そろそろPCにBDドライブを…

 長い間、PCにBDドライブをいつ導入するか悩んでいた。
 どれくらいの間かというと、それは今のPCを構成した時から、つまりまだOSがXPでCPUがCore2 Duo E6700の頃からである。
 当時はまだBDドライブそのものが高価であり、導入も考えるまでもなく“待とう”と判断できる話だったのだが、私は大凡の予測として何れBDドライブも1万円前後になる、と予測していた。
 ところが私の予測を反して、BDドライブの価格下落が進まなかった。進まない理由はいくつかあるが、製品原価の限界点付近に未だDVDのコンボドライブが存在し、市場から消えないという事態が、BDという付加価値を持つBDドライブの価格下落に歯止めを掛けた事は言うまでもない。
 結果、最安値のBDドライブは何とか1万円強という価格帯に来た事は来たが、AVCHD、AVCRECの再生が出来なかったり、ソフトがバンドルされていなかったり、Blu-ray3D再生対応でなかったりしている。
 まぁBlu-ray3D再生対応はどうでもいいとしても、せめてAVCHD、AVCRECの再生には対応していて欲しいと思うのが私である。そうなると、どうしても価格は1万円台半ばくらいにまで来てしまうのだが、それでもその価格でようやく買える時代が到来したのも事実である。

 この商品はパイオニアのBDR-206JBKというモノで、いわゆるバルク品とはちょっと違う。これでもBOX品であり、もちろんソフトもバンドルされている。
 しかもそのバンドルソフトは、パイオニアの看板商品である“BDR-S06J”シリーズと同じものがバンドルされる。
 BDR-S06JとBDR-206JBKの違いはその機能の洗練度にある。出来る事の大まかな所は全く同じだ。しかし、その洗練度に価値があるため、その価値を大きく考える人はBDR-S06Jを購入すれば良いだろうし、できる事が同じでコストを押さえたい人はBDR-206JBKを購入すればいいだろう。機能の違いなどについてはココに一覧表にまとめられている。


 これから先、BDドライブがどれぐらい価格を下げてくるかは分からない。
 おそらくコストの下げ幅はどんどんと小さくなってくるだろう。理由は単純で昔ほど光学メディアが使われていないからだ。というよりも、通常使用においてデータ容量的にDVDで十分という状況があるからとも言える。
 それに大容量を欲しい場合はHDDを利用する方が遙かにコスト的に押さえられる。中身を交換できる外付けHDDドライブケースを持っていれば、その中身
を入れ替えて大容量データのやり取りが簡単にできてしまう。そうなると、交換ストレージとして存在している光学メディアは、その容量で大きく水をあけられ
てしまっている以上、断然不利である事は間違いがない。

 つまり、DVDが普及した頃と今とでは状況がまるで違うという事。
 今はHDDが安く光学ドライブより速い。速さだけを求めるならSSDという選択肢もある。
 そしてちょっとしたデータを持ち歩く場合においても、USBメモリもあればSDカード、MSなどシリコンメディアが多数ある。しかもそれらの容量は既に数GBという容量があり、書き換え可能という汎用性に優れたものだ。
 その中にあって光学ドライブ、光学メディアはどうなのか? となると、今やBlu-rayは映像コンテンツのメディアという枠に収まってしまうものであり、ちょっした大きなデータを持ち歩くにしても、使い捨てができるDVD-Rを使うのが関の山…という状況だ。

 こんな利用状況で光学ドライブがどう発展していくというのか?
 大量にドライブが売れればメーカーも新しいドライブを次々と投入してくるだろうが、今のような状況だと、そこそこ使える=DVDが読めるドライブがあれば、あとはどうにかできる時代と言えてしまう。そうなれば新しいドライブが投入される頻度は今よりずっと少なくなり、また価格も落ちてこない。
 BDXL(3層以上のBD)が発表されてから、かなりの時間が経つがそれも未だ大きく普及する動きが見えてこない。つまり、実際にはそうでもないのだろうが、BDDL(2層50GBまで)で事足りている、という現状が市場を鈍らせている、と言える。

 というわけで、BDドライブ市場はおそらく今後大きな価格変動が起きにくいと考えられる。というか、私はそう思っている。
 製造原価の限界点にDVDドライブがいつまで居続けるのかもわからない。市場に出回るソフトウェアが未だDVD(2層)の容量である7.4GBを超えてこないため、まだ当分はDVDドライブが安価な製品としてその市場を確保し続けるのではないかと私は見ている。
 であるならば、PCにBDドライブを投入したいと考えたなら、今の時期でも今年の年末でもあまり状況に変化はないだろうと思える。というか、今から半年前でも状況的に大きく変わっていなかったハズだ。

 というわけで、今PCにBDドライブを導入するか真剣に考えている。
 価格的にBDR-206JBKなら通販購入でも15,000円くらいである。もっと機能を絞れば11,000円以下でも導入できる。この辺りは欲しい機能とバンドルソフトとの兼ね合いで決めれば良いだろう。
 BDドライブを検討している人は、市場動向をよく検討して考えてみると良いだろう。
 多分、私と大きな違いのない結論に周のではないかと思う。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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