2TBがとうとう1万円割れ

 HDDの大容量化も進んだ今日、その価格の下落はとんでもない事になりつつある。
 私が今のPCを組み上げた時(CPU:Core2 Quad9550)、HDDの主流は320GB~500GBモデルだった。
 もちろん、それでも随分と大きな容量と言えるのだが、今は1TBのHDDが6,000円台というのが当たり前で、1.5TBでも8,000円前後(価格はすべてバルクのもの)。
 こんなに安くなってどうするのかとも思えてしまうが、今週、とうとう2TBのHDDが1万円を下回るという状況が発生した。

 今回の1万円割れは、特価という扱いではあるが、秋葉原の主要店のほとんどで行われているところに特殊性が薄い感じがある。
 一部を除き、特価となっているのはWestern DigitalのWD20EARS(500GBプラッタ版)で、価格は概ね9,980円である。
 このモデルが何故1万円以下となったのか?
 そこには新製品が関係しているのではないかと思われる。


 今週末、同じWestern Digital製2TB HDDであるWD20EARSが発売となった。
 このWD20EARSだが、667GBプラッタ採用のHDDらしく、そこが旧製品と大きく異なる部分である。
 旧製品は500GBプラッタ採用で、今回の新製品はそれを上回っている。
 この2つの違いは何かというと、HDDの中に搭載されているアルミディスクの記録密度に違いがあるという事。
 667GBプラッタ採用であれば2TBは3枚(667×3=2001)、500GBプラッタ採用であれば2TBは4枚(500×4=2000)という事になる。
 つまり、明らかに部品点数が少ないわけであり、これは読書速度にも影響が出ると考えられる。
 この新製品の登場が、旧製品である500GBプラッタ採用品の価格を押し下げた可能性がある。
 ただ、残念ながら新製品であるWD20EARSの公式データシートにプラッタ容量やプラッタ枚数などの物理スペックは記されていない為、具体的にどこに違いがあるのかは不明。
 ただ、HDDのような精密機器は部品点数が少ない方がトラブルは少ない為、新製品の方が魅力的だという見方はできる。
 徐々に今回の製品に入れ替えが行われる事になるだろうが、今はその旧製品の在庫処分が行われる方向で価格が下げられている可能性もある。
 どちらにしても、消費者側から見たとき、2TBが1万円割れという印象は大きい。
 2万円あれば4TBであり、RAID 1のミラーリングでデータ保護をするNASを構成したとしても、2TBの大容量ストレージとする事ができる。
 純粋にストライピングとして4TBを利用するRAID 0であれば、相当大きなストレージとする事もできる。
 それ以前に、1ドライブ運用としても2TBだ。
 この大容量はかなり魅力的と言える。
 HDDをそろそろ換装しなきゃいけないなと思っている人はタイミング的にいいかもしれない。
 もうちょっと待てばさらに下がる…かもしないが、多分差は微々たるものだろうと思う。
 しかし…3.5インチがこの勢いで大容量が低価格になっていくと、2.5インチが主流になるかもと思っている私の予測はまた後退しそうである。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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