忘れた頃にRO2

 ラグナロクオンライン(以下RO)。
 多分、私が未だ最高のオンラインゲームの一つとしてカウントしているゲームだが、日本でブームを起こしていた時期は運営がまともに仕事していないとおもえるほど荒んだゲームだった。しかし、そのゲームシステムは今以て良く出来ていたと言えるし、当時はハードウェアスペック的に厳しいゲームだったが、今のPCスペックなら比較的低スペックとも言えるPCで難なく動く、実に小気味よいゲームとなった。さらに今は運営もちゃんと仕事していると言える環境で、この状況が今から5年以上前に訪れていたならば、おそらくこのゲームを超えるゲームは存在しないんじゃないか? と思えるほどのゲームだったに違いない。
 そんなROの次回作として期待されたRO2は、日本でもオープンβテストが行われた事もあったが、結局その時進行していたRO2の企画はシステム的に問題も多く、多くのユーザーの期待する所とは全く違った展開となり頓挫、一旦韓国Gravity社が引き上げるという形で日本から姿を消した。
 そして新生したRO2の第一次クローズドβテストが韓国で行われたのが、2010年8月31日。
 全く異なったシステムと全く異なったグラフィックで戻ってきたワケだが、その時のテストではまだ未実装だったものが数多く存在していた(らしい)。韓国での出来事であり、日本国内ではサービスも開始されるのかどうかも分からないタイトルなだけに、情報も少なかった。
 そして今回、第二次クローズドβテストが韓国で再び行われる事となった。
 7月13日から17日という5日間だけのテストのようだが、今回はキャラクターの職業の性別制限がなくなり、新職業や新スキルの追加、システムとしてもいろいろな機能を追加してのテストになるようである。

 日本でテストされていたRO2とは見た目も随分と変わった仕様となった。
 あのテストは一体なんだったのだろうか…。


 詳細に関しては、ココを確認してもらいたい。
 その中で、私が気になった所をちょっと突っ込んでみたい。

 日本でテストしたRO2の一つの話題に、BGMをあの菅野よう子が作曲した、というのがあった。
 菅野よう子氏をよく知らない人にちょっと説明しておこう。
 菅野よう子氏は現在こそCMやアニメ、ゲーム、ドラマ、映画の作曲家としてその地位を確立した人だが、古くは光栄のゲーム音楽を作曲していた人である。
 光栄の「信長の野望」シリーズの黎明期からその音楽を担当していて、信長の野望-全国版-の作曲から、同じく戦国群雄伝、武将風雲録、覇王伝、天翔記の作曲までやっている。その後のシリーズでもオープニングなど一部の曲を作曲していて、光栄との付き合いはかなり古い部類に入ると言える。他にも「大航海時代シリーズ」などの作曲も行っている。
 このゲーム音楽を作曲していた所から、その活動範囲がアニメ関係に広がったワケだが、この菅野よう子氏のスゴイところは、その守備範囲の広さ。
 まぁ、知っている人ならわかると思うが、業界内では器用貧乏とまで言われるくらい幅広いジャンルの作曲が可能な人で、作品内で使われる楽曲に関してもその作品の世界観を彩る事に関して右にでるもの無しと言えるほどの多彩さを発揮している人である。
 カウボーイビバップというハードボイルド作品は、その作画もスゴイが、菅野よう子氏の楽曲がその世界観を確立したのではないかと私は思っている。

 ま、その菅野よう子氏がRO2の楽曲を担当するという事で、当時は相当な話題となった…ハズなのだが、その作品そのものがペンディングとなり、結果、リニューアルされる事となり、菅野よう子作曲のBGMはその後どうなるのか? というのが私の中では気になるポイントになる。
 リニューアル版を韓国で制作するという話になったとき、その開発者にインタビューした際には基本的にこの菅野よう子氏作曲の楽曲を使用する、としていた。ただ、一部はイメージが異なってきているため、新曲を別から用意する、という話だったのだが、今回の第二次クローズドβテストでは、そのBGMもリニューアルされている、というのである。

BGMも大きく改善された。これまで多少地味だったBGMを、ゲームの雰囲気に合わせて迫力のあるものに変更して没入感を高めている。またシンプルだった
打撃効果音は、よりリアルなものに変更されているほか、声優を起用したキャラクターボイスの追加により、より躍動感のあるプレイを楽しめるようになっている。

(4Gamesの記事より引用)

 大きく改善された。
 この言葉の意味する所はどこにあるのだろうか?
 世界観、という意味で、菅野よう子氏作曲の楽曲と合わなくなり、使用しないならそれはそれで仕方のない話だとは思う。
 しかし、当初言っていた事と大きく異なり始めているのも事実で、この辺りの詳細が私的にかなり気になるところである。
 お蔵入りさせるには随分ともったいない話…と思うのは私だけではあるまい。

 とりあえず新生RO2は日本でサービス開始となるかは未定のもの。
 開始されるとしても、どこがサービス元となるのかもわからない。
 国産MMORPGの期待作だったFF14が不調なスタートを切った今、ある意味新生RO2はラッキーな状況に置かれている事は間違いない。どこか日本のサービス元が日本での展開を視野に入れてそろそろローカライズの動きを見せてくれないだろうか?
 個人的には今のMMORPGの状況に一石を投じる存在となって欲しい…そう思っている。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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