楽器になる3DS

 ニンテンドー3DSに、かつての名機が蘇る。
 KORGのM01というアナログシンセを復刻した、ニンテンドーDS用ソフト“KORG M01”がかつてはパッケージソフトとして販売されていたが、そのソフトが2012年12月に生産中止となっていた。
 今回発売されるのは、ニンテンドー3DS用としてカスタマイズされた“KORG M01D”という製品で、基本的にはかつてのKORG M01の復刻版という形になる。

 今回3DS用となった事で最大発音数が12音から24音へと拡張された。
 内蔵する音色データは、前ソフトのKORG M01の全PCMデータに加え、新たにKORG 01/Wから選ばれた波形+新たに制作された波形など342音色が備わっている。
 ツールとしては、トラック/シーケンサは1シーン最大64ステップ/最大99シーンを収録し、マスターリバーブ、ディレイエフェクトなどを搭載、タッチペンによるノート/コード/リズム入力モードを搭載している。
 このタッチペンによる入力が意外にも新感覚で、同じKORGの製品である“KAOSS PAD”のような入力が可能でセンシティブな演奏が可能になる。
 さらにこの“KORG M01D”はインターネットやすれ違い通信で、ユーザー間でソングデータを交換する事ができるようになった。そしてさらに、こちらの方が私としては重要なのだが、ソングデータやMIDIデータをSDカードにセーブすることができるようになったのである。
 このデータ書き出し機能が搭載された事で、さらにこれら楽器ソフトの使い勝手は向上するのではないかと思う。

 別にニンテンドー3DSに限った話ではないのだが、最近のモバイル機器でも昔のシンセサイザークラスの処理を普通に出来てしまうぐらい、最近のものは処理能力が高い。
 ただDSや3DSはそのタッチパネルというインターフェースが大きな特色だったという事と販売台数が桁外れに多かったという理由で、こういったソフトが登場した、という背景があるように思えてならない。
 ある意味、新しいジャンルのソフトである。

 PS VITAでも、背面タッチパッドなんてものもあるわけで、こういったソフトが出てきても不思議ではないし、性能的には何ら不都合はないハズ。
 あとはPS VITAというプラットフォームで開発しよう、というソフトサプライヤーが現れるかどうか次第である。
 SCEには、そういった窓口の強化案がないのだろうか?
 いろいろできる事はまだまだあるように思うのだが…。

 ちなみにこの“KORG M01D”はニンテンドーeショップのダウンロード専売で価格は3,000円となる。公式サイトが英語でしか記載されていない辺り、国内販売よりも海外販売に力を入れているという事なのかもしれない。新しい潮流ではないだろうか?

KORG M01D – ニンテンドー3DS
http://www.detune.co.jp/korgm01d.html

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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2 Responses

  1. ruser より:

    これ、欲しいなぁ。
    DSの時は知ったとき既に手に入らない状態だったんで、今度こそ。
    どんなものかはニコ動で見たから一応わかってるけど、センスを問われるのが一番の問題なんだよなぁw
    似たようなソフト音源で STORM を持ってたけど、自分のセンスのなさに匙投げたっけw

  2. 武上 より:

    DS-10と違い、純粋にアナログシンセのシミュレーターなので、多少クセはあると思います。
    それでも、3DSで当時○十万というシンセの音がすんなり出てくるので、昔を知っている人ほど感動すると思います。
    タッチパッドという新しいインターフェースを使うと、また違った楽しみ方もできるのが良い所。
    昔、音楽に傾倒していた人にはお勧めしたい一品です。

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