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HDRにできない?

Dellの「AW3821DW」はDisplayHDR 600認証なのだが…。

WindowsのHDR設定

先日、オークションでDellの「AW3821DW」を落札、導入した話は当Blogでも書いた。その導入にあたり、モニターアームが強すぎて上手くいかなかったという問題もあり、決して全てが順調に導入できた、という事もないのだが、ここに来てもう一つトラブル…というか、私の想定していなかった問題が発生した。
今回、Dellの「AW3821DW」を導入したのは、10bitカラーの表示が可能になるという事、そしてリフレッシュレートが60Hz以上になる事、そしてHDRがサポートされる事の3つを期待しての事だった。
10bitカラーに関しては、リフレッシュレートを120Hzまでに止めて置けば可能になるという事はネットで調べてわかっていたし、実際にやってみたらそのとおり10bitカラーで表示され、画面から一段と鮮やかになったので、問題なくクリアされた。
リフレッシュレートはWindowsのディスプレイの設定から120Hzを選択した時点で、モニタ側も120Hzと認識して問題なくクリアとなった。
この2つが実現しただけでも、以前よりずっと鮮やかに、滑らかにPCモニタが表示されるようになったので、十分満足なのだが、問題はHDRだった。
Windows11では、ディスプレイの設定の中にある「HDR」の部分をONにするだけで、HDR表示は可能なのだが、その「HDR」をONにするスイッチは、モニターがHDRに対応可能なものである時に限られ、接続モニタがHDRに未対応の場合は、表示からして「未サポート」と表示され、スイッチが表示されない仕様になっている。
Dellの「AW3821DW」は、スペックとしてDisplayHDR 600認証を取得した、G-Sync Ultimateの認証を受けたモニタなので、私は難なくHDRにできるだろうと考えていたのだが、何故か私の環境ではWindows11の設定でHDRが「未サポート」と表示され、HDR表示ができない事が判明した。

G-Sync Ultimate

いろいろ試したが、結局HDR対応ができない状況が続いたので、私もいろいろ調べたりして、できない理由は以下のような可能性がある、と予想した。
Dellの「AW3821DW」は、ティアリング防止などの機能としてNVIDIAのG-Sync、それも最上位のG-Sync Ultimate認証に合格した製品である。
互換性に問題があってRadeonでは使えないのだろうだからGPUとしてはNVIDIA製のGeForceなどを利用する事を想定した製品だが、そもそもG-Syncだけでなく、Adaptive Syncという、VESA標準のティアリング防止にも対応しており、これがAMDのFreeSyncと同等機能になっている事から、NVIDIA製GPU以外でもこれらの機能を利用出来るようにしている。
だが、厳密にいうとG-SyncとAdaptive Syncは技術的には全く異なっていて、G-Syncはその機能を有効化するにあたって専用のハードウェアを必要とするシステムになっている。なのでNVIDIAのGPUがG-SyncであってもAdaptive Syncとして認証されるに際して、モニタそのものはAdaptive Syncに対応していれば、NVIDIAのGPU側でG-Syncのハードウェアを使用せず、ソフトウェア対応で機能を実現できるAdaptive Syncとして認識させるようにできている。
AMDのFreeSyncは、元々の技術がAdaptive Syncの技術と同等であるため、こちらは気にする必要が無い。モニタがAdaptive Syncに対応していれば、GPU側で機能をONにすれば事足りる。
今回、私が使用するAW3821DWでは、モニタはG-Sync Ultimate認証を可能にするモニタだが、PC側のGPUがAMDのRadeon VIIなので、G-Syncのハードウェアユニットは使用せず、Adaptive Syncとして機能が働くよう設定された。
実際、それだけでも格段に変わるのだが、問題は、このG-Sync Ultimateという認証には、HDRに関する技術的要素も内包しているため、専用ハードウェアを使用しない=HDR機能も有効化されない、という流れになった可能性がある。
つまり、この時点でHDRの設定技術に食い違いが生じており、モニタ側はG-Sync Ultimateのユニットを使用しないと理解していても、Windows11のOS側がG-Sync Ultimateが有効化されていないので、HDRに未対応、と認識している可能性がある。一応、Windows11側も、GPUはHDRに対応している事は認識しているはずだが、接続されているモニタからHDR対応可能の信号が届かないので、HDR対応ができない、と断定していると考えられる。
よって、私が使用するGPUをNVIDIA製のものにしない限りは、今の環境下でのHDR表示は、ちょっと厳しいと言わざるを得ない可能性が出てきた。

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AW3821DWという名機

現在考え得る私の最高の条件適合機。ただ…高いのが問題。

考え得る最高の性能

当Blogでは、結構頻繁に話題にする理想の液晶モニタの話だが、いろいろ考えを巡らし、今私が考え得る条件の中で最高のモニタは何か? を再び考えてみたのだが、価格を問わないという条件で考えて見ると、DELLの「AW3821DW」という結論に至った。
実はこの「AW3821DW」は、以前当Blog記事のコメントで薦められたモニタであり、当時の私も「AW3821DW」は最高のモニタだとしつつも、価格が問題という事で大々的に取り上げる事まではしなかった。
でも、紹介されたこの「AW3821DW」は、確かに私の探しているモニタの条件に、現時点で最適解を示している。
3,840×1,600ドットの解像度と、144Hzのリフレッシュレート、そしてDisplayHDR 600の対応を実現するという、確かに私の条件にほぼ合致する製品である。
今考えられる最高のモニタただ、価格がとびきり高く、DELL直販の価格で199,800円、割引価格でも162,255円と、最近のメインとすべきモニタ価格の倍以上の価格が設定されている。
もう一つ、非常に近い性能を持つモニタが「LG 38GL950G-B」というLG製のモニタがあるのだが、価格はLG製の方が少し安いものの、こちらはリフレッシュレートが175Hz、DisplayHDR 400対応と、方向性が異なる。但し、使用しているパネルは同じものだと考えられる(同じNano IPS仕様)のだが、もともとどちらの製品もリフレッシュレート120Hzにしないと10bit入力ができないので、私の場合はどちらの製品であってもリフレッシュレートは120Hzに限定してしまうと思われるので、それならばDisplayHDR 600対応のDELL製「AW3821DW」の方が、機能的には上、という事になる。

G-Sync対応だが…

DELLの「AW3821DW」は、そのハードの中に「G-Syncモジュール」が搭載されている。
この「G-Syncモジュール」だが、NVIDIA製ビデオカードで可変リフレッシュレートを可能にするユニットで、今まではこの「G-Syncモジュール」を内蔵したモニタではAMDのGPUでは可変リフレッシュレート機能である「FreeSync」は利用できなかった。
しかし、最近の「G-Syncモジュール」はそのあたりが改善されたのか、少なくとも「AW3821DW」ではAMDのGPUでも「FreeSync」として可変リフレッシュレート機能に対応するようになっている。
もっと詳しい機能的情報もあるのだが、それを説明すると難しい話になるので、ここでは割愛する。ただ、今まで私が避けてきたG-Sync対応のみのモニタであっても、この「AW3821DW」は問題なく利用出来るというところがポイントで、その影響は入力端子のDisplayPort、HDMIの両方に働く事が確認されている。
つまり「AW3821DW」であれば、NVIDIA製だろうがAMD製であろうが、その機能を全て利用する事ができる、と考えて間違いない。
今まで、G-Syncモジュールを搭載したモニタは価格が多少高くても比較的高機能で、欲しい機能に手が届いていたものの、AMD製GPUである事を理由に対象から外していたが、「AW3821DW」はそういった制限のない製品というところも高評価できるポイントである。

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27型ゲーミングディスプレイ

そろそろ普及してきたとも思うが、本命はまだこない。

DELLの27型WQHD液晶

DELLから、27型ゲーミングディスプレイ「S2721DGF」が発売された。価格は48,980円(税別)。
この「S2721DGF」は、最大165Hzのリフレッシュレートに対応している関係から、G-SyncやFreeSync Premium Proをサポートし、同時にdisplayHDR 400認証を取得している。
スペックを見る限り良い製品解像度はWQHD(2,560×1,440ドット)で、パネルはIPS方式、中間応答速度は1msと非常に高速なモデルである。
他機能として、表示色数は10億7,000万色、輝度が400cd/平方m、コントラスト比は1,000:1、視野角上下共178度となっている。気になる色域はDCI-P3を98%カバーしているので、HDR対応としては順当な対応と言える。
他にも独自機能として、暗部視認性向上機能の「ダークスタビライザー」やFPSカウンターなど、ゲーム向け機能を内蔵し、インターフェースもHDMI2.0×2、DisplayPort1.4×1、USB3.0×4(ダウンストリーム)、USB3.0×1(アップストリーム)、音声出力を備える。

IPSパネルでも高速応答

ここ最近発売される液晶のほとんどが、IPSパネル採用であっても中間色応答速度が1msと高速なモデルが多くなってきた。
これはようやくパネル自体が高速応答可能な時代に突入した、という事だと思う。
なので、60Hz以上の環境へ進むのはいよいよもってこれからという未来がようやく見えてきたという事ではないかと思う。
私の理想から言えば、4KでHDR品質というものが120Hzで表示されるのがスタートラインと思っているので、パネル、コントローラー、インターフェースの全てがそれ以上の性能を持たないと一つ先の未来には到達しないと思っている。
液晶テレビの世界ではそれらはもう実現している、という感じかもしれないが、PCはもっと厳格な規定で構成されている事が多いので、テレビより遅れていた感がある。
2020年の今の段階でこの様相なので、実際私が決め手と思えるような製品がスタンダードになるには、あと1年くらいは架かるのかもしれない。

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