メタルギアソリッド PWがスゴイ

 知人はもう購入したと言っていた。
 メタルギアソリッドシリーズが面白いと触れ回っていた側だったのに、気がつけば私だけがまだ未購入という体たらく。
 …だって、お金なかったんだもん(爆)

 今回発売されたメタルギアソリッドピースウォーカー(以下MSG PW、PWと略)はプラットフォームをPSPとしながらも、その操作性やアクションなどはほぼPS3版MGS4と同じものが搭載されている。
 つまり、可能となるアクションのほとんどは最上級機種と同じものが用意されており、さらにそれを上回るアクションが準備されている。
 どれだけの事ができるかは、ニコニコ動画やYouTubeで公開されている動画を見ればわかると思うが、とりあえず公式に公開された動画でその雰囲気やシステムを知ってもらった方が話が早いかもしれない。




 とにかくできる事が多い。


 そしてマザーベースを拡張し、運用したりする事を目的とすると、そのやり込み要素はとんでもない規模になる。ましてそれに通信を加え、人員のトレードなどをしようものなら、ドラクエのヨドバシ前「ルイーダの酒場」のようなエリアが必要になるのではないかとすら思えてくる。
 これだけの規模のシステムをPSPで再現したという事にも驚きだが、目をみはるのはその画質。
 もともとPSPはNDSなどと比べればかなり綺麗で高画質ではあるが、使用できるポリゴン数などの制限からPS2よりは綺麗とは言えなかった。
 だが、ここ最近のPSPソフトにはPS2を超えたのではないか? と思えるようなソフトが現れ始めた。
 何かがソフト開発の中で変わり始めたのではないかと思うが、可能性の一つとしてNDSソフト「ラブプラス」の手法と同じようなやり方で制限を超えた表現を取り入れたのかもしれない。
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 簡単に説明すると、1キャラクターに使用できるポリゴン数はハードウェア的に制限を受けているため、1キャラクターを何分割かして、その分割したセットキャラクター毎に制限ギリギリのポリゴン数を割り当て、それらを組み合わせて複数キャラクターを表示させれば、画面上では1キャラクターのように見える、という手法だ。
 こうすれば、5,000ポリゴンが制限でも4分割で1キャラクターを表示すると20,000ポリゴンレベルになるという仕組み。もちろん、総ポリゴン数が増えれば全体の処理が重くなるため、総合的な処理能力が求められるのは避けられないが、それでも制限を突破する手法の一つである事に違いはない。
 上記リンクを読んでもらえばわかるが、ラブプラスというソフトは、実はとんでもない技術力の塊だったというワケだ。ゲームそのものは実にラブコミュニケーション的なソフトなのだが、その実、涙ぐましい技術力の結集によって作られているのがよくわかる。
 話を戻すが、PWもかなりの技術力を結集して作られているソフトだろうと思う。
 すくなくともPSPというポータブル機だから、という妥協は一切ないと思われる。
 体験版をプレイしてみたが、その出来の良さは少なくともオリジナルであるPS版メタルギアソリッドを遥かに超えた作りである。
 PSPを持っている人にはぜひお薦めしたい逸品だ。
 ただし…私はぜひオリジナルであるPS版メタルギアソリッドをプレイしてもらいたいと思っている。
 今更PSソフトなんて…と思うかもしれないが、メタルギアソリッドシリーズを知る上では初代作品の情報は避けて通れない。もちろん、メタルギアシリーズはもっと昔の原典が存在しているのだが、そこまでプレイしなくてもいい。だがせめてPS版メタルギアソリッドは押さえて欲しいと思う。ストーリー的にも絡んでくる情報が多いが、何よりPSでこれだけの事ができるソフトがあるという事を知ってもらいたい。
 あと余力があればPS2版メタルギアソリッド3のストーリーを知っておくのもいい。PWは3の話の後の話。この情報を知っているだけでPWが数倍面白くなる。
 ちなみにPS2版メタルギアソリッド2はPS版メタルギアソリッドの後の話であり、4はさらにその後の話である。
 メタルギアサーガと言っても過言ではない程の情報量になっているが、PWを楽しむには1と3の情報があればより楽しめる。
 予習が必要なソフトというのも変な話だが、面白いストーリーだから苦にはならないだろう。
 とにかくお薦めである。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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