AMDの静かな躍進

 AMDが発表したところによると、任天堂の“Wii”に搭載されている旧ATI製のGPU“Hollywood”を5,000万個を出荷したとの事。任天堂の決算資料によると、2008年12月31日時点でのWiiの出荷台数は4,496万台となっているため、この数値はほぼ確実なものと思われる。
 旧ATIのHollywoodは、Wii用に設計されたカスタムGPUで、混載DRAMなどの技術が使われている。そのため製造はNECエレクトロニクスが行なっている。
 旧ATIと任天堂は、GameCube用のGPU“Flipper”から協業を続けていて、今回のHollywoodも私の記憶によると拡張版Flipperといえるような存在だったと思う。


 Wiiはもともと性能的にはGameCubeとあまり変わらないという話で、GameCubeのコアを2個搭載する事で性能アップを図り、基本的に開発ツールなどは同じものが使用できるというところを任天堂は売りにしていた。
 ただ、Wiiではインターフェースが刷新されたため、個性的なリモコンコントローラーの制御部分として新しい開発ツールが上乗せされた…という感じ。
 結果的には、そのリモコンスタイルが好評となり、またその後に出たWii Fitがゲーム層でないところにヒットしたのが大きな牽引力となっている。
 AMD(旧ATI)はIntelと比較して負け込んでいる…という印象があるが、ことゲームコンシューマ系で見るとIBMと拮抗、もしくは凌駕している。
 逆にIntelはゲームコンシューマ系にはほとんど進出してきていない。
 その橋頭堡となるのがLarrabeeという事になるが、そのLarrabeeが本格始動するにはまだ2~3年はかかるのではないかと思われる。
 要するに次世代機PS、次世代Xbox360などがそのターゲットになるわけだが、AMDもおそらくそれを黙ってみているなんて事はないだろう。
 数年後先を見据えた上で、IntelとAMDの戦いはこれからさらに激化していくだろう。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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