、今年が特別寒いと感じているのは私だけなのだろうか?今年の寒波は予想されていた

調べて見ると…

人間の感覚だけで話をしていると、このあたりは答えが見えてこない。
なので、記録と予測を見てみる必要があるのだが、平年差を見てみると意外な結果が出てきた。
私の住んでいる地域の90日前の平年気温差は、なんと+0.5度と平年気温より高いという結果だった。
60日前平均はというと、こちらも+0.5度と平年気温より高い結果に。
さらに30日前平均は+0.7度とさらに高い事が判明。
…私の感覚の方が狂っているというのか?
だが、やはりというか、ここ20日前平均からの記録を見てみると-0.1度とここにきてようやく平年気温に近い気温になり、10日前平均になると-1.4度と一気に下がる結果に。
そして5日前平均になると-1.5度と徐々に下がっている事がわかった。
つまり、急激に寒くなったのは、今年に入ってからであり、昨年までは平年より高い気温だった事が記録から判明した。
やはり人の感覚というのはアテにならないものである。
そして気象庁は大凡3ヶ月、1ヶ月前の平均気温予想も出していて、それを見ると確率的に平年より軒並み低くなる傾向にあると予想している。
特に東海、関東甲信、近畿、北陸あたりが平年より寒くなると予想している。
つまり、今平年より寒いと感じている事そのものは間違いがなく、そしてしばらくそれは続くという予想にあるとしているのである。
ま、こういう記録や予想というデータに基づくものを見ない限り、正確な事は言えないという事である。
人の感覚はアテにならないというのは、こういう所から見て取れる。

Continue reading…

風を読む

風使いは風を読んで大空を舞う。

尾翼なしの飛行物体

スタジオジブリに登場するものを実際につくる…そういう人が日本全国に結構な数でいたりする。それがラジコンの場合もあればただの模型の場合もある。
一番多いのはもちろん模型で、それを商売にしているメーカーもある。たとえば魔女の宅急便に出てくるキキが居候するパン屋のペーパークラフトだったり、紅の豚に出てくるサボイアS-21という赤い飛空艇だったり、それこそ様々である。
ラジコンとかだと、完全オリジナルでラピュタに出てくるフラップターを制作した医師がいて、版権上の問題から発売はしていないものの、ちゃんと空を飛ぶフラップターが紹介されたりもした。
こんな状態の中、ナウシカに登場する風使いが乗る乗り物である「メーヴェ」を実際に乗れるものとして制作した人の話がある。
八谷和彦氏という人が実際に1/1メーヴェを制作し、実際に飛ばそうというプロジェクトが発足した。
「オープンスカイ」と名付けられたそのプロジェクトでは、小型ジェットエンジンを搭載して実際に人が乗り込んで空を飛ぼうというものになる。
このプロジェクトがどれだけ無理難題かというと、まずメーヴェには尾翼がないため、機体安定がとりにくいという事と、そもそも舵がないため、左右旋回は体重移動で行わなければならないという、パイロットにも相当な技量を要求するものである。
それでも、形状的に飛行可能な形をしていたという事で、映像作品よりは大型になったものの、同じ形状でメーヴェの制作が実際に行われ、数回の飛行テストを繰り返してきた。
このプロジェクトで制作されたメーヴェの飛行イベントが北海道滝川市のたきかわスカイパークで7月31日に行われる「サマースカイフェス2016」にて実施されたという。

飛行速度120km/h

この実物メーヴェ、プロジェクトの中で何度か制作されていて、既に数機が制作されているのだが、2007年に公開された情報によると、最高速度は120km/hにもなるという。
10Lのジェット燃料で約15分の飛行が可能というスペックのようだが、おそらくこのスペックで飛ぶという事は、グライダー的要素よりも飛行機的要素で飛んでいる、という感じではないかと思う。
作中では、ナウシカが風を読んで、その風に乗せてメーヴェで飛ぶという設定になっているが、現実に制作したメーヴェは、低空時の安定性向上の為に大きさも大きく制作しているため、風にのせて…なんて可愛らしい飛び方はしていないと考えられる。
ただ、そうは言ってもグライダー要素もないわけではないし、風の影響は多分に受けるという事だから、一定の空力の上で風の勢いは利用している可能性は高い。
そもそも飛行機は推進力から得た翼の揚力で浮かび上がり、推進力が続く限り重力に逆らい続ける。作中のメーヴェはエンジンを動作させないでも滑空しているので、空力特性が異様に高い乗り物と言えるが、実際には作中ほどの空力はないといえそうだ。
ただ、この形で飛べるという事を実証した事の意味は大きく、八谷和彦氏の活動は評価されるべき活動といえそうだ。

ちなみに、八谷和彦氏はあのピンクのクマがメールを運ぶという「ポストペット」の開発者でもある。レオナルド・ダ・ヴィンチもそうだったが、才能のある人というのは、分野にとらわれる事のない事をする、という事なのかもしれない。

オープンスカイプロジェクト公式
http://www.petworks.co.jp/~hachiya/works/OpenSky.html

真実は誰にも解らない

映画マトリックスのような事を真剣に考えている科学者達がいる。

シミュレーションの世界

映画マトリックス。
1999年の映画だから、もう17年も前の映画になるわけだが、人間がロボットの電力供給用に栽培されている世界の話で、人々が反乱を起こさないように眠らされ、プログラムで作られた夢の世界「マトリックス」で生き続ける事が当たり前になった世界の話。
時折、その夢の世界「マトリックス」に異質なものを感じた主人公は、本当の意味での現実の世界でロボットたちと戦う存在とマトリックスの中で出会い、本当の意味での現実の世界に目覚め、やがてマトリックスを支配する存在と戦う…という映画である。
どういう事かというと、人間が現実と思っている世界が、実はコンピュータプログラムによって作られた世界で、人々はその作られた世界の中に生きている…という事。
仮説でしか説明できない事だが、一部の科学者達が真剣に実はそうなのではないか? と考えていて、「宇宙が実はシミュレーションである」と2003年にオックスフォード大学教授で哲学者のニック・ボストロム氏が提唱したのだが、それに賛同する科学者がいるのである。
バカバカしいと思う人もいるだろうし、ホントにそうなの? と興味の沸くような人もいるかもしれないが、こういう事を真剣に考えている科学者がいるという事実もまた、面白い話である。

GIGAZINE
http://gigazine.net/news/20160413-live-in-computer-simulation/

まぁ…GIGAZINEの記事なので、ゴシップネタぐらいの感覚で読んでもらう方がいいのかもしれないが、この仮説、証明する術がないので、事実なのか非事実なのか、誰にも解らないのである。
ただ、我々が実在する世界にいるという証拠は何もないものの、シミュレーションではないかと思わせる証拠はいくつもある、とニューヨーク大学で哲学専攻のデイビッド・シャルマース教授は言っているようで、他にもメリーランド大学の理論物理学者ジェームス・ゲイツ氏も、物理学者である自分を納得させるだけの証拠がそろっていると語っているようである。

Civilization?

まぁ、この現実世界が実はシミュレーションの世界ではないか? という事が事実だったりすると、ストラテジーゲーム、つまりCivilizationのようなシミュレーションゲームを誰かが遊んでいて、この現実世界はそんな誰かが遊んでいるゲームの世界である可能性も否定できない、という事になる。
その誰かというのが、或いは神であったりするのだろうが、そのシミュレーションゲームの絶対的ルールが、物理法則という事になる。
ただ、その考え方だと、或いはそのゲームにバグがあったりすると、どうなるのか?
よくよく考えると、この現実世界でも時折、科学では説明のできない出来事が起きたりするワケで、それがバグに当たるのだろうな、と思ったりする。
でももっと大きなバグがあったら…そう考えると、途端にこの現実世界が脆いものに思えてくる。

科学者という生き物は、時々ホントにバカげた事を真剣に研究していたり考察しているわけで、私としては、羨ましいやらバカバカしいやら、非常に複雑な思いに駆られる時がある。
ただ、もし今このような考えを持つ科学者達が、現世界がシミュレーション世界であるのかどうかを判別できるようになったなら、それは世紀の大発見を超える、生物の存在意義を一変するような大発見に違いない。
もしシミュレーション世界であったなら…復活の呪文が生まれるのも、不可思議な事ではなくなるのかもしれない。

きまぐれ

トラは哺乳綱ネコ目ネコ科ヒョウ属に分類される肉食獣だが…。

子鹿と戯れるとか…

ネットを彷徨っていたら、面白い画像に出くわした。食べられる直前か?と思いきや…当初、子鹿が襲われる直前の画像だと思ったのだが……様子が変?何か様子が変で…じゃれてる?襲っているという感じではない事が発覚。
何だ、コレ? と思って、その記事を読んだところ、どうも虎はこの子鹿を食用とみていないらしい。
こんな事があるのか? と思ったが、記事によると、トラは発情期で、母性が肉食性を超え、子ジカを自分の子のように感じたのかもしれない、としていた。
果たしてそんな事がありうるのだろうか?

生き残った子鹿

この写真が撮られたのは、インドのタドバ・トラ保護区で、インド・ムンバイ出身のカメラマンがこの写真を捉えた。
タドバ・トラ保護区はインド西部マハーラーシュトラ州最大の国立公園であり、敷地面積は約624.2平方kmという場所である。同地域では2010年の調査報告書によると、43頭のトラがいるというが、今回の写真はまさにその中の1頭のトラの物語。
カメラマンが、メスのトラが鼻で子ジカを優しくなでたりくわえたりする瞬間を激撮できたのは、おそらく相当運が強かった、としか思えない。そもそもこんな事象が起こる事など誰も想像できなかったのだから。
トラはとても楽しそうに見えたそうで、子鹿の隣に回り込み、鼻で子ジカをなでたり、やさしくくわえたりしていたそうである。まぁ…子鹿からすれば生きた心地はしなかったかもしれないが。
しかし、15分後にメスのトラは子鹿を草むらに置いてその場を離れたそうで、結局この子鹿はケガする事もなく、生存したとの事である。
まさに奇跡としか思えないような話だが、写真から見ても分かる通り、このトラからは攻撃性が感じられない。
一体何がどうしてこうなったのか? 結局誰にもそれは分からないそうである。

Continue reading…

蒼いマグマ

ネットを彷徨っていたら出くわした。自然はやっぱり神秘だと思った。

青いというより蒼い

困った時のサイエンスネタ…と思われては困るのだが、ホントにネタに困ったのは事実だ(爆)
ネットを彷徨っていたら、こんな記事に出くわした。

インドネシア 火山噴火の「青いマグマ」、化学幻想映画のシーンを彷彿
http://blog.livedoor.jp/nwknews/archives/4844787.html

文中では青いマグマと記載されていたが、写真を見た時私は「青いというよりは蒼いじゃないか?」と、感覚的に思った。
要するに物理的に青いのは理解できるのだが、蒼いという言葉には「血の気のないあお色」という意味がある為、この何となく“綺麗だが危険を感じるあお色”は青よりも蒼という感じがしてならなかったのだ。蒼い炎…とまぁ、そんな言葉の意味は良いとして、どうしてこんな蒼いマグマが存在するのかが気になるところ。
科学的に何故蒼いのかというと、どうも硫化水素、つまり硫黄が関係していて、硫黄が熱によってガス化し、そのガスが空気中の酸素に反応して高温化、それが燃えている現象らしい。
だから強烈なまでの硫黄臭が周囲に立ちこめているはずで、しかも青い色というのは波長的に遠くまで届かない光だから、かなり近くまで寄っていかないとこの色には見えない。見てる分には綺麗だが…見てる分には綺麗だが、撮影した人たちはかなり苦しい状況の中撮影したのではないかと思える。

こういう写真を撮りたいねぇ

カメラを趣味としている以上、こういう世界の不思議みたいなものをカメラに納めるなんてのはまさに夢のような出来事である。
だが、この蒼いマグマを撮影するのは、その場所の条件などから考えて、非常に困難かつ難しい事が予想される。
おそらくだが、フラッシュを使うとほとんど何も見えなくなると予測できる。というのは、高音でガスが燃えているのだから、そこにはかなすら煙があるハズで、フラッシュを使うと、そのフラッシュ光が煙りに反射して、画面は一面真っ白…というか灰色になるハズである。
先程も書いたが、青い光は波長が短いため、届きにくい。それが煙越しに見えるのは撮影者側から光を出さずに撮影しているから。逆にこちらからフラッシュなどで光を出せば目の前にある反射する物質がフラッシュ光を反射して青い光は打ち消されて見えなくなるってしまう。
ここが普通の夜景撮りと共通する、一種難しいところである。悪条件下でこれを撮影するのは難しいだろうねぇ

Continue reading…

Desktop Version | Switch To Mobile Version